HOME > ソフテックだより > 第328号(2019年4月17日発行) 現場の声編「入社1年間を振り返って〜この1年間と見えた課題〜」

「ソフテックだより」では、ソフトウェア開発に関する情報や開発現場における社員の取り組みなどを定期的にお知らせしています。
さまざまなテーマを取り上げていますので、他のソフテックだよりも、ぜひご覧下さい。

ソフテックだより(発行日順)のページへ
ソフテックだより 技術レポート(技術分野別)のページへ
ソフテックだより 現場の声(シーン別)のページへ


ソフテックだより 第328号(2019年4月17日発行)
現場の声編

「入社1年間を振り返って〜この1年間と見えた課題〜」

1. はじめに

私は、2018年の4月に入社し、ちょうど1年が経過しました。
今回は、この1年間で経験したこと、学んだこと、実務に携わって見えた課題について整理しましたのでご紹介したいと思います。

2. 実務を通して

2.1 はじめての出張

私は、PLCグループに所属していまして、同じグループの先輩社員の補助係りとして出張に同行させていただく機会がありました。その現場では、再生可能エネルギーに関連したシステムがあり、そのシステムを管理する制御盤も見ることができました。私達が開発に携わったシステムがどのように使われているか初めて見る機会になり、とても刺激になりました。制御盤の中には、ソフテックの先輩社員が製作したソフトが組み込まれたPLCや多くの配線がありました。それを見て、1つでも不適合があると大きな事故につながるということが頭に浮かびましたし、失敗は許されないということを感じることができました。現場での緊張感を社内でも持つことが大切だと思いました。

2.2 大型システム案件に携わって

全体の開発期間が約1年間半ある大きな案件に、数か月間担当者として携わる機会をいただきました。研修期間で行っていたラックシミュレータ(https://www.softech.co.jp/mm_181121_voice.htm)のように一連の動きをするものが約70工程もある大型のシステム案件です。 私は、その中の一部工程の製作以降を担当させてもらいました。進め方は以下の手順です。

1. 配置図を見てタッチパネル画面製作
2. デバイスマップ、画面操作仕様書作成
3. 設計書を基にラダープログラム作成
4. デバッグ
5. 動作試験

基本的には、先輩社員に教えていただきながら進めていましたが、自分で考えることもありました。そのため、やり直しや修正がたくさんありました。プログラムに関しては動かない、動作してもすぐバグが見つかることの繰り返しでした。そのような過程を経て、何とか一通り動くようになり私の担当は終了となりました。
完成したプログラムには、研修とは比べものにならない工夫の数々や安全性への配慮がありました。ソフト開発の常識ではありますが、異常処理(アンサ異常検出)が印象に残りました。
具体的にどういう処理かというと、機器への出力デバイスと運転アンサのデバイスが別に設けられており、その2つを使用して、動作命令に対して実際に動いているかという状態監視処理を組みます。

コンベア正転アンサ異常検出回路
図1. コンベア正転アンサ異常検出回路

上記回路では、PLCからの出力であるYA0とコンベアからの入力情報に相違が一定時間続くとアラーム発生フラグM8004がONするという回路になります。
これは一つの例ですが、このように実際の案件では、安全性を確保するために色々な工夫を行うものだと学びました。

次に、大型案件は、特にスピードが重要になると教えていただきました。作業スピードを上げるには、様々な事前検討が必要だと感じました。
具体的な例を挙げると、担当システムでは似た処理が多数あったので処理を共通化できないか検討しました。例えば、オペレーションパネルでは各工程に共通のアラーム画面やヘッダーを使用しました。一つ一つ順番に作成するのではなく全体を見てから、共通化できるところ、個々で作るところを意識して作成することで作業効率を上げることができると学びました。
また、ソフトウェア開発における事前検討は、修正や追加が容易にできる「汎用性の高い設計」をすることだと思いました。本システムの場合、1期目で作成する分と将来追加予定分とが事前に分かれていました。そのため、1期の設計段階で将来追加分を容易に追加できる設計にすることが大切だと思いました。本システムは、将来追加分が見えていましたが、違うシステムでも将来追加するものを想定して設計を行うことで汎用性の高い設計に近づくと思いました。

3. 1年間を振り返って〜学生時代と比較して〜

たくさん失敗し、たくさん指導していただいた1年間でした。学生の頃は、社会に出ることが楽しみで、”早く活躍したい”という気持ちがありましたが、そう甘くはありませんでした。学生の頃では、多少の間違いがあっても80点、90点を取れると成功かもしれませんが、ソフトウェア開発では一つでも間違えると安全性が大きく損なわれてしまいます。私が、高得点を目指す段階に達するのはまだ先なので、まずは同じ失敗をしないよう心掛けています。

4. 今後の課題

この1年間ソフテックで働いてみて、見えてきた課題をまとめます。

・事前検討の徹底

先程、ご紹介しました事前検討ですが、プログラム以外にも言えることだと思います。例えば、ソフテックでは新入社員の1年間は定時帰宅が原則です。そのため、8時間の中身を濃くする癖をつけることで成長度合いが変わると考えています。事前に今日1日何をするか考える、出張時のイレギュラー対応に備えるというような意識を持つことで変わると思います。これを習慣付けていきたいです。

・報連相の徹底

失敗談から学んだことなのですが、自分が過去にしていた作業について別社員から尋ねられ、過去に自分が書いた報告を見ても答えられないということがありました。この時感じたのは、“過去の自分が対応した報告を自分が読んで理解できないのだから他の人は理解できるわけがない。”ということでした。そこで、他人が見ても理解してもらえるように、まずは明日、1か月後、1年後の自分が見ても理解できるような報告を書くように意識しようと思います。

・丁寧に説明できるエンジニアを目指す

お客様の中には、プログラムについて詳しくない方もおられます。ソフトウェアは目に見えませんので“システムの動作を理解していただくにはどうするべきか?”はとても難しい課題です。考えてみましたが、少なくとも、わかりやすいドキュメント、丁寧な説明は必要だと思います。丁寧な説明をするには、自分が詳細まで理解していなければなりません。そのため現在は、時間がかかってもしっかりと自分で理解することを心がけています。

5. おわりに

今回は、ソフテックで1年間働いて学んだことや課題についてご紹介させていただきました。読者の方に、ソフテックがどのような会社かイメージして頂けたら幸いです。
拙い文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。

(T.F.)


関連ページへのリンク

関連するソフテックだより

ページTOPへ