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ソフテックだより 第392号(2021年12月15日発行)
現場の声編

「健康管理の実践4 〜食事・応用編〜」

1. はじめに

私は本社勤務の入社15年超になる40代前半の中堅社員です。”ソフテックだより第346号 現場の声編「健康管理の実践3 〜食事編〜」”では、ソフテック社員の健康管理について、健康の3要素と言われる「運動・栄養・休養」のうち、栄養(=食事)のバランスのお話をご紹介しました。年齢が増すと、肥満やメタボリックシンドロームなど気になる方も多いのではないかと思いますが、その予防には食事の管理が重要になります。
健康管理の実践シリーズ4作目となる本稿では、食事・応用編と題して、摂取カロリーとPFCバランスについて、私の実践例を交えてご紹介したいと思います。

2. 食事を気にしだしたきっかけ

私自身、以前はスポーツジムや近所の体育館で定期的に運動を行うことを心がけていました。その頃は特に食事は気にせず、「食べたいものを食べて、その分、運動すればよいか」という考えでいました。しかし、コロナ禍の緊急事態宣言により、スポーツジムや体育館といった場所でのトレーニングに行けない日々が続きました。実際は“行けない”のではなく、“行かなかった”というのが正しいかもしれません。覚えている方も多いと思いますが、当時、スポーツジムでクラスターが発生しました。そのことがずっと記憶にあったため、緊急事態宣言が明けても、スポーツジムになかなか足が向きませんでした。代わりに屋外で運動すればよかったのですが、それもしなかったため、運動不足になり、食事も特に制限していなかった結果、体重、体脂肪率は増え続けていきました。
ワクチン2回目を打ち終わった頃に、「これではいけない」と思い、ようやく重い腰をあげました。以前のように定期的にスポーツジムに通って減量するという選択肢もありましたが、「今後のためにも自己流ではなく、一度専門家の指導を受けてみようかな」と思い、今回は知人の紹介でプロのトレーナーの方に指導を仰ぐことにしました。

3. 摂取カロリーを決める

食事指導で、はじめにトレーナーさんから話があったのは、一日の摂取カロリー目標を決めることでした。減量を目的とした食生活では、摂取カロリーは少なければ少ないほどよい、と考えがちですが、それは誤った考え方になります。減量の仕方はいろいろありますが、私のトレーナーさんの方針は、摂取カロリーを普段の生活(運動しない日)の消費カロリーよりやや少なめに抑え、運動量を増やすことによって余計な脂肪を落とすという考え方でした。そのため、まずは普段の消費カロリーを知る必要がありました。

3.1. 基礎代謝量を知る

消費カロリーを知るにはまず基礎代謝量を知る必要があります。基礎代謝量とは、簡単に言うと、人間が呼吸や体温の維持など生きるために必要なエネルギーの量で、普段特別な運動していない状態でも消費されるカロリーです。基礎代謝量は年齢、体重、身長により変わりますが、計算式にもいろいろな種類があるようです。ただ、最近のデジタル体重計(体組成計)であれば、体重測定と合わせて基礎代謝量も自動で計算してくれます。私が当時測定した結果では、体重は64.2kg、基礎代謝量は1429kcalという結果でした。

3.2. 身体活動レベルを知る

消費カロリーは、一般的に基礎代謝量に身体活動レベルに基づく定数をかけた値で決定します。身体活動レベルとは、厚生労働省の資料「日本人の食事摂取基準」(2020年版、出典URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html )に定義されているもので、日常的に体をどれくらい動かしているかによってレベル1(低い)、レベル2(普通)、レベル3(高い)の3段階に分けられます。各レベルの定数は年齢64歳までは同一で、レベル1=1.50、レベル2=1.75、レベル3=2.00となっています。
普段、平日1日社内で仕事をして、特別な運動はしない場合、身体活動レベルが1〜3のどれに当たるかというと、基本的に生活の大部分は座って過ごしており、活動レベルは低い状況です。参考までに、スマートウォッチで1日の歩数を計測できるのではかってみました。その結果をグラフ化したものが以下になります。

平日(水曜日)の歩数
図1.  平日(水曜日)の歩数

基本的に通勤時と昼食を食べに出かけるとき以外はほとんど動いていないことがおわかりいただけるかと思います。社内にいる時間帯は、自席と会議室、トイレ、デバッグエリアに移動するだけですので1時間あたり数十歩しか歩いていませんでした。なお、健康促進には1日8000歩がちょうどよいと言われているそうですが、グラフで示した日のトータル歩数は6087歩でした(通勤には電車を使用し、自宅から駅までは10分ほど、駅から会社までは5分ほどです)。
前置きが長くなりましたが、私の平日の身体活動レベルはレベル1(低い)に分類されます。よって、消費カロリーは基礎代謝量(1429kcal)×レベル1定数(1.5)= 2143 kcalとなります。
摂取カロリーの目標値を決めるにあたっては、私の場合は普段の運動量が特に少ないこと、目標は高く設定したほうが効果も高いことから、定数(1.5)を調整することにしました。基礎代謝量(1429kcal)×1.2 (= 1714 kcal)とし、端数を切り捨てて1700kcalを目標に設定しました。

4. PFCバランスを決める

摂取カロリーの次にトレーナーさんから教わったのはPFCバランスについてです。PFCは、Protein(タンパク質)、Fat(脂質)、Carbohydrate(炭水化物)の頭文字を示します。減量時は、摂取する食事のタンパク質、脂質、炭水化物の割合をコントロールする必要があります。一般的には、タンパク質15%、脂質25%、炭水化物60%が理想的な食事と言われているようですが、私の場合はタンパク質30%、脂質20%、炭水化物50%を目標とすることにしました。その理由は、タンパク質を多く取ることで筋肉量を維持したまま、脂肪を燃焼させることが目的です。
摂取カロリーとPFCバランスを決めると、1日に摂取するタンパク質、脂質、炭水化物の量を決めることができます。PFCのカロリーは、タンパク質1g=4kcal、脂質1g=9kcal、炭水化物1g=4kcalとなっています。よって、1日の摂取カロリーの目標値1700kcalをタンパク質30%、脂質20%、炭水化物50%で摂取する場合は、タンパク質128g、脂質38g、炭水化物213gが1日の摂取量となります。

5. 食事管理の方法

目標とする1日の食事のPFC摂取量は明確になりましたが、「どうやって管理するのか?」「管理は面倒くさいのでは?」と思われる方も多いのではないかと思います。私もそう思っていましたが、今は食事管理専用のスマホアプリがあり、アプリを使用すれば比較的簡単に管理することができます。スマホアプリでは、毎日食べた食事(メニュー)をごはん、目玉焼き、りんごなどという形で入力すると、そのPFC成分が自動的に入力され、1日の摂取量がわかるようになっています。
とある1日の食事内容の例を以下に示します。なお、この例ではかなり目標に近い数値におさまっていますが、毎日同じものを食べているわけではないので、カロリーがオーバーする日や、PFCバランスが合わない日も当然ながらあります。

表1.  1日の食事内容

時間 メニュー カロリー[kcal] タンパク質[g] 脂質[g] 炭水化物[g]
朝食 ごはん(200g) 285 4.8 0.6 65
豆乳 57 4.2 3.7 1.9
プロテイン(粉末) 155 30.8 2.8 1.5
バナナ 86 1.1 0.2 22.5
昼食 サバの味噌煮定食 652 30.7 24.8 79.7
夕食 おにぎり 177 4.3 1.1 37.2
ささみプロテインバー 142 22.2 1.2 9.6
プロテイン(粉末) 155 30.8 2.8 1.5
合計 1709 128.9 37.2 218.9
目標 1700 128 38 213

6. まとめ

今回は、健康管理の実践4 〜食事・応用編〜 と題して、食事管理の実践例をご紹介しました。食事管理を実践するようになって、まだ数ヵ月ですが、徐々に効果も現れ始めています。食事管理を始めて一番変わったことは、スーパーやコンビニで食品を買うときに、栄養成分表記を必ず確認するようになったことです。また、脂質の高いものは避けるようになり、高タンパク食品を意識して摂取するようになりました。最近は、いろいろな高タンパク食品(しかも美味しい)が発売されているので、その点は非常にありがたいです。たまに揚げ物や甘い物が食べたくなるときもありますが、その時は少量だけ食べて満足するようにしています。食事管理・健康管理に終わりはなく、継続することが大切ですので、がまんをせずに、できる範囲で続けていけたらと考えています。
最後になりましたが、本ソフテックだよりが皆様の健康管理のお役にたちましたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

(T.S.)


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