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ソフテックだより 第482号(2025年9月17日発行)
現場の声編

「新入社員が感じた出張の大変さとやりがい」

1. はじめに

私は2024年8月に既卒として入社した新入社員で、正社員として入社するのはソフテックが初めてです
現在は主に工場向けのWindowsアプリ開発を担当しています。先日、入社して初めての現場作業で出張に行きました。
目的は工場で稼働中の装置を詳細に解析するというものです。初出張を終え、感じたこと・得た経験を共有させていただきます。

2. ソフテックの出張

私は入社後3か月ほどの研修を終え、いくつかの案件に携わらせていただきましたが、出張作業を伴うものは今回が初めてでした。入社10か月目で初めての出張ということになります。
ソフト会社なのに出張があるの?と思う方もいるかもしれませんが、ソフテックは主として工場向けのソフト開発を行う企業であるため、現場に向かうことは多々あります。私は入社面接時に面接官の方に「出張があるけど大丈夫ですか?」という質問を受け、「大丈夫です!毎日同じオフィスで作業するより外に出た方が楽しいと思うので!」と元気よく答えましたので、出張の覚悟はしていましたし、同時に楽しみにしてもいました。

3. 出張準備は早め早めに

出張で最も重要なのは準備です。準備というのは何を持っていくのかというハードの面はもちろんのこと、どの順番・どの方法で作業を進めていくか、というソフト面も同時に重要です。
今回はその工場について精通している上司に同行させていただいたので、ハード面で私が考えることは多くありませんでしたが、自分が担当している作業範囲については社内でも機器を借りて 操作をシミュレートし、ソフト面で可能な限り準備を行うようにしました。
上記の通りハード面もソフト面も社内で行う準備は余裕を持って終えていたのですが、 今回失敗だったと思うのは、PCや着替えなど自分の荷物の準備を前日の夜に行ったことで十分に休めなかった点です。
現場作業は想像以上に体力勝負だったので、前日はなるべく早く寝るようにすべきでした。今回の出張は最高気温30℃を超える日々で、 あいにくの(?)晴天でしたので、輪をかけて体力を奪われました
頭だけでなく、体の準備もしっかりする必要があったと痛感しました。前日夜は最後の確認をして寝るだけという状態にしておくのが理想だと思います。

図1.昨年リニューアルされたソフテック作業着
図1.昨年リニューアルされたソフテック作業着

4. 現場は生きた知識の宝庫

工場内を目にして最初に心に浮かんだのは、これまで机上で学んできた概念が目の前で現実の世界を動かしているという驚きと感動でした。
私がFA(Factory Automation)業界で働くようになってからまだまだ短いですが、それでも工場に設置されている制御盤を見て、これが表示器、これがPLC、これがUPS、と認識できる
ようになっていて、自分に生きた知識がついていると感じ、とても嬉しく思いました。
また、現場のオペレーションを観察することで、自分がソフト開発をする際の発想の引き出しが増えていくことも実感しました。
一例を挙げますと、私は今までソフトを開発するときに、自分の開発環境上で良く見え、スムーズに動けばベターだろうと思って作成してしまっていました。
しかし実際には、そのアプリが動作するPCの画面が大きいのか・小さいのか、ユーザーはPCの前に常駐しているのか・作業中に一時的に触るのか、設置位置が高いのか・低いのか、ユーザーは
素手なのか・手袋をしているのか、など多数の要素によってベストなソフトウェアデザインは変わってきます。
それは頭では分かっていたことですが、実際に現場を見て初めて腹落ちした感覚がありました。
それ以降私の別の担当業務でも、アプリの画面サイズはこれで本当に大丈夫なのか?文字はこのサイズで見えるのか?キーボード操作は可能な環境か?と意識することが増えました。
実際に見て感じた経験に基づく地に足のついたアイデアがソフトの品質を上げていくということを実感しています。

5. 出張は技術者の総合格闘技

現場作業は今まで自分が身につけてきた技術・知識が全て出る場であると強く感じました。
ソフテックでは出張中でもTeamsなどを通じて社内の人のバックアップを受けられる体制が整っています。しかし、工場には電波が届かない場所もありますので、自分1人で対処する能力も重要になってきます。
最近ではソフテックでも会社としてAIの活用について活発な試行錯誤が行われていて、開発過程でAIを利用することも増えてきています。しかし、現場でお客様から聞かれた事に「私には分からないので ChatGPTに聞いてみますね」と答えていては、「ではあなたは何のために来ているのですか?」と思われかねません。
現場では新入社員であっても会社の代表として扱われ、お客様はソフトのことは何でも聞いてきます。その対応には個人の中にある確かな知識と、それを基盤にした問題解決能力、 コミュニケーション能力が問われます。
最近はVisual StudioなどのIDEやAIなどの便利な開発ツールの使用に慣れてきていて、ひょっとして自分っていい感じで開発できているのでは、と慢心していたところだったので、 エンジニア、ひいては社会人としての地力をつけるようにしないと…と反省しました。

6. トラブル時の体感時間は短い

現場作業では多少のトラブルはつきものですが、今回の現場作業でも私の担当した作業の中で一部想定外の事態が発生しました。今振り返ってみると、「すぐ対処しないと大問題になる!」 という類のものではなく、「想定と違ったから落ち着いて作業方針を考え直そう」という意識で進めるべきものでした。しかし、当時の私は大慌てで、何かをしなければという思いで、 優先度の高くない作業を始めてしまったり、何度も同じ部分を確認してしまったりと結果的に無駄の多い作業の進め方をしてしまいました。
トラブル中の作業時間は3〜4時間ほどだったのですが、体感時間は1時間もないほどでした。しっかり準備をしてトラブルがそもそも発生しないようにすることは当然のこととして、 トラブルが発生したときに慌てないことも大切だと感じました。やみくもに手を動かすのではなく、冷静に問題を切り分けていく事を心掛けたいと思います。
トラブルの結果出張中に調査目的を達成することはできなかったのですが、上司の指示で現場で得た必要な情報をなるべく持ち帰り、後日社内で解析し直した結果、トラブルの原因が分かり、 無事調査目的を達成することができました。
時間通りに終わらせなければと思って焦るのではなく、落ち着いてその時点で可能なことを確実に行うことで業務を正しく遂行できるのだなと大きな学びになりました。

7. おわりに

今回の出張で前述したように多くのことを学ばせていただきました。その中の多くは今まで情報としては理解していたことでしたが、実際にその場面になって初めてこういうことだったのか、 と血の通った知識になったなと感じました。
ソフテックは若手に現場を経験させることに積極的な会社です。それはなぜだろうかと思っていましたが、社員が出張に行くことでソフト開発において必要な想像力が向上し、仕事の質が高まることを 目にしてきたからではないか、と今では想像できます。
出張は体力も使いますし、プレッシャーもかかりますが、やり切ったときの達成感も大きいです。今回の経験を通じて、1年働いたけどまだまだエンジニアとして半人前だな、と自覚することができました。
これからお客様にも会社にも信頼され、仕事を任せられるエンジニアとなれるように精進していきます。

(K.N.)


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