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ソフテックだより 第274号(2017年1月18日発行)

現場の声編

「Web会議システムを使用したリモートデバッグの活用」

1. はじめに

私は高松事業所に勤務する入社10年超の中堅社員です。高松事業所の開設にともない本社事業所から高松に転勤して参りました。高松事業所で開発を担当させていただいている案件は、転勤前と変わらず、関東のお客様の仕事が多いのですが、仕事を進める中で物理的な距離の問題を感じることが少なからずあります。これについては、過去のソフテックだより(ソフテックだより第250号「高松事業所の勤務になって感じること」)でも触れさせていただき、その対策のひとつとして『TV会議システム』や『Web会議システム』の積極利用についてご紹介しました。今回のソフテックだよりでは、この『Web会議システム』の応用的な利用事例として、リモートデバッグの活用について詳しくご紹介させていただきたいと思います。

2. Web会議システムについて

まず、Web会議システムについて、(すでにご存知の方も多いと思いますが)簡単にご説明したいと思います。Web会議システムは、離れた拠点にいるユーザーが、インターネットを介して会議などを行うためのコミュニケーションツールです。多くの場合、一人が一台のパソコンを使用して、会議に参加します。
一般的なWeb会議システムに具備されている機能には以下のようなものがあります。

● 音声通話機能

ヘッドセットやパソコン内蔵のマイク/スピーカーを使用して、複数人で音声通話を行う機能です。Web会議システムでは必須の機能になります。オフラインで話をしたい場合(オンラインで話を聞かれたくない場合は)は、ミュートボタンで音声通話をオフすることもできます。

● カメラ機能

使用環境のパソコンにカメラが内蔵または外部接続されている場合に、参加者の顔を見ながら会議を行うことができます。

● チャット機能

テキストを打ち込んで、参加者にメッセージを送ることができる機能です。参加者全員に一斉送信することや、あて先を絞って特定の相手のみにメッセージを送ることもできます。 チャット機能は、会議用途ではない社内コミュニケーションツール(いわゆるビジネスチャットツール)としても重宝される機能です。パソコンのハードウェア環境(マイク/スピーカーやカメラなど)に依存せずに、コミュニケーションがとれる点でも便利です。

● ファイル送受信機能

参加者間でファイルを送信/受信できる機能です。会議用の資料等をその場で受け渡しできます。

● デスクトップ共有機能

参加者のうちの誰かがプレゼンターとなり、その参加者のパソコン画面を全員が共有できる機能です。WordやExcelなどで作成した資料を全員で閲覧/編集しながら、会議を行うことができます。また、画面共有した状態でプレゼンターを変更するとマウスやキーボード操作を他の参加者が行うことができます。つまり、遠隔から他の参加者のパソコンを操作することができます(下図参照)。

デスクトップ共有機能による遠隔操作の例
図1. デスクトップ共有機能による遠隔操作の例

● ホワイトボード機能

会議室のホワイトボードのように、パソコン上のボードにフリーハンドで文字や絵を書くことのできる機能です。ホワイトボードの画像を参加者が画面共有できることはもちろんですが、会議終了後に書き込んだ情報をPDFなどのファイル形式で保存/共有することができます。

Web会議システムの種類によって、上記以外にも、例えば、会議中の録音・録画機能など、さまざまなオプション機能が存在します。会議の用途に応じた機能を積極的に活用することで、打ち合わせの効率化(時間短縮)や議事録作成の手間を省くことができます。
Web会議システムへの参加方法ですが、主催者が会議の予定をWeb上で予約すると、参加者へ招待メールが通知されます。参加者は、会議開始の時間になったら、そのメールに記載されているリンク先に接続することで会議に参加できます。弊社で利用しているWeb会議システムの場合、専用ソフトのインストールが必要ない(Webブラウザへのアドオンで動作する)ことがメリットとして挙げられます。パソコンとインターネット環境さえあれば、比較的簡単にWeb会議に参加することができます。

3. リモートデバッグツールとしての活用例

弊社で活用しているリモートデバッグは、Web会議システムの機能のうち、主にデスクトップ共有機能を使用して行います。実際に社内で利用しているリモートデバッグの具体的な例について説明します。
リモートデバッグが必要になるのは、例えば以下のような場合です。

  • 開発用機材(組み込み開発機器や開発環境がインストールされたパソコンなど)を輸送できない場合
  • 開発用機材の輸送に時間がかかる、もしくは緊急の対応で輸送時間を待てない場合
  • 開発用機材の数がひとつしかなく、複数の場所でデバッグを行いたい場合
など

なお、上記のケースに当てはまらない場合は、開発機材を送ってもらったり、担当者が出張して対応したりと、コストや納期に応じて最適なアプローチをとるようにしています。
リモートデバッグ作業時の具体的なイメージを以下の図に示します。

リモートデバッグ作業イメージ
図2. リモートデバッグ作業イメージ

この図では、B事業所にいるBさんが、A事業所にある開発用パソコンを使用してリモートデバッグを行う例を示しています。Aさんは、開発用パソコンを直接操作することはありませんが、サポート役(Aさんの役割については後述)としてWeb会議システムに参加しています。
Bさんは、Web会議システムのデスクトップ共有機能を使用して、開発用パソコンを遠隔から操作し、デバッグを行います。デスクトップ共有機能を使用すれば、自分のパソコンを操作しているのと変わらない感覚で、デバッグ作業を行うことができます。ただし、以下のような場合には、Aさんの助けを借りる必要があります。

  • 開発用パソコンに接続された開発用機器のスイッチや電源のON/OFFなど、物理的な操作を行いたい場合
  • 開発用パソコンに接続された開発用機器のLCD、LEDなどの表示を確認したい場合
  • 開発用パソコンへのドライバ、ソフトのインストールなど、特別な操作(管理者権限が必要な操作)を行いたい場合
など

このような場合、Web会議システムのチャット機能を利用して、BさんはAさんにサポートしてもらいます(下図参照)。

チャット機能の活用
図3. チャット機能の活用

このように書くと「AさんはBさんの作業中、Web会議システムの画面を注視しながら待機していなければならないか?」と疑問をもたれるかもしれませんが、その必要はありません。Web会議システムのアプリケーションは、Skypeなどと同じで、新しいチャットの書き込みがあるとタスクバーに格納された状態でも、アラート通知をしてくれます。そのため、Aさんは自分の業務を進めながら、アラート通知が来たときだけ、Bさんのデバッグサポートを行えばよいことになります。実際、私がサポート役の対応をした場合も、同時並行して自分の作業を進めながら、効率よくリモートデバッグを行うことができました。もちろん、必要に応じてAさんもBさんと一緒にデバッグ画面を見ながら、ペアデバッギングを行うことも可能です。

以上が弊社でのリモートデバッグの活用例になります。このような使い方は、Web会議システムとしては、標準的な使い方ではないかもしれませんが、弊社の場合は1週間ほぼ毎日使用するような場合もあり、非常に重宝しています。なお、弊社で契約しているWeb会議システムのライセンス形態は、使用時間によらず一律料金(定額制)となっています。使用時間に応じた従量課金制の場合と異なり、長時間使用しても利用料金が変わらないことも、積極的な利用を後押ししている理由のひとつとなっています。

4. おわりに

今回は、Web会議システムを利用したリモートデバッグの活用についてご紹介しました。リモートデバッグについては、弊社でも積極的に使用し始めてまだ日が浅いため、改善を繰り返しながら、ノウハウを積み上げている最中です。リモートデバッグが一般的に使われるようになれば、サテライトオフィスの開設や、自宅からのリモートワーク、遠隔地(地方や海外)の協力会社との協業など、いままで作業効率の面から現実的ではないと考えられていたことも、可能になるのではないかと考えています。試行錯誤を繰り返しながら、弊社でもこのような新たな道を模索できればと思っています。
最後になりましたが、本メルマガが皆様の業務のお役にたちましたら幸いです。機会があれば、その後の状況などもご報告できればと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

(T.S.)


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