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昨今、FA/PA分野では機器の制御・監視をするための操作表示盤として、タッチパネルが非常に多く使用されています。
しかし、タッチパネルは設備付近に設置される事がほとんどで、離れた場所から画面を確認する事ができません。また、複数個所からの監視・制御を実現したい、システム開発時に動作確認を実施したい、といった際には都度必要台数のタッチパネルを用意する必要が出てきます。
これらの問題を解決する方法の一つとして、過去のソフテック便りで三菱電機社製の「GOT Mobile機能」(ソフテックだより第271号『GOT Mobile機能』)についてご紹介しておりますが、今回は三菱電機社製、キーエンス社製のPC上でタッチパネルの機能を実現するソフトウェアHMIについてご紹介し、2つのソフトの機能比較を実施したいと思います。
※HMI:Human Machine Interface
ソフトウェアHMIはPC上でタッチパネルと同様の監視・制御を実現できるソフトウェアです。
PCとPLCを接続し、ソフトウェアHMIのインストールとソフトウェアHMI用のプロジェクトファイルを用意する必要はありますが、タッチパネルと同様の監視・制御をPC上から実施可能です。
実際の現場で機器の監視・制御に使用する事はもちろんですが、現場から離れた管理室での監視・制御、またハードウェアとしてのタッチパネルがなくとも動作の確認が取れるため、ソフトウェア開発中の動作確認においても大いに活躍します。
PC上で起動されるため、操作は基本的にマウスとキーボードでの操作になります。
三菱電機社はGT Soft-GOTシリーズ、キーエンス社はSoft-VTシリーズが用意されています。
図1. システム構成イメージ
三菱電機社のGT Soft-GOT、キーエンス社のSoft-VTはどちらもソフトウェアHMIで共通する特徴もありますが、メーカーが異なる事もあり特徴が異なる点もあります。 下記にそれぞれ共通の特徴と異なる特徴を記載します。
(1)ソフトウェアHMI用プロジェクトは作画ソフトからの流用が可能
(2)他社製PLCとも接続可能
(3)他アプリケーションとの連携が可能
(4)1台のPC上で複数起動が可能(※1)
(5)画面サイズの変更が容易
(6)ログ、収集データ等のファイル保存機能
(7)使用するためにはライセンスキーが必要
(1)同一プロジェクトを使用しての複数起動が可能
※Soft-VTは同一プロジェクトを用いて複数起動しようとした場合、「このプロジェクトは、他のアプリケーションで使用されています。」とメッセージが表示され起動できません。同じプロジェクト内容で複数起動したい場合は、プロジェクトを別ファイルでコピーした上でPLC通信条件のポート番号を重複しないよう変更する事で可能となります。
(1)ジェスチャ機能
(2)スライドタブ機能
(3)USBポート用ライセンスキー無しで起動可能(VT5-S1Lの場合)
ここまでGT Soft-GOT、Soft-VTの機能についてご紹介してきましたが、タッチパネルと同等の機能を有しているソフトウェアHMIでも、一部対応していない機能や制限されている機能もあります。以下に例をいくつかご紹介します。
GT Soft-GOT
Soft-VT
また、基本的にはタッチパネルと同等の動作になりますが、デザインや見え方、操作感等、タッチパネルと完全に同一ではありません。タッチパネルとソフトウェアHMIを両方同時に使用する際などには特に気になってしまう点もありますので注意が必要です。
導入を検討する際には各社で公開しているマニュアル等でご確認願います。
今回ご紹介したGT Soft-GOT、Soft-VTは下記環境で動作します。
GT Soft-GOTはGT Soft-GOT2000の動作環境を記載します。
項目 | GT Soft-GOT(2000) | Soft-VT |
---|---|---|
対応OS |
|
|
HDD 空き容量 |
|
|
ディスプレイ |
|
|
その他 |
|
|
表1. GT Soft-GOT2000、Soft-VTの動作環境
三菱電機社製GT Soft-GOTとキーエンス社製Soft-VTの比較という事で、2社のソフトウェアHMIについてご紹介しました。タッチパネルの操作経験や作画の経験はあっても、ソフトウェアHMIに触れた事のない方もいらっしゃるのではないでしょうか。導入のご参考になれば幸いです。
私は初めて触ったソフトウェアHMIがGT Soft-GOTでしたが、その後にSoft-VTを初めて使用した際も特段使いにくさや使用している上での違和感はありませんでした。
個人的な感想となってしまいますが、どちらのソフトウェアも使用しやすく、タッチパネルに近い見え方、操作感だと感じています。
SCADAを導入するまでは必要ないがPCベースで監視をしたい、ハードが故障した際の緊急用で用意しておきたい等、そういった場合は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、注意点として一部対応していない機能もあるとご紹介しましたが、基本的な機能は実装されているため導入出来ないようなケースは少ないと考えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(T.S.)
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