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ソフテックだより 第190号(2013年7月17日発行)
現場の声編

「ソフテックの入社前研修 〜入社後に役立ったこと〜」

1. はじめに

私は2013年の4月に入社した新入社員です。青森県出身で大学では情報科学科に所属していました。まだ仕事に慣れていない部分が多いですが、仕事になんとかついていっています。
今回は、ソフテックの入社前研修を通して何を学べたか、何が入社後に役立ったかについて書いていきます。

2. 入社前研修の内容

ソフテックの入社前研修は9月の内定者説明会から始まりました。研修内容は2つの段階に分かれており、9月から第一段階、3月から第二段階に取り掛かりました。入社前研修は会社から課題を渡され、自宅で作業する形式で行います。ソフテックではNotesという情報共有のグループウェアを使用しており、このNotesを使って進捗状況・困っていること・大学での予定などを最低でも週に1回報告します。
図1は入社前研修の際、私が研修担当の方との情報共有のために使用した研修報告書です。

入社前研修の研修報告書です。この書き方では、報告・連絡・相談として不十分です。
図1. 入社前研修の研修報告書

2-1. 第一段階

入社前研修第一段階で使用するテキストと問題集を「こんなにあるの?」と思うくらい渡されました。
内容はソフトウェア開発・コンピュータアーキテクチャ・プログラムの仕組み・C言語の4つに分かれており、12月下旬までおよそ4ヶ月で解いていきます。
入社前研修が始まったばかりの頃は、結構な量の課題を渡されたにも関わらず、「まだまだ時間があるから後でゆっくりやろう。」と先延ばしにしてしまい、なかなか課題に取り掛かりませんでした。課題が進まず、報告内容も1週間前の報告とほとんど変わらないこともありました。
第一段階では1ヶ月に一度東京本社に行き、研修担当の方と直接顔を合わせ、進捗状況や今後の予定などの報告会をします。課題の進捗状況が悪くなっていき、また、Notesでの報告を怠ってしまったこともあったので、報告会で研修担当の方に、「仕事だと思って、もっと責任感をもって課題に取り掛かってほしい。」と指摘されました。研修担当の方も、忙しい仕事の合間に自分の課題を見てくれていることに気づかされ、社会人としての意識を持って課題に取り掛かるようにしました。第一段階の後半ではきちんと課題に取り組み、なんとか期限内に課題を終わらせることができました。第一段階が終わった時に研修担当の方から、「最後のほうは時間が厳しかったけど、よく頑張って期限内に終わらせてくれた。」とねぎらいの言葉を頂いたのが、とても嬉しかったです。

2-2. 第二段階

入社前研修第二段階は、入社後の配属先が八戸事業所に決まってから始まりました。第二段階の研修は、配属先のグループでの仕事に関係する課題が用意されます。私の研修課題では、教育用レゴ マインドストームNXT (http://education.lego.com/ja-jp/)というロボットを制御する組み込みソフトを作成しました。開発はC言語を用いて行いました。ロボットは四輪車の形に組み立てられ、タッチセンサ、光センサが用意されていました。
課題として、下記の動作をするプログラムをそれぞれ作成しました。

(1).
ロボットのディスプレイ部にカウントを表示させタッチセンサを押すたびに、カウントアップさせるプログラム
(2).
ロボットを1秒前進させ、左に45度方向転換後1秒前進、その後に、右に45度方向転換後1秒前進させ、停止させるプログラム
(3).
光センサからのA/D値をディスプレイ部に表示させるプログラム
(4).
(1)〜(3)を組み合わせたプログラム
(5).
ロボットを黒線に沿って進ませるプログラム

大学ではマイコンについてはほとんどやっておらず、組み込み系の制御について全然理解していませんでした。また、仕様通りの動作をするプログラムを作成できても異常動作を考えておらず、研修担当の方から指摘を受け何回も修正をしました。光センサからのA/D値がありえない値であった時に、その値の処理を行わないなど、「そんなところも考慮しないといけないのか…」と思うところまで異常動作を考えなければならず、細かい部分まで考える能力と想像力が大切なのだと実感しました。
この課題の一番の肝は、黒線に沿って進ませるプログラムの作成です。まず、光センサの黒線上でのA/D値範囲を設定し、値がこの範囲内である間、前進します。値が範囲外に出たら、その場で左右に方向転換して黒線を探します。図 2のような円周状の黒線の上を走らせるため、黒線を探すときの方向転換を左側から開始すると、反時計回りの時はスムーズにいきますが、時計回りでロボットを走らせる場合、何回も左に方向転換をしてから右に方向転換し黒線を探すので、かなり動きが遅くなっていました。そこで、一度左方向探索で黒線を発見したら次の黒線探索は左側から探索、右方向探索で黒線を発見したら次の黒線探索は右側から探索するという処理を追加し、時計回りでも反時計回りでも黒線の上をスムーズに走行できるように修正しました。

入社直前の3日間は、八戸事業所を訪問して課題に取り組みました。直接、研修担当の方にわからないところを聞けたので、何がわからないか、どうすればいいかがすぐに解決し、入社前に課題を終わらせることができました。昼食の時間など、研修担当の方以外の人と話す機会もあり、他の社員の方のことも少しずつ知ることができました。
入社前研修中、プログラムが思い通りになかなか動いてくれない時や、おかしな動きをしてしまう時はとても辛かったですが、きちんと動作するプログラムを作成できたときは大きな達成感が得られました。

ロボット後部のタッチセンサを押しているところです。タッチセンサを押すことで黒線に沿って走りだします。
図2. ロボットを黒線上で走らせている様子

3. 入社後に役立った点

入社前研修を行ったことで、入社後の仕事に役立てることができた点はたくさんあります。以下に、その中のいくつかを紹介します。

(1). 文章作成能力の向上

入社後、新入社員は毎日日報を書き1日の作業を報告しますが、日報を書く際、進捗状況・問題点・予定などを、第三者が見てもわかるように書かなければいけません。
入社4ヶ月でまだまだ拙い日報しか書けませんが、入社前研修で進捗状況や今後の予定、疑問点などを報告していたおかげで、伝わりやすい文章を作成する能力を向上することができました。

(2). Notesによる情報共有

ソフテックでは、Notesを用いて報告・連絡・相談をし、会社全体で情報を共有します。このため、Notesの活用を重要視しています。順調にいっていない時に「うまくいってない」と報告するのは気が引けますが、ソフテックでは、たとえうまくいっていなくても、きちんと報告することを大切にしています。入社前研修でNotesを用いて報告をすることで、Notesの使い方・重要性を実践で覚える事ができ、入社後に日報などで報告・連絡・相談をしやすくなり、また、すぐに報告をする癖もつきます。

(3). 仕事への責任感がつく

学生時代は時間の制約が緩く、ミスをしても自分に不利益が返ってくるだけで済みますが、仕事では、自分一人のミスで周りの人や会社全体、お客様にも迷惑がかかってしまうことがあります。
入社前研修では、研修担当の方が解答の添削や大学のスケジュールの把握、進捗状況や予定の管理を他の仕事と並行してやってくれています。研修担当の方にとって入社前研修も仕事の一つであり、報告を怠ることや課題の解答に遅れてしまうことがあると、今後のスケジュールの見直しや状況確認に時間を割くことになり、他の仕事にも影響を与えてしまいます。
課題に取り組み、研修担当の方との情報共有を繰り返すことで、このことに気づけると思います。
私の場合、進捗状況が悪く直接指摘されて気づかされたので、「もっと早く、仕事と同じように責任感を持って取り組めばよかった。」と後悔しました。

(4). 仕事場や仕事内容を知ることができる

ソフテックの入社前研修では、月に一度、東京本社で報告会を行います。毎回、新幹線で2時間以上かけて東京に行っていたので、正直、少し面倒だなと感じていました。しかし、東京本社に何回も行くことで仕事場の雰囲気を知ることができ、これから仕事をする場所を見ることで、働くという事をより現実的に想像することができました。
ソフテックでは、2ヶ月に1回、グループでの懇親会があります。東京本社での報告会の日がたまたま研修担当の方のグループ懇親会と重なり、参加させていただくこともありました。一緒にお酒を飲みながら、先輩社員の方に、仕事のことや卒業研究の相談など、様々な話を聞かせていただく機会がありました。ソフテックのことを詳しく聞くことができ、また、先輩社員の方と親睦を深めることができたので、入社後の不安が軽くなりました。

(5). 実際の仕事に関係のある勉強ができる

私の場合、組み込み系をメインとするグループに配属になったため、ロボットを使用して組み込みソフトの入社前研修を行いました。実際に課題を進めていき、組み込みソフトの基礎の基礎を勉強することができました。また、ロボットが動いてくれるので、「自分が作ったプログラムで動いているんだ。」と、自分が作ったものが、実際に動いているところを見られるので、達成感の得られる課題でした。

4. おわりに

ソフテックに入社して4ヶ月が経ちますが、まだまだ技術力が乏しく、先輩社員の方々に迷惑をかけっぱなしです。新入社員で会社の即戦力になるのは難しいですが、わからないことはすぐに報告し、地道に勉強をして実力をつけ、少しずつできることを増やしていきます。

(S.N.)


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