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ソフテックだより 第314号(2018年9月19日発行)
現場の声編

「借用品管理室の活動について
〜借用品リスト改善/借用品取り扱いの見直し〜」

1. はじめに

弊社には業務改善のための推進室があります。
全社員が推進室に所属していて、私は借用品管理室に所属しています。

借用品管理室は、「お客様から借用している物品を正しく管理し、信用を得られるようにする」という目的で2016年に発足しました。ソフテックだより278号では、発足の背景や借用品管理室の課題について取り上げています。今回は、課題に対する取り組みを紹介したいと思います。

2. 借用品管理室の課題について

前述の通り、ソフテックだより278号では管理室発足の課題について、取り上げていますがここでも簡単に説明します。

作業中に借用品が故障することは時々起きてしまいます。故障の原因が経年劣化だとしても、ソフテックで借りている借用品の管理状態が不透明なため、お客様からは、使い方に問題があると不安や不満を持たれる場合があります。
管理室の最初の取り組みとして、「お客様から借用している物品を正しく管理し、信用を得られるようにする」ため、不透明さを排除して、不安を解消できるように借用書を提出することになりました。
ソフテックだより278号の通り、借用書提出に向けて活動を始めたところ、以下の課題が見つかりました。

  • 借用品の借用日、返却予定日を簡単に確認できない
  • 借用品の返却予定日が明確になっておらず、担当者任せになっている部分がある
  • 借用品の状態が不明(どこで、どのような状態で保存・使用されているのか?機器は正しく動作するのか?故障はしていないか?など)
  • 長期借用品などは、耐用年数や故障の可能性も考慮して、定期的にお客様へのアナウンスなどを検討する必要がある

新しい借用品のリストをもとに借用書を作成するようにして、上記の課題に取り組んでいますが、使いやすさや見やすさという点で改善が必要な状況です。
3章では、借用書提出までに実施した取り組みを紹介します。

3. 借用書提出までの実施内容

まずは、借用品の全体量や状態を明確にするため、借用品の棚卸を行いました。
借用品管理番号の登録は、10年ほど前から取り組みを始めていますが、借用品管理番号を登録しないまま長期間倉庫に保管し続けているものがありました。そのため、社内のものか借用品かの確認が必要でした。
通常業務の合間に作業していましたが、棚卸中にも借用品が増えていきましたので、なかなか棚卸が進まず、棚卸を終わらせるだけで非常に苦労しました。
想像以上に大変でしたが、そのおかげで全体量を把握でき、改善の必要性を再確認することができました。

棚卸中に機材をチェックしていて気になった点として、長期で借用するものと短期で借用するものの管理方法を区別する必要があるのではないかと思いました。長期借用品は、返却期限の確認など頻繁に行う必要がないため、管理方法を簡易的にすることができそうですが、どのような機材を長期借用品とするか基準を決めるのが難しそうです。
すぐに検討できないと思いますが、今後の検討課題としたいと思います。

棚卸後は、新しい借用品リストに移行しました。
今までの借用品情報は、案件ごとに借用品番号を登録して、複数機材がある場合は、副番で管理していました。借用書としてすべての借用品を一覧にすることを考えた場合、副番で管理している借用品の集計が難しい状況でした。
新しい借用品リストでは、案件ごとではなくすべての借用品の情報を借用品の担当者以外にも簡単に確認できるようにしました。
また、管理室の取り組みとして、毎月一回のペースで借用品リストをチェックしています。返却予定日を過ぎているなど問題がある場合は、担当者に連絡して、改善してもらいます。その他、使用中の機材に借用品の管理札がついているかどうかも一緒にチェックしています。
私自身、つい借用品リストの更新を忘れることがありましたので、必要な取り組みだと実感しています。

借用書の作成に取り掛かったところ、リストの作成や記載内容の見直しに想像以上に時間がかかることがわかりましたので、お客様への借用書の提出は、現時点では年1回の提出と規定しました。借用書の提出間隔が長いため、短期間借用したものは対象から漏れてしまいますが、長期間借用している機材については、担当者やどの案件で使っていたかなどの状況をご確認いただけるようにしています。
現在、借用書がまとまったお客様に借用書を順次お送りしている段階です。お客様にとって、どのような効果があるのかまだわかっていませんが、「良い取り組みですね。見習いたい。」といった反応もあり、少しは信用を得られたのではないかなと感じています。

4. 借用品取り扱いの改善

借用品管理室では、借用品の受け入れや返却管理以外に、お客様が納得できるルールで全社員が借用品のより良い取り扱いを徹底するための取り組みも進めています。
現状では、毎月一回のペースでデバッグエリア(社員が借用機材などを使用してソフトウェアのデバッグ作業を行う場所)の借用品使用状況チェックを行い、問題がある場合は社員に指導をして、借用品管理意識の向上を促しています。まだ始めたばかりということもあり、今のところ、借用品の登録が行われているかという最低限のチェックしかできていません。

その他、他の推進室の協力もあり、耐震対策なども少しずつ対応しています。具体的には棚や机の固定、固定ベルトを使用した借用品の転倒防止対策などです(写真参照)。

借用品用の棚を壁に固定
図1. 借用品管理棚の耐震対策(棚を壁に固定)

盤が転倒しないようにテーブルに固定
図2. 固定ベルトを使用した借用品の転倒防止対策

借用品の取り扱いについて、実施している取り組みはまだ少ないですが、借用している機材を今まで以上に大切に扱おうという意識が徐々に向上していることを実感しています。今後はもっと安全に安心して使用できるように改善していきたいと考えています。

5. 今後の課題について

今後の課題として、「借用品返却の推進」について、現在、最優先で対策の検討を進めているところです。
これまで利用頻度が1年に1回という理由で機材を保管しているものがありましたが、その中には3年以上使っていない機材もありました。「また使うかもしれない」と考えたり、実作業を優先して機材の管理に手が回っていなかったりすると、どんどん借用品が増えていってしまうので、借用品管理室で借用品返却の推進に取り組むことになりました。
もちろん理由があれば、社内で保管することになりますが、たとえばお客様から3年間保管してほしいという要望があった場合にどうするか(一回返却するのか)など、規定を決めるのが難しいところです。お客様の負担やご迷惑にならないように適切なルールを決めて、借用品管理の改善に取り組んでいきたいと思います。

その他、借用品の状態管理(どこの場所で、どのような状態で保存・使用されているのか?機材機器は正しく動作するのか?故障はしていないか?など)についても、借用品リストの移行により、一時的に見直すことはできましたが、借用品情報の更新を維持することが今後の課題となっています。

この他にも、新しい管理方法に対する意見や要望が上がってきておりますが、検討が追いついていない状況でまだまだ課題が山積みという状況です。

6. まとめ

借用品管理室での活動を振り返ると安全に安心して、機材を管理することはむずかしいと思いました。
また、借用品管理室では、新しくルールを決めていますが、ルールが増えると社員への負担になってしまったり、ルール化することで、ルールに頼りすぎてしまったり、という問題もあると感じています。ルールを一方的に押し付けるのではなく、目的や意味を共有しながら、活動することが大切であると思います。
引き続きお客様や社員の安全・安心を第一に考えて、借用品管理室の活動を推進していきたいと思います。

(T.M.)


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