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弊社では社内に業務改善のための推進室がいくつかあり、全社員が何らかの推進室に所属しています。私も2016年5月までは2つの推進室(情報セキュリティ推進室、新技術・新事業推進室)に所属していたのですが、新しく発足する「借用品管理室」の室長になりました。
借用品管理室の活動として「お客様から借用している物品を正しく管理し、信用を得られるようにする」という目的があります。室員7名で活動を開始して、まだ1年未満のため、管理ルールの策定や運用には至っていない状況ですが、現時点での活動内容や、今後進めていきたいことを本ソフテックだよりでご紹介いたします。
弊社は受託開発を専門としており、お客様からご依頼を受けている案件によって、一般に市販されていない特殊な機器や、開発環境や動作確認を行うためのパソコンや計測機器などを必要に応じて借用させて頂いております。
借用品管理室が発足するまでは、借用品の管理などは5S推進室(整理・整頓・清潔・清掃・躾)で行っておりました。開発時の動作確認などの段階で、デバッグエリアという場所に機器を広げて作業をするのですが、機器が整理・整頓されているか、何の仕事で借用したものなのか?などの立て札を立てるなどの改善作業を5Sで行ってきた事もあり、5S活動と借用品管理は密接な関係性がありました。
借用品管理室では、5Sで行ってきた事を含めて、これら借用品について、正しく管理・維持するための活動を行う事になっています。
ソフトウェアの動作確認を行っていた時に、借用していた機器が故障したのですが、その扱いについてお客様に相談したことがきっかけでした。
借用品が経年劣化などで故障する、誤った使い方で壊してしまうという事はまれにあることなのですが、会社として「お客様に信用を得られるような管理が出来ていたか?」というと疑問が残る状況でした。
長期借用品は、適切に扱っていた場合でも故障する事は十分考えられるのですが、貸し出しているお客様にとっては「壊した」のか「壊れた」のか分かりません。
また貸し出したお客様は、適切に管理しているという状況が伝わっていないと、不安や不満を持ってしまうという事も分かりました。
これらの状況を会社として改善する必要があると考え、借用品管理室を発足することになりました。
弊社では借用品管理室が発足する以前から、お客様から借用した物品については「データベースに登録し、借用品に管理番号(タグ)をつけて管理する」という事を行っております。
図1. 借用品に管理タグを付けた状態(もしくはテプラで管理ラベルを貼る)
弊社には長期にわたって開発を継続しているものもあり、開発に関係する機器などは長期間借用させていただいている物も数多く存在します。社内の担当者や開発状況が変わったりすることで、借用品が八戸事業所から本社事業所(四谷)や高松事業所に移動になったり、一時保管として倉庫内に移動する場合もあります。
また借用品は各自が受け持っているお客様とやり取りして、必要な機器を借りるのですが、その管理責任は借用した担当者に任せられております。
そのため借用品の管理は「良くも悪くも担当者次第」という側面があり、人によって物品管理に差が出ている状況でしたので、これらの管理体制を一度見直して改善する必要がありました。
借用品管理室発足後に最初に行った事は、「社内にはお客様からの借用品がどのぐらいあるのか?」という把握でした。
借用品を記録している、データベースに登録されている内容をチェックしたところ、約400件あり、それら1件1件の内訳を細かく確認すると、複数の機器をまとめて1件として借用している物もあり、実際の借用品はもっと多くあることが分かりました。
これら借用品は3つある事業所(本社、八戸、高松)内のデバッグエリアや、倉庫に保管されています。
実際にどのような場所に保管してあるのか?という状況ですが、私が勤務している八戸事業所を参考にとりあげてみます。
八戸事業所には納入品保管エリアがあり、下記写真のように、大量のダンボール(開発〜納入までの間にお客様からの借用品や・購入品などを一時的に置いておく場所)があります。一見乱雑に見えますが、エリア毎に区分けされ、管理担当、使用期間などを管理しています。
図2. 八戸事業所の借用品を保管している部屋の写真
他にもソフトウェアの動作確認で使用する機器が置いてあるデバッグエリア、長期間使わない物でも弊社管理とする機器は、倉庫などで保管している場合もありますので、社内の様々なところに借用品が存在している状況です。
思った以上に借用品数が多いという事がわかりましたが、全ての借用品の棚卸し(データベースに登録されている借用品と、社内にある物品の一致チェック)をするためにどのぐらいの時間がかかるのか?見当も付きませんでした。
まずは借用品が一番多いお客様1社分の確認を実施したのですが、仕事の合間で行ったことも重なり、それだけで約4ヶ月もかかってしまいました。
その間にも新しい借用品が増えたり、返却により減ったりと状況がどんどん変わっていく事もあり「これは大変だ・・・」と実感しました。
これまでの活動を通して、はじめは「借用品管理はそれほど大変では無いかも?」と室員も私も含めて感じていたものが、現時点では以下のような変化があったように思います。
借用品管理室の活動を通して、以下のような問題も明確になっています。
また検討している新しい借用品の管理ルールは、社員の負担にならないよう「なるべくシンプルにしたい」と考えているのですが、それでうまく管理できるのか?など考え始めると行動に移しにくくなりますので、「一度やってみて駄目な部分は改善していく」という方針で進めていく予定です。
2017年度中の目標として、「全ての借用品の棚卸し作業を終え、新しい管理ルールのアナウンスを行う」を掲げています。まだまだ課題も残っている状況ですが、立ち止まらずスピード感を持って推進室員と対応していきたいと考えています。
(S.N.)
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