1. はじめに
私は入社4年目になる本社勤務の社員です。
ソフテックでは、「先行検討」の実行を目標に日々の業務に取り組んでいます。
先行検討とは、ソフト開発に伴うあらゆる想定を考慮し、徹底した検討を行うことで、
開発におけるムダや後戻りを省くことで品質を上げようとするソフテック独自の考え方です。
私も実践できるようになりたいと思いつつ、先行検討不足だったなと思うことばかりです。
話は変わりますが、私は家事を効率よくこなすことが得意です。(自分で言いますが)
その理由は、「とにかく早く寝たい」という強い希望を叶えるために日々試行錯誤してきたからです。
早く寝るためには、今日の家事は今日のうちに、そして早く確実にこなすことが必要です。
ではこれを実現させるためには何が必要なのか?それが「先行検討」だということに気が付きました。
2. 家事における先行検討
例えば、帰宅後のタスクとして下記があったとします。
・洗濯
・お風呂掃除
・夕食づくり(献立はカレーとします)
・食器洗い
・犬の散歩
・入浴
手始めに、いつどれだけの手隙時間があるか、そこに何を埋め込めるかを考えます。
例えば、カレーを煮込む時間は完全に手が空くし、洗濯機が終わるまでにも時間がかかります。
まずは夕食づくりからです。具材を炒めながら昨日の食洗器の中身を棚にしまいます。
カレーを煮込むところまで進めたら弱火にかけたまま、お風呂掃除へ向かい、その後洗濯機を回して、夕飯の仕上げにかかります。
その後夕食を食べて、夫の入浴中に洗濯物を畳んで干します。
夕飯の支度中に夫に犬の散歩を頼み、食後の食器洗いは私の入浴中にやってもらいます。
何が言いたいかといいますと、これは先行検討による効率化ではないでしょうか、ということです。
1つずつ比較していきたいと思います。
3. 家事と仕事の先行検討の比較
・タスクの管理
自分の抱えているタスクを整理し、効率的に進むよう順序を組み立てます。
夕食時間、就寝時間を納期とすると、それを満たすために各タスクにかかる時間と優先順位を考慮していくことになります。
仕事においても、複数タスクを抱えているときは、上から順にこなせばよいわけではなく、適切な処理順序を考えることは必須です。
・事前確認
私は毎回洗濯機を回す前に夫に「他に洗濯するものはないか?次に洗濯する予定までに洗っておきたいものはないか?」を確認します。
後から「出張の汚れ物出し忘れた。」とか「明日は作業着が必要だったのにまだ洗濯にだしていなかった。」などと言われたら、
また回すことになって計画が台無しになってしまいます。
これは客先への先行確認と同じではないかと思います。例えば、希望納期に対して、資料が必要な期日を逆算し、
提示していただくようリマインドメール送るとか、今後仕様変更があった場合に不都合が生じそうな仕様であるときは、
とりかかる前に代替案を提案するなどです。後から、忘れていた、本当はこうしたかったと言われてしまっては手間が増えてしまいます。
・適材適所に人材を配置する
1人で全タスクを回せないときには手助けが必要です。ポイントは「早めに、できることをお願いする」です。
例えば、犬の散歩は誰でもできそうなことですが、夫は所々で走ってあげたり犬が行きたがるルートを叶えてあげているらしいので犬の満足度は高いと思います。
(私は決まったルートを歩くことしかしません。)一方で夕食の支度は私がやった方が断然早いです。ということで早々に犬の散歩は夫に任せます。
一息ついたところで頼まれるよりも、前もって言われた方がそのつもりで準備してくれるはずです。
これは仕事でも同じではないでしょうか?急に、「無理です!間に合いません!」といっても人材を確保するのは難しいです。
結果、要求を満たせないということになってしまいます。しかし前もって頼めば、まだ助けを望めるかもしれません。
また、期日が迫っている場合については適任者を見極め、効率的に進めることは重要です。一方で、いつも適材適所では成長できません。
例えば、食洗器の使い方を夫に覚えてもらいたいと思えば、他の家事タスクが少なく、食器も少ないときにお願いしようと考えるわけです。
これは後輩に任せてみたいと思えば、それだけの時間の猶予をとるために他での調整が必要になるのと似ていると思います。
4. 仕事における先行検討を考える
こう考えてみると、家事と仕事は非常に似ていて、家事の面から見ると自分には先行検討する素養はあるように思います。
では、なぜ仕事で実行できていないのか。自分なりに考えてみました。
・「絶対に」という気持ちがない
「早く寝る」というような毎日の目標がないです。納期、品質という目標はあっても日単位の目標ではないため、日々追われるという状況になかなかなりません。
・経験不足
家事において、例えばご飯を炊くのは時間がかかるから先にセットして、次に火が通りにくい根菜を茹でて…といった効率よい順序が立てられるのは、
何にどれだけの時間がかかって、自分のスキルではどの精度で予測時間内に実行できるのか知っているからです。
今までの経験から、先述した洗濯前の確認などもできるわけです。
また、想定外のことが起きた時に立て直せるのも、経験によるものだと思います。
例えば、計画を立てた後に犬がカーペットに粗相して、洗濯しなければならなくなっても、冷静に再計画して、
寝るのが遅くなるのは10分で済むな、などと思えるわけです。
一方で仕事においては経験もスキルもない、正攻法しか知らない、そして予測精度が低い事も分かっているので計画が崩れると
「あー、もう絶対間に合わない」と絶望とパニックを起こすのだと思います。
でも「これくらいならこれだけ残業すれば立て直せるな」とある程度の確信をもって思えるようになれば、心の余裕も変わってきそうです。
5. ではどうするか?
・納期だけを期限にしない
納期、品質といったことは案件単位の目標となるため、案件数が経験値となり蓄積に時間がかかります。
そこで、今日はここまでを何時に終わらせる、という日単位の短期目標を作成して、
それを達成するにはどうするべきかを常に意識して作業を進めたいと思っています。
そうすれば、1日毎の評価と改善が望めるので、経験の蓄積が早いのではと考えています。
・試行錯誤する
思い直してみると、今まで家事の効率化のためにスライサーやハンディブレンダーなどのキッチンツールを試してきました。
使ってみて、これは洗うのが大変だから結局トントンだなとか、複数の具材をたくさんみじん切りするような場合は有用だなと、
常に効率を追求した結果アップデートしてきたように思います。
一方仕事では、確実にできるなら手間がかかっても知っている方法でやろうと、思ってしまうことも少なくありません。
それでは成長しないので、もっと簡単にできる方法はないか考えて何事も試してみるようにしたいと思いました。
6. まとめ
経験が浅いながら先行検討について述べてまいりましたが、振り返ってみると、できていないと思っていたことが、
実は日常生活ではできていることだと分かり、意識すれば仕事でもきっとできるようになるはずなのだと少し希望が見えました。
実際はこんなに単純ではないのでしょうが、難しく考えすぎて一歩を踏み出せないよりはいいかなと思っています。
きっと若手の方々は先行検討に限らず、できない自分にばかり注目してしまうことが多いのではないかなと思います。
しかし、意外と振り返ってみると実はできていることで、何かが少し足りないだけということもあるのではないでしょうか。
何事もトライ&エラーだと思うので、まずは意識して行動することが第一歩だと思っています。
いつか、私は仕事を効率よくこなすことが得意ですと言えるようになりたいと思っています。
(Y.M.)