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ソフテックだより 第426号(2023年05月17日発行)
現場の声編

「テレビ会議システムの運用開始と撤廃」

1. はじめに

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴って色々な企業で在宅勤務が行われ、また弊社も同じように在宅勤務を実施しています。在宅勤務では、連絡手段としてTeams、Slack、Zoom、WebEXといったアプリケーションを使ったチャットやWeb会議を頻繁に行うようになりました。
その後、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着くに伴い、基本的には出勤での作業に戻っていますが、取引先との打ち合わせや出張した社員や別事業所勤務のとの社員との打ち合わせにWeb会議を使用する頻度が多くなっています。
Web会議メインに切り替わっていったことが影響して、つい先日、取引先や別事業所との会議室同士を結んでいたテレビ会議システムを撤去しました。
私は本社事業所に勤務し、ソフテックへ入社して20年以上ですが、テレビ会議システムとは最初の導入から参加して、その後の運用にも関ってきたことで撤去に対して色々と感慨深いものがあり、長年使用していたシステムが撤去されていくのは、これも時代の流れかなと何とも言えない思いになりました。
今回、その時々に大変だったことや苦労したことも交えて、テレビ会議システムの導入から撤去までの経緯を振り返ってみたいと思います。

2. 最初のテレビ会議システム

ソフテックでは1996年にグループウェア Lotus Notes の導入にあわせて、社内LAN環境も導入しました。
その当時はインターネット接続といえばアナログ電話回線やISDN回線を使ったダイアルアップ接続が一般的であり、また青森県にある八戸事業所との長距離の通信も専用線を使うしかなく、その専用線も64kbpsという、今から考えるとかなり低速な通信速度でとてもテレビ会議システムに利用できる回線でもありませんでした。そうかといって運用できるほどの高速回線を導入しようすると非常に高額なランニングコストとなってしまい、費用対効果から導入は現実的ではない状況でした。それどころか事業所間の通話も電話回線を使ってやりとりするくらいでリアルタイム映像も含めたやりとりはとても実用できるものではありませんでした。
そのため、テレビ会議システムは対岸の火事のようなシステムで、まだまだ中小企業が導入を考えるような世の中ではありませんでした。

状況が変わったのは、光ファイバー網を使ったフレッツ回線などの安価で高速な回線が出てきた頃でした。
その当時、Bフレッツ回線を本社事業所と八戸事業所に導入し、その導入に伴い、テレビ会議システムの導入検討も実施しています。複数のテレビ会議システムのデモ機を借用して導入検討を行ったもの懐かしい思い出です。
その際に最終候補まで残ったのは、Polycom View Station SP と SONY PCS-1 でしたが、結局、導入に踏み切れるほどの品質を見出せず、また社内の事業所間の通信環境も十分ではなかったこともあり、テレビ会議システムの導入は保留となっています。
テレビ会議システムの導入検討と並行し、グループウェアLotus Notesと連動して運用できるSametimeというパソコンを使ったPC会議システムも検討しています。
しかし、当時の通信環境も影響し、そのときに実現できたPC会議は低解像度でかつ音声遅延1〜2秒間というスムーズなPC会議品質とはいえない状態であったため、こちらも保留にしています。
結局、テレビ会議システムは導入保留のまま期間が過ぎていき、次にテレビ会議システムの検討を再開したのは本社事業所が新宿区四谷に移転した後の2009年4月でした。
この頃になると会議室同士を結ぶテレビ会議システムだけではなく、パソコンを使ったWeb会議ソフトウェアもテレビ会議システムの代替として候補として挙がるようになりましたが、まだまだ今のような高画質で低遅延のWeb会議が行えるわけでもなく、最終的にはテレビ会議システムの導入となっています。
社内の本社事業所と八戸事業所間だけではなく、取引先ともテレビ会議を行うこともあり、正式に導入することになったテレビ会議システムは TANDBERG Edge75 という機種に決定して、2009年12月より正式に導入しています。
このときの導入検討にも参加していますが、以前のテレビ会議システムの導入検討を行ったときと比べたからか、かなり綺麗なテレビ会議ができるようになったと記憶しています。
ここにきて、ようやくテレビ会議システムの運用を開始していますが、導入以降はテレビ会議の品質の向上が課題となり、なかなか大変でした。

2台目のテレビ会議システム Cisco SX20
図1.  2台目のテレビ会議システム Cisco SX20

(*1)最初は、NTT(東西分割前)提供のHSD (High Super Digital) というデジタル専用線サービスを契約して運用していました。契約していた回線は HSD 64kbps (月28万円)でしたが、それでも電話回線やISDN回線で繋ぎっぱなしにした場合は月に100万円を超える金額がかかってしまう状況でしたので、それに比べるとまだ安価になっていました。

3. テレビ会議システムのトラブル

テレビ会議システムの機械自体は問題ありませんでしたが、導入開始からすぐにテレビ会議の画面がおかしいという声が挙がり始めました。
詳しい内容を確認すると以下の内容でした。

  • 問題1.テレビ会議中の音声がおかしい。
    テレビ会議中に時々、音声がぶつぶつと途切れるときがあって、その際に聞き取りにくくなる状態でした。
  • 問題2.片方の映像が映らない。
    取引先、ソフテック本社事業所、ソフテック八戸事業所、ソフテック高松事業所(2015〜2018年)の4か所間でテレビ会議システムを行った際、特定の方向の映像だけ映らない。
  • 問題3.テレビ会議中に映像が乱れる。
    映像に映っている社員が激しく動くと、動いた部分がブロックノイズとなってブロック情報のノイズありの残像が残り、映っている映像が分からなくなる状況でした。
  • どれも問題ですが、特に「問題1」は意思も伝えられなくなるため重大でした。
    1つ1つ状況を把握した後で調査に行いましたが、これもなかなか大変でした。
    一度にまとめて改善するようなことはできるわけではなく、1つ1つ何度も試行錯誤も行いながら、原因の切り分けと対策実施を行い、色々と調整を行っています。

    最終的には完全ではないもののかなりの品質改善を行うことができました。
    しかし、それぞれの対策中の段階では原因を分からないまま施行錯誤してする場合もあるなど、なかなか苦労したときもありました。

    3.1 テレビ会議システムLANの完全独立化

    テレビ会議システム専用のLANを敷設することが品質を改善しています。
    本来はVLANにて論理的にLANを分割することが理想でしたが、通信機器の買い替えも必要であり、またその後のメンテナンス作業も考えると、テレビ会議システム単独のLANとして構築した方が分かりやすく、また費用もかからないと判断して、新しいLANケーブルを敷設しています。

    3.2 テレビ会議システムの設定見直し

    取引先とのテレビ会議も行うため、テレビ会議システムとしては複数の機種で構成されていました。
    そのため、共通で使用できる通信方式を使用しており、基本的に合わせた後は、細かい設定を行って調整しています。
    テレビ会議自体の機能設定を調整することで、音声が聞き取りやすくなるなどと改善される場合がありました。

    3.3 ルーターなどの通信機器の設定見直し

    上記の 3.2 の設定見直しに合わせて、QoS(Quality of Service、ここでは優先制御を使用)の設定を調整しています。
    調整の結果、品質を向上することができました。
    それ以外にもインターネットからのテレビ会議への不正な通信も届いており、それらも通信機器の設定見直しで除外するなどの対策を実施することでテレビ会議を安定させています。

    3.4 通信回線の契約変更

    当初はBフレッツ 100Mbpsの通信回線でした。(本社事務所:ベーシックタイプ、八戸事業所:ファミリータイプ)
    運用の途中で、フレッツ光ネクスト ハイパーファミリー 1Gbpsに回線を切り替えています。
    この回線切り替えは、通信速度向上やランニングコスト軽減のためではなく、Bフレッツ自体のサービス停止に伴うものやプロバイダ契約の影響(インターネット経由でのテレビ会議のため)がありました。
    この回線切り替えでは、マイナスの影響があり、ブロックノイズの増加や音声の途切れの増加といった品質を悪くしてしまうという結果を招いたものとなっています。

    3.5 テレビ会議システム本体の切り替え

    テレビ会議システムの機種は一度、新しい機種に切り替えています。
    初代は上述の通り TANDBERG Edge75 で、2代目は Cisco SX20 でした。
    新しい機種の方がノイズに強いのか、機種の切り替え後はブロックノイズが減ったように思えます。

    3.6 インターネットプロバイダ契約の変更

    取引先とのテレビ会議システムの接続ではインターネットを経由して接続していました。
    運用開始後、しばらくは最初に契約したプロバイダ契約で問題ありませんでしたが、少しずつテレビ会議の品質が悪くなっていきました。
    品質が悪くなりはじめたころは、何が原因か分からず対応できずにいました。
    最終的に、PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)接続遅延が要因になっていたことが分かり、IPoE(IP over Ethernet)での接続契約に切り替えることで改善しています。

    3.7 八戸事業所側のテレビ会議システム用の無線LANの撤廃

    八戸事業所側では社外からの無線LANの電波が届ことはほとんどなく、また新たにLANケーブルを敷設するには床下への敷設工事も必要となるなどもあり、影響は少ないのではないかと判断して結構後の方まで、そのまま無線LANを使い続けていました
    使用電波帯域の変更、使用チャネル調整や無線LAN設定調整などは随時行って調整をがんばっていましたが、無線LAN自体が要因になり得ることは想像もしませんでした。
    最終的には、このテレビ会議システム用の無線LANの撤廃が一番劇的に効果ありだったと感じます。

    4. テレビ会議システムの撤去

    テレビ会議システムはその後も運用を続けながら、その時期に応じて状況が変わっていきました。
    今でも、専用端末を使うテレビ会議システムとPCを使うWeb会議システムとでは、画面の綺麗さや臨場感については、まだまだテレビ会議システムが上だと感じます。
    しかし、Web会議システムは手軽さ、扱いやすさ、どこでも参加可能などと利便性が大きく勝るという余りあるメリットがあり、そもそも会議中は、資料を画面共有化して進めることが多く、参加者の顔はそんなに高解像度で綺麗に映らなくてもよい会議が多いということもあります。
    また、新型コロナウイルス感染症の流行後は特定の場所に複数人集まって会議することが減り、またお客様とり打ち合わせもWeb会議に切り替わっていったことが多くなっていきました。
    結果、テレビ会議システムは新型コロナ感染症をきっかけに使われなくなり、今年の2023年1月に撤去することになりました。

    表1.  テレビ会議システム運用履歴

    時期 会議システム動向 会社動向および通信回線動向
    1996/01 社内LANおよびグループウェアLotus Notes導入
    本社八戸間通信回線に専用線(HSD。64kbps)を導入
    1997/05 ソフテックWebサイト開設
    1999/07 常時インターネット接続回線導入(OCNエコノミー128kbps)
    1999/12 本社事業所を新宿区歌舞伎町に移転
    2001/10 常時インターネット接続回線をDSL回線に変更
    本社八戸間通信回線をデジタル専用線DR(ディジタルリーチ128kbps)に変更
    2003/06 テレビ会議システム検討開始/導入なし
    PC会議システム検討開始/導入なし
    通信回線の光ファイバー回線化(100Mbps)
    2007/06 本社事業所を新宿区四谷に移転
    2009/04 テレビ会議システム検討開始
    2009/12 テレビ会議システム TANDBERG Edge75 正式導入 本社八戸間通信回線をフレッツVPNに変更
    2010/01 取引先とのテレビ会議連携開始
    2015/04 Cisco WebEX 正式導入
    2015/06 テレビ会議システムをCisco SX20に変更 高松事業所を開設
    2018/12 高松事業所を閉鎖
    2020/03 本社事業所を新宿区四谷YOTSUYA TOWERに移転
    2020/04 Web会議システム検討開始 新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務開始
    2020/07 Microsoft Teams 正式導入
    2020/11 Cisco WebEX 解約
    2023/01 テレビ会議システム撤去

    5. おわりに

    どのようなものでも栄枯盛衰がありますが、新型コロナウイルス感染症をきっかけに働き方の選択肢も大きく変わったのではないかと感じます。その変化はリモート会議の在り方にも影響を与え、今回取り上げたテレビ会議システムの撤去に繋がったと思います。
    テレビ会議システムの変わりとなったWeb会議も実際に使ってみると、まだまだ発展途上だと感じるところも多く、実際、色々なソフトウェアで日々機能拡張が多く行われています。
    インターネットそのものについては現状置き換われるものがないために今後も使われていくと思いますが、そのインターネットを使ったリモート会議については、また新しい形態も模索されていくのではないかと思います。
    今後、新しく出てくるであろう変化をいち早く把握し、業務などの改善に繋げていければと考えます。

    (K.O.)


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