1. はじめに
私は入社25年超の本社事業所勤務の中堅社員です。以前に配信しているソフテックだよりでは別の執筆者から、「出張対応」や「リモート対応」をテーマにしたお話しが紹介されております。
私が関わりのあるお客様も遠隔地の場合には、「出張対応」と「リモート対応」のどちらかを使い分けながら業務に取り組んでおります。
遠方になると北は北海道から南は九州までと普段勤務している東京から移動だけで半日以上をかけて出張対応する場合もございます。
今回のソフテックだよりでは、私が担当してきたお客様のソフトウェア開発業務を通じて感じている、
「出張対応」と「リモート対応」の使い分けや対応するポイントについてご紹介させていただきます。
2. 出張対応とリモート対応の比較
「出張対応」と「リモート対応」を比較する形で考えてみました。
比較対象 |
出張対応 |
リモート対応 |
説明 |
現場の雰囲気や状況把握 |
○ |
△ |
・出張対応の方が現場の状況を即座に把握できるので優れています
・現場の環境でないと再現しない現象調査などは出張対応が必要です |
コミュニケーション |
○ |
△ |
・出張対応の方が直接顔を合わせる事でより深い信頼関係が築けます
・相手の表情や言動を視覚的に捉えて適切なコミュニケーションが図れるので、初回対応や関係構築が目的であれば出張対応が良いです |
対応できる範囲 |
○ |
△ |
・ハード周り(機器の増設/交換、配線などの物理作業)の対応は出張対応の必要があります
・リモート対応だと対応できる範囲が限られます |
対応スピード |
△ |
○ |
・リモート対応の方が、時間や場所に制限されにくい対応が可能です
・現場に行かなくても対応ができる(状況確認、問題の調査/解析
が可能)メリットがあります |
コスト削減 |
ー |
○ |
・リモート対応の場合は現場への移動時間/交通費のコストがかかりません
・出張対応の場合は遠方になる程、コストがかかります |
出張対応とリモート対応でそれぞれ下記のような事を感じております。
○出張対応(現場作業)

自分が開発に関わったソフトが実際に現場で動作している所を確認できるのが、出張対応の醍醐味です。
また、現場の雰囲気やお客様に対する理解を深める貴重な機会でもあります。
お客様と対面してコミュニケーションをとる事でより深い信頼関係を築けるように真摯に対応する意識も湧いてきます。
なによりも、現場のお客様から感謝や労いのお言葉をいただけると励みになります。
○リモート対応

私が入社した頃はインターネット回線速度も今のように高速ではなく、
今のようにお客様とTeams会議で繋いでもらって現場PCの状況を画面共有しながら確認するような事はできませんでした。
遠隔地にいながら、相手が見ているものと同じものを見ながら、状況を確認できるのは緊急を要するトラブル時などにはとても有用です。
ちょっとした打ち合わせをする際にも出張対応するのが普通でしたので、リモート対応が一般的になり便利な時代になったと感じます。
3. リモート対応で意識している事
「出張対応」と「リモート対応」のメリット・デメリットについて考えてみましたが、最近はリモート対応のメリットを享受できるシーンは多く、
軽微なソフトウェア改修や問い合わせなどの対応をリモート対応する事も多くなっています。
業務の性質や状況に応じて出張対応かリモート対応のどちらで対応するかを判断する必要がありますが、リモート対応でも十分な成果が出させるように意識している事を紹介いたします。
リモートで対応する場合、対面のコミュニケーションができないため、事前の情報整理・明確な説明・トラブル時の柔軟な対応が特に重要と考えます。
■事前確認や対応相談
最初に対応する内容の流れや、一緒にご確認いただきたい内容に対する概要をお伝えしたうえで、対応を行うようにします。
対応するための段取りが必要であれば、最初に認識合わせをしておきます。
例えば、お客様のPCの画面操作権を付与いただいてリモートで画面操作を行う必要がある場合や、
お客様に画面操作をお願いする場合などは事前に対応相談して準備、了承をいただく必要があるためです。
■相手に伝わるように対応
リモートでも「現場感」を意識して丁寧な言葉と確認を心掛けながら、相手に伝わるような説明を意識しています。
例えば画面共有で視覚的に情報を共有しながら「この動作/表示で問題ないでしょうか?」と相手に内容が伝わっている確認します。
また、IT詳しくないお客様に説明する際には、専門用語は使わずに要点が伝わるように話すようにしています。
■作業時の記録と対応後のフォロー
お互い別の場所で対応(確認)を行う事になるため、出張対応時のように相手の表情などを確認しながら対応する事ができません。
対応内容(確認)に認識違いがあった状態で対応進めてしまうリスクが想定されるので必要に応じて対応中にスクリーンショットやログ結果を残すようにします。
テスト確認用のデータなどを準備して確認を行うような場合は、対応完了後に忘れずに原状復帰(元の状態に戻す)するようにします。
リモート対応後に「要点まとめ」で共有しながら確認漏れなどがないかを認識合わせをして、メール等で連絡するのも有効です。
4. さいごに
私が考えている出張対応とリモート対応の使い分けについてご紹介させていただきましたが如何でしたか?
出張対応とリモート対応それぞれに適している点があると思います。
業務の性質や状況に応じて「出張対応」と「リモート対応」の使い分けをして対応する事が大切だと思います。お客様にもメリットを感じていただけるような対応を心掛けています。
(M.S.)