HOME > ソフテックだより > 第394号(2022年1月19日発行) 現場の声編「災害時の自宅の備え」

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ソフテックだより 第394号(2022年1月19日発行)
現場の声編

「災害時の自宅の備え」

1. はじめに

私は本社勤務の入社15年超になる40代前半の中堅社員です。近頃、日本各地で地震が発生していることもあり、災害時の備えについて考える機会がありました。
ソフテックだより第382号 現場の声編「ソフテックの災害対策」”では、会社としての取り組みを紹介しました。会社としての対策は引き続き続けていく必要がありますが、個人としても、一人一人が自分自身や家族、自宅等を災害から守り、備えていく必要があります。そこで今回は災害時の自宅の備えについて、私の体験も交えて考えたいと思います。

2. 阪神・淡路大震災の経験

私は大阪出身で、学生時代に阪神・淡路大震災(1995年1月17日発生)を経験しました。その時の経験から学んだ点や気付いた点を書いてみたいと思います。
当時は、多くの人がそうだったように地震対策の意識が低く、私の実家でもほとんど何の地震対策もしていなかったように記憶しています。地震対策の意識が高くなった今、同じ規模の地震が起きたとしても、もっと小さな被害で収まると思いますが、備えがないとどうなるのか?という視点で読んでいただければと思います。
阪神・淡路大震災は早朝5時頃に発生しました。当然私も就寝していて、地震の揺れに気付いて起床しました。すぐに学校で教わったとおりに、上からの落下物から身を守るために、机の下に避難しました。しかしそこは学校で教わったような安全な場所ではありませんでした。避難した机は学習机でかなりの重量があり、それが地震の縦揺れに合わせて飛び跳ねていました。起床直後で素足でしたので、もし机に踏まれると大けがをしてしまいます。また地震の揺れや飛び跳ねる机に押されて、体の体勢を保つのが難しく、より危険な状況でした。さらに、激しい揺れにより棚からモノが飛び交っている状況で、机の下の狭い場所では、飛んでくるモノに対処することも難しい状況でした。そのため、机の下は危険と判断し、途中で部屋の隅に移動して、揺れが収まるまでやり過ごしました。
長く感じた揺れが収まり、部屋を見渡すと、ひどい状況でした。床は落下してきたモノで埋め尽くされ、部屋中の棚やタンスが折り重なるようにして倒れていました。さらに悪いことに、倒れた棚が邪魔をして、扉を開けることが出来なくなっていました。そのため、扉の隙間から父に靴を投げ入れてもらって足元の安全を確保し、数十分かけて倒れた棚を起こして脱出した記憶が残っています。
私の阪神・淡路大震災の被害は、このように破損したモノは多くありましたが、一方で家族も含めまわりの人間が皆、怪我もなく無事だったことは有り難いことでした。しかし当時の記憶は数十年経った今でもよく覚えています。当時の経験から、以下のことを今でも気を付けています。
 ・部屋の中に一時的に避難できる安全な場所を確保しておく。
 ・万が一のために部屋の中にも靴を置いておく。
 ・扉の前にモノを置かない。

3. 東日本大震災の経験

次に、東日本大震災(2011年3月11日発生)の経験について記載したいと思います。
発生日時は、金曜日の昼過ぎでしたので、私はソフテック本社(新宿区四谷)で勤務中でした。地震発生後にまず困ったことは電車が止まってしまい、帰宅できなくなってしまったことです。私の自宅は会社から遠く、電車ならドアツードアで1時間弱ですが、歩くと7〜8時間かかってしまいます。仕方がないので、電車が動くまで、会社で待機させてもらうことにしました。ビルの備蓄に毛布や簡単な非常食があり、翌朝に電車が動くまで、それほど不自由を感じることなく過ごせたと思います。備えの大切さを実感することが出来ました。

4. 備えのチェックリスト

阪神・淡路大震災や東日本大震災の経験からも、このような災害が起きる前に、必要になるものを準備しておくことが大切になります。
そこで、政府(首相官邸ホームページ)から発行されている“災害の「備え」のチェックリスト”(出展URL:https://www.kantei.go.jp/jp/content/000064513.pdf)に自宅の備えの状況をチェックしてみました。

災害の「備え」チェックリストの一部(筆者によるチェック済み)
図1.  災害の「備え」チェックリストの一部(筆者によるチェック済み)

自分なりに備えをしているつもりだったのですが、チェックを付けてみると、不足しているものが多くありました。また用意していると思っていたものでも、例えば懐中電灯の電池が切れている等、チェックを付けられないものもありました。さらに、コロナ禍においては、マスクや消毒用アルコールなども備えておくとよいとされています。
準備をしておくことも大切ですが、準備しているものを定期的にチェックして補充していくことがより大切だと気付かされました。

また、備蓄品は、緊急避難時にすぐ持ち出すもの(1次品)、災害発生から3日間を生き抜くためのもの(2次品)、長引く避難生活をできるだけ快適にすごすためのもの(3次品)の3段階に分けて備えるのが良いとされています。

●1次品
緊急避難の際に直ぐ持ち出せるように玄関近くに保管。緊急避難時に急場がしのげる必要最小限の防災グッズ。

●2次品
緊急避難後、安全が確保されてから家族が3日間生き延びるための水、食料、生活必需品や応急手当の医薬品、暑さ・寒さ対策の小物等。玄関近くや車のトランクなどに保管。

●3次品
3日以上避難生活が長引いた場合にできるだけ快適に過ごすためのもの。普段から多めに買い置きしている食料や水、生活必需品がベース。自宅のストックルームや庭の倉庫に保管。

5. さいごに

今回は災害時の自宅の備えについて、私の経験も交えて紹介しました。主に震災に着目して紹介しましたが、他にも台風や水害、大雪などにも備えておく必要があります。様々な災害に対して準備しておくことが必要ですが、考えることや準備するものが多くて、何から手を付けたらよいのか分からなくなってしまいます。大事なのは、いかに負担に感じないで、継続的に備えるかですので、まずは、できるところから始めることが大切なのだと思います。
最後になりましたが、本ソフテックだよりが皆様の災害対策のお役にたちましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

(T.M.)


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