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私は入社5年目の本社事業所所属の社員です。
妻と1歳半を超えた息子の3人で暮らしています。息子は言葉の意味が少しわかる用になってきたようで、「かんぱーい」と言いながらコップ(息子はストロー付きのマグカップ)をぶつけてきます。
見たことをどんどん吸収していくんだなと感心しています。
息子の成長を日々見ていく中で、私自身の両親、妻の両親やいろいろな方への感謝を感じることがあります。その感謝をどのように返していくかについて、恩返しとしてカメラで撮影した動画の 共有を行ったところ、職業病なのか問題点を色々見つけてしまったので解決方法や動画共有システムを開発してみての感想、そこから得られた学びをご紹介させていただきます。
感謝報恩というのは文字通り、他者に感謝をしてその恩に報いる(返す)という事です。道徳経済一体思想で大切にされている考えで、ソフテックでは人事理念10か条の1項目に掲げています。 なぜ会社の人事理念に感謝という言葉があるのかと思う方もいると思いますが、その理由については今回の本題ではないですし私だけではとてもお伝え出来ない内容なので詳細な説明は 割愛させていただきますが、私個人の見解で簡単に説明させていただきます。
「人は必ず他者に支えられ、また支え合って生きていて、これは家族、会社、地域、社会など様々な範囲で様々な形で当て嵌められます。ソフテックではその様々な範囲で貢献できる人を
育てたいと考えている」ということだろうと思います。
例えば会社でいえば上司や同僚にお世話になることがあるでしょうし、また自分が誰かの面倒を見る立場になることもあります。
そういった時に感謝報恩の気持ちを持って相手と接する事で、相手との関係性が良くなりますし、自分の気持ちとして晴れやかな気持ちで仕事ができるようになると思います。
ちなみに、ソフテックでは年に5,6回道徳経済一体研修会を開催しています。全社員が業務の一環として参加し、講義や社員発表、ディスカッションを通じて、道徳経済一体思想やソフテックの
会社理念、ほかの社員の仕事内容や考え方などについて理解を深めています。
こうした考え方というものは毎日継続して意識するのが非常に困難であるので、定期的に自分を見直す機会を作ってもらえるのはとてもありがたいことです。
ソフテックの考えについてもっと知りたい方は、本文章の下にある「関連するソフテックだより」のリンクをご覧になってください。
まず、他者に感謝をするということで、自分が感謝の気持ちを持つこと、他人の善意に気づくこと、何に感謝しているのかを明確にすることが重要なので整理しました。
息子と一緒に過ごすなかで思いますが、子どもは本当に手がかかり一人では何もできません。
また、妻と子ども時代の事を話したり他の子育て世帯の話を聞いたりして思いますが、親からどのように話しかけられたか、どんな体験をしてきたか、家庭によって大きく違うので、
自分や妻の人格形成などに大きく関わっているんだなと思い、育ててもらった事に両親、義両親に感謝の気持ちが沸き上がってきます。
また、ここでは詳しく書きませんが、学校や会社や友人、部活や塾や地域など感謝する事は多いです。
では、その恩をどのように返していくのか。ソフテックでは、身近な存在から恩を返していく事を、報恩の実践方法の一つとして挙げています。両親、義両親は私の息子の成長をとても楽しみに しているので、成長の様子を写真や動画などで伝える事が恩返しになるのではないかと思いました。
写真や動画はスマートフォンで撮っているのですが、撮影していて何か違和感がある事に気づきました。それは普段通りの姿を収めされていないという事です。夢中で遊んでいたのに スマートフォンを構えると途端に遊びをやめてしまう、ニコニコと笑っていたのにスマートフォンを構えると表情が硬くなってしまうという具合です。できるだけこっそりと撮影しているのですが、 ある時ふとアクションカメラがいいのではと思いつきました。
アクションカメラとは小型のカメラで、体やスポーツ用品につけて撮影ができ、手振れ補正や広角レンズなどが特徴的です。撮影しながら大人の両手が空くので息子と一緒に遊びながら、手を
つなぐことができて安全かつ息子の集中力を止めることがありません。
計画を妻に相談をして左側アクションカメラについて家電量販店やネットストアを見てみました。
私はあまりカメラには詳しくなく初めてアクションカメラを使用するので、まずはお試しという感覚で8000円程度のものを購入しました。大手家電量販店のコーナーにあったものは3万円から
10万円程度で、さらに用途に応じて付属品もたくさんあるので、それに比べればかなり安価なものを購入しました。
専用のクリップが付属されているのでズボンに付けたところ、カメラの重みで少し下を向いてしまいます。固めのベルトを付けていれば安定しますが、私がしゃがんだりすると息子の顔が
微妙に見えないので、私は胸のあたりにゴムのベルトを巻いて撮影することにしました。
撮影して、いざ動画を共有しようと思ったところ、作業がかなり大変な事に気づきました。スマートフォンの場合は、無料のスマートフォンアプリですぐにアップロードができます。
アクションカメラの場合は、マイクロSDカードを外してPCやスマートフォンに接続してコピーします。(ここで時間がかかります)、先ほどのスマートフォンアプリでは動画は2分間までという
制約があるので、動画が長い場合は見せたい部分を選んでそれ以外はカットして、動画を複数に分けるなどかなり時間がかかります。
私の購入したアクションカメラでは強制的に5分ごとに動画が分けて保存されるので、ファイルサイズが小さく多少作業はしやすいですがそれでも大変です。
ここで、簡単に動画共有できないかと検討して、@〜Cの手順を考えてみました。
@ マイクロSDカードからPCにデータ保存
A PCで動画の切り取りや結合などの編集作業
B YouTubeに限定公開でアップロード、再生リストに追加
C 再生リストのリンクをLINEで連絡
Aの動画編集ですがBGMやテロップなどの難しい事はしておらず、Windows標準のソフトで簡単に編集ができました。YouTubeは限定公開であれば、リンクを知っている人しかアクセス できないので安心です。再生リストに追加しておけば、毎回同じリンクを連絡すればよいですし、過去の動画も目に入るので久しぶりに見ようかなと促す事もできます。
だんだん問題点が見つかって解決策を検討していって、なんだか仕事のような気分になってきました。私は普段、PCやサーバーで使用するソフトウェアやシステム開発に携わっていて、 仕事でやっている事が活かせるぞと思い、もう少し頑張ってみました。Pythonを使って動画共有を自動化できるかを考えてみます。
@は自動化できませんが、A以降の動画の切り取り位置以外はPythonで自動化できることは調べて分かりました。BとCについてはAに比べると手間ではないので後回しにして、 Aの動画の結合についてPythonで自動化するプログラムを作成しました。
Aについて、動画の切り取り位置は人間が目で確認しながら行います。以下の設定ファイルを作成して、あとはPythonに動画の切り取りと結合を行ってもらいます。
設定ファイルについて、ファイル名はアクションカメラが自動で作成する名称をそのまま使っています。動画の切り取り位置の開始時間と終了時間、動画の回転角度を入力します。同じファイル名が
複数行あるのは、同じファイルの違う箇所を切り取って使用したいからです。
図1.動画編集設定ファイル
図2.動画の回転が必要な理由
図3.ChatGPT作成の入力フォーム
ここまでの方法でしばらく続けてみたところ、動画の切り取り位置を探すのが作業の95%を占めてかなり大変であることが分かりました。撮影したい時間だけカメラを起動させて撮影すれば 不要な部分を少しカットするだけで終わりますが、固定カメラとして設置して偶然起こった面白い部分を切り取るというスタンスだと大変になります。
そこでAIの力を借りてみようと思い、無料で使用できる3つのソフトWindows標準のClipchamp、CapCut、DaVinci Resolveを使ってみました。しかし、固定カメラでの映像について利用しましたが、
執筆現在の時点では有効な利用は難しいようです。
ソフトの自動カット機能を利用してもカット位置なしになってしまいます。理由としてはAIの自動編集では、音声から盛り上がりなどを検出する、シーンの切り替えでカット位置を決める事が
多いためです。
うまくプログラムを組んでいけば表情や動きの認識を行う事もできるようなので、今後の課題としたいと思います。
今回は感謝報恩の実践として、家族への動画共有方法をご紹介させていただきました。妻からは、やけに熱心だねーと半分びっくりしたような半分感心しているような印象を受けました。
両親と義両親からの感想はまだもらえていませんが、時々再生回数が増えているので複数回見てくれているようです。
動画の共有がうまくいけば、高いおもちゃをおねだり出来るかなと利己的な考えもあって始めたのですが、かなり楽しみにしてくれているようなので始めて良かったなと思います。
また、想定外でしたがプログラムを作成するなど、システムエンジニアとしての経験が活かせてとても楽しく作業ができました。
息子が生まれるまでは、恩返しとして両親に何かをしようと思っても、なんだか恥ずかしい気持ちでしたが、最近は息子の事で連絡が頻繁になったり、息子関連の物を送り合ったりなど かなりハードルが低くなりました。つい最近はテオ・ヤンセンという彫刻家が作成した、風を受けて生き物のように動くプラモデルが面白そうだと思ったので、作成キットを郵送しました。
私は息子の誕生をきっかけに感謝報恩をより感じるようになり、行動に移すことができました。読者の皆様によって状況がちがうとおもいますので、ぜひ自分なりの感謝報恩を 考えていただけたらと思います。
(Y.N.)
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