1. はじめに
私は勤続21年目で本社事業所に勤務しています。入社してから組み込みソフト開発をメインに行ってきましたが、ここ数年は工場の制御監視を行うSCADA開発に携わる機会がありました。
組み込みソフト開発をやっていた頃は、出張に行く機会はあまりなかったのですが、SCADA開発では現地調整などで数日から数週間の出張に行く機会が増えました。
出張に行くと、社内で作業している時とは違った楽しみや注意点があるなあ、と感じましたので、この機会に紹介したいと思います。
2. 出張の注意点
2-1. 出張準備
現地作業を滞りなく上手く進めるためには、しっかりと事前準備をする必要があります。
① 現地作業するための書類
多くの工場では作業をするための書類の提出が求められます。
書類には、何処で何の作業をするのか、責任者や作業員名簿を記載して提出するのですが、工場毎にルールや書式が異なるため、
現地担当者に書類の記載内容に不足や不備がないかどうかをしっかりと確認する必要があります。
② 作業するときの服装(作業着・ヘルメット・安全靴・脚絆・手袋など)
服装についても工場毎にルールが決まっています。また同じ工場内でも作業場所毎にルールが異なる場合もあります。(クリーンルーム等)
そのため、作業時の服装についても、現地担当者にしっかりと確認する必要があります。
③ 作業手順書の作成
頭の中だけで作業予定を立てるだけだと、必ず抜け漏れが発生します。実際、作業手順書を作成していなかったために、予定通りに作業が終わらなかったことや、
必要な作業をし忘れていたことがありました。
ソフトウェアの作業は周りから見えにくいので、作業手順書を作成することで、周りは何の作業をしようとしているのかを知ることができます。
また、現地作業では、自分が得意ではない作業をすることも多いので、作業手順書に手順を記載しておくことで、間違いなく作業することができます。
作業手順書を作成して、周りにチェックしてもらうことで、担当者の視点では気付かなかった作業の漏れに気付くことができたり、
自分が得意ではない分野の作業手順の間違いに気付くことができたりするかもしれません。
現地作業の作業手順書の作成については、『ソフテックだより 第176号「現地調整を成功させるために 〜作業手順書の作成〜」』を参考にしてください。
④ 持ち物について
現地作業では、通信ケーブルやドライバ、ハサミ、USB等、様々な機器を使用します。
これらの機器がないと現地作業ができないので、現地作業で必要なものをリストアップして、このリストを現地担当者と共有し、
現地で用意してもらうもの、自分で持って行くものを認識合わせすることが必要です。
2-2. 作業状況の報告
現地作業では、現地のパソコンに納入するソフトウェアをインストールして動作確認を行います。
パソコンの画面上でソフトウェアを操作しながら作業を進めるのですが、周りからはパッと見ただけでは何の作業をしているのかわかりません。
このように、ソフトウェアの現地作業の状況は周りから見え難いです。当然、オフィスに居る上司からは何も見えません。
そのためソフテックでは、毎日作業内容や状況などについて日報報告しています。しかしそれでもまだ足りないので、その時の状況な気付いたことをTeamsに書き込んでいます。
私は目の前の作業に集中して黙々と作業をして、周りから状況が見え難いことがあるので注意したいと思います。
2-3. 体調管理に気を付ける
ソフトウェア開発作業は、基本的にエアコンの聞いた室内で、椅子に座って作業しています。
一方、出張で現場に出ると、工場内を移動するのに普段よりも長距離を歩いたり、立ったまま作業をしたり、場合によっては屋外で作業したり、と普段と大きく環境が変わります。
また、現地作業は開発の総仕上げになるので、気を張っている状態ですし、現地担当者や他の業者と色んな調整をする必要があるので気を遣う場面も増えます。
このように普段よりも疲れやすい状況になるのですが、気を張っているためか、疲れに気付き難い状況でもあります。
出張作業の中盤から終盤にかけて作業の終わりが見えるようになると、安心感から気が緩み、それまで溜まった疲れがドッと出て、体調が悪化することがある、ということはよく聞きます。
そうならないためにも、普段以上に自分の身体と相談することが大切になります。後述する宿泊施設の選び方や休日の過ごし方も大事になってくると思います。
2-4. 宿泊施設の選び方
工場は都心から離れている場合が多いので、ホテルに宿泊して、ホテルから現場に向かうことが多いですが、
観光地の近くやイベントが開催される時期等、ホテルの予約が取り難いことがあります。
私も直前にホテルを予約しようとして、目当てのホテルが空いていないことがありました。仕方がなく、現場から離れたホテルに泊まったのですが、
現場とホテルの移動だけで疲れてしまいました。そうならないためにも、早めに予約しておいた方が安心です。
3. 出張の楽しみ
3-1. 出張準備
場所によっては選択肢が限られていることや、ホテル料金の制限などもありますが、私がホテルを選ぶときは、以下に着目して選んでいます。
・近くに複数の飲食店があるところやその地域の特産品を出す飲食店があるところ
・大浴場があるホテル
疲れているとコンビニで夕食を済ませてしまうこともありますが、せっかくなので出来ればその土地の特産品を食べたいです。
長期出張になると毎日同じ店ばかりだと飽きてしまうので、ホテルの近くに複数の飲食店があればベストです。
ただ、作業が長引いて遅くなると閉まってしまう店があるので注意が必要です。
また現場の作業で溜まった疲れを取ってリラックスするために、私はよくホテルの大浴場を利用しています。温泉であればなお良いです。
都内や観光地と違って地方のホテルの大浴場は利用者が少ないので、個人的にはおすすめです。
3-2. 休日の過ごし方
土日祝日を跨いだ出張の場合、自宅から近いと帰る場合もありますが、遠いと宿泊地でそのまま過ごすことがあります。
宿泊地で過ごす場合、近くの観光地や温泉に行くことが多いです。
自宅からだと着くまでに半日かかるような場所でも、出張先の宿泊地からならすぐに着くことができ、時間的にもお得感があります。
普段と違う場所に身を置く事で心身共にリフレッシュできますし、なによりも良い景色の中の温泉は、現場作業の疲れが取れて最高でした。

図1. 伊香保温泉
観光ぐんま写真館提供 (https://gunma-kanko.jp/)
4. おわりに
出張での楽しみや注意点をまとめて見ましたが、いかがでしたでしょうか。
楽しみ方は人それぞれですし、注意点は他にもいろいろあると思います。自分なりの楽しみ方を見つけるきっかけや、注意事項を考えるきっかけにしてもらえたら幸いです。
出張を楽しむには、当然のことですが、本来の出張作業に問題などが出ずに予定通りに進めることが大前提です。
作業に問題が起きれば、楽しむ余裕も無くなってしまいますし、せっかくの休日も頭のどこかでその問題のことを考えてしまって100%楽しむことができません。
そうならないためにも、しっかりと事前準備をして、せっかくの出張を楽しめるように努力したいと思います。
(T.M.)