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ソフテックだより 第356号(2020年6月17日発行)
現場の声編

「海外長期出張作業」

1. はじめに

私は本社事業所に所属しております入社20年超のベテラン社員です。昨年の事になりますが、私が担当させて頂いた案件で、約2ヶ月間の海外出張を経験する機会を頂きました。
渡航先はアメリカ合衆国になります。
ソフテックでは、海外出張案件は年に1件あるかどうかでして、私は仕事で海外出張するのは今回が初めてでした。
しかも長期間という事で色々と不安はありましたが、何とか無事に出張作業を終えて日本に戻ってくる事が出来ました。
今回はその時の体験談をご紹介したいと思います。

2. 出発前

出発前の準備としてパスポートの有効期限が切れていたので再申請を行い、VISA(査証)ではなくESTA(電子渡航認証システム)を取得しました。
また、アメリカと日本間のデータ通信用に海外用Wi-Fiルーターのレンタル、連絡用に海外用プリペイドSIMカードを購入しました。
あとは、海外旅行の情報が載っているサイトを色々と見て、持ち物チェックリストを作成し、その準備を行いました。
英語もある程度覚えて行きたかったのですが、時間があまり無かったので、日常の挨拶と入国審査でのやり取りだけ動画を見て覚えました。

2.1 日本から持参してよかった物

シャンプーやリンス、洗顔料、歯磨き粉、歯ブラシ、洗濯用洗剤は日本から持参しましたが、これは正解でした。ボディーソープは現地調達でいいだろうと思って持参しなかったですが、アメリカで購入した物は、どれも泡立ちが悪く、香りが強い物でした。洗濯用洗剤は途中切らしてしまったのですが、スーパーではどれが洗濯用洗剤なのかが解り難く、また大容量の物しか売っていません。コインランドリーにも1回分の洗剤が売っていますが、ちょっと値段が高めです。

3. 入国

今回は、国際線でアメリカの空港に到着後、アメリカの国内線を乗り継いで目的地の空港まで行くというルートでした。しかも、その乗り継ぎ時間は2時間しか無く、ここをスムーズに移動できるかどうかが、最初の山場でした。
また、先に現地入りしていたお客様の入国審査の際は、滞在が長期間という事で怪しまれたのか、別室に誘導されたという事前情報もありまして、英語も話せないのに別室に連れていかれたら、それで飛行機に乗り遅れてしまったらどうしようと心配していました。
移動日が休日だった事もあって、入国審査には長蛇の列が出来ており、入国審査を受けるまで1時間位は掛かったと思います。
不安を抱きながらも、怪しまれない様に堂々とした姿勢で入国審査を受けました。
予習していた通り入国の目的、目的地、滞在期間を聞かれましたが、その後で、「なぜこんなに長く滞在するんだ?」といった感じの事を聞かれました。
まずい、別室に呼ばれるかもと思いながらも、たどたどしい英語で、
    「私はエンジニアだ。」
    「マシンの立ち上げだ。」
というような事を説明した所、特に別室に呼ばれる事なく通過出来ました。混雑していたことも影響したかもしれませんが、まずは一安心です。

しかし、安心したのも束の間、次の飛行機の搭乗時刻が迫っていました。
急いで荷物を受け取り、再度国内線への荷物預入、手荷物検査を受け、国内線ゲートへ移動して飛行機に乗り込んだのが出発の10分前と、かなりぎりぎりの時間でしたが、無事に出張先へ到着する事ができました。

4. 出張中の生活

最初の一週間は時差ボケでかなり辛かったです。
入国直後に適当に買ったミネラルウォーターが体に合っていなかった様で、お腹の調子も悪かったです。
後日、軟水のミネラルウォーターを見つけて、それを飲むようにしてからは、お腹の調子は落ち着きました。気になる方はミネラルウォーターについて事前調査したほうが良いです。
休日を挟んだ事もあって一週間後にはようやく体のサイクルも現地と合ってくるようになりました。

4.1 食事

食事ですが、昼はハンバーガーショップか中華料理店が多かったです。
ハンバーガーは日本とほとんど同じ味で美味しかったですが、中華料理は本場の中国と日本とで違いがある様に、アメリカも現地式となっており、私の口に合う料理は少なかったです。
一度、アメリカの日本料理店にも行きましたが、その時に食べた鍋焼きうどんは、何故かブロッコリーが入っていたり、肝心のネギが入ってなかったりと、日本の鍋焼きうどんとはかなり違いました。

アメリカで食べた鍋焼きうどん
図1.  アメリカで食べた鍋焼きうどん

夜はスーパーで冷凍食品やパン、インスタントラーメン、真空パックのご飯などを買って食べていました。やはり私の口に合うものは少なく、最初の内は色々と買って試していましたが、最後の方は無難な物しか買わなくなってしまいました。
スーパーで見つけた日本のインスタントラーメン(袋麺)を久しぶりに食べた時は、ネギや玉子を入れていないのにこんなにおいしく感じるとは!と感動的でした。

4.2 お酒の購入にはIDが必要

スーパーで買い物をし、自動レジにて会計するときに「店員を呼んで下さい。」という意味の表示が良く出ていました。
最初は自動レジの使い方を間違えたのかなと思っていたのですが、表示もなく会計できる場合もあり、何が違うのだろうと不思議に思っていました。
ある時、いつもの様に店員さんを呼んで会計を進めようとした時に、ようやく謎が解けました。
それは、アメリカでお酒を購入する場合にはID(身分証明書)が必要という事です。
思えば、表示が出ていた時はビールなどのお酒を買っていました。
それまでは見た目で成人と判断されていた様ですが、店員さんによっては見た目がいくら成人でもIDの提示を求められます。
私はパスポートを携帯していましたので、パスポートを提示する事によって無事に購入することが出来ました。

4.3 デイライト・セービング・タイム

アメリカではデイライト・セービング・タイム(Daylight Saving Time)制度、いわゆる夏時間が取り入れられていますが、私の出張期間中にデイライト・セービング・タイムの切り替えがありました。
11月の第一日曜日午前2時に、1時間巻き戻って午前1時になる形です。その為、この日は1日が25時間あります。
スマートフォンは自動で時間が切り替わりますが、私の持っていた腕時計や壁掛け時計は手動で時間を戻す必要があり、注意が必要です。
朝いつもの時刻に起きたのに外が明るかったり、時計の時間がバラバラだったりと、日本では味わえない、なんとも不思議な感じがしました。
切り替えは日曜日という事もあって、仕事には特に支障ありませんでした。

切り替えで午前1時が2つある天気予報アプリ
図2.  切り替えで午前1時が2つある天気予報アプリ

5. アメリカでの仕事

5.1 服装

今回は工場内での作業でしたので、日本人チームは作業服・安全靴・保護メガネ・作業帽(高所作業時はヘルメット)という装備で作業していました。
一方、現地の方は、ほとんどの人がジーパンにシャツといった感じで、ラフな格好で作業していました。
特殊な作業をする人はその上にガウンの様な物を着用します。
もちろん、クリーンルームに入る際には、クリーンスーツを皆着用しますが、日本ではあまり見かけない髭カバーがあるのが印象的でした。
ヘルメットや作業帽は半分ぐらいの方がしておりました。
以前に事故があったのか、保護メガネだけは必ず着用する形となっていました。

5.2 現地担当者とのやりとり

ほとんどの時間は日本人とやり取りしていた為、英語が出来なくて困るという事はあまり無かったのですが、それでも何度かアメリカの現地担当者と仕様について英語でやり取りする場面がありました。
その時に活用したのが、Google翻訳です。
音声ではなく、文章を入力して翻訳する電子筆談の様なやりとりで使用しました。
翻訳が難しい専門用語を解り易い単語にしたり、言い回しをなるべくシンプルにしたりといったテクニックは必要でしたが、普通にコミュニケーションをとる事が出来たという印象です。
ただし、インターネットに接続できる環境でなければ使えませんので、注意が必要です。

6. 最後に

出張前は不安でしたが、終わってみると食事以外は特に不自由なく過ごす事ができました。
心残りとしては、英語が話せなかったので、現地の人とあまり会話をする事が出来なかった点です。仕様に関する打ち合わせではGoogle翻訳が活躍しましたが、雑談などをする際にはいちいちGoogle翻訳を起動する訳にもいきませんでしたし、スーパー等で声を掛けられた時も、何を言っているのか解らず、うまく対応する事が出来ませんでした。
今後の海外渡航や、来年のオリンピック開催に備えて、英語を勉強したいと思っています。
なお、本稿を執筆している2020年5月現在は、新型コロナウイルスの影響で、日本からの渡航者や日本人に対して入国制限措置をとっている国や地域が多数あり、海外出張が困難な状況が続いています。
新型コロナウイルスの一日も早い終息を願うばかりです。本稿が、今後海外出張する人のお役に立てるようであれば幸いです。

(T.T.)


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