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複数箇所の設備を集中監視する場合、構内あるいは隣接した敷地であれば、MELSECNET(三菱電機:メルセックネット)やSYSMACLink(オムロン:シスマックリンク)などPLC各メーカのネットワークを利用する方法、もしくはEthernetを利用する方法が代表的な接続方法です。
では、遠隔地を監視する場合はどうでしょうか。
基本的には通信回線を接続することで実現可能ですから、一般回線を使用してのダイアルアップ接続のほかに、アナログ若しくはデジタルの専用回線を敷設し接続する方法、インターネット回線を利用する方法などが挙げられます。
それでは、それぞれの通信回線について、どういう場合にどの回線を選択するべきかを比較・検討してみます。
まずは各回線の比較結果をまとめた表を見てみましょう。
回線種別 | ||||
---|---|---|---|---|
一般電話回線 (ダイアルアップ) |
専用回線 | インターネット回線 | ||
比 較 項 目 |
回線速度 | アナログ:〜33,6kbps ISDN:64kbps |
アナログ:2.4kbps〜 デジタル:64kbps〜 |
DSL:〜数Mbps ISDN:64/128kbps |
応答速度 | ダイアルアップのため、時間が掛かる | 常時接続のため応答は早い | 同左 | |
回線の安定性 | とくに問題ない | 安定性が高い | 地域・時間帯によっては注意が必要 | |
イニシャルコスト | 加入権、モデム (特別な契約は不要) |
回線契約費用、敷設費用 モデム |
回線契約費用 プロバイダ契約費用 ルータなど接続機器 |
|
ランニングコスト | 接続時間による従量制 | 距離別の固定料金 | 速度別の固定料金 | |
拡張性 | 容易だが同時処理は不可 | 設備ごとに新規回線必要 | 設備側のみ契約が必要 | |
セキュリティ | 用途によって着信専用・発信専用などの対策要 | 対策不要 | VPNなどの対策が必要 |
これらの比較結果から、実際のケースを想定した場合の回線選択を行いたいと思います。
ケース1の場合は、特別な契約が必要なく、接続時間で従量制の【一般電話回線(ダイアルアップ)】が有効的です。
ケース2の場合は、接続時間に関係なく固定料金、セキュリティも容易に確保できる【専用回線】が有効的です。
ケース3の場合は、接続時間・距離に関係なく固定料金の【インターネット回線】が有効的です。
最後に、実際に当社の納入事例について紹介します。
浄水場や配水池など、複数の施設をテレメータで接続している監視システムを更新する計画がありました。制御盤やテレメータ機器が老朽化しており、メンテナンス性の向上が最初の目的でしたが、この機会により良い提案がもとめられました。テレメータ用にアナログ専用回線が敷設されていたことから、イニシャルコストを抑えるためにも、そのまま利用する方法を検討・提案しました。
各施設の監視対象となる信号は、それほど多くなかったため、高速な回線は必要ありません。
更新後のシステム構成図です。
各施設のPLCと監視室内のPLCをアナログ専用回線で接続して通信を行う方法です。
本設備はすでにオムロン社製PLCを使用していたことから、オムロン社製PLCを統一して選定。モデムは、設置環境からオムロン社製FAモデムを選定しました。
汎用の機器を使用することで、機器に対するメンテナンス性の向上も目的のひとつです。
PLCとモデム間は、シリアルコミュニケーションユニットを使用してRS232Cで接続しています。
また、オムロン社製のプロトコルマクロ機能で通信プログラムを汎用化し、ソフトウェア製作費を安価に抑えるようにしました。
監視室内のPLCに信号が集約するため、SCADAなどのPC監視システムの設計も容易になります。合わせて常時接続になるため、警報や機器の運転状況のリアルタイム監視が可能になります。
お客様からは、
既存設備の転用・更新の場合はもちろんですが、新規導入の場合に関しても、システムの用途や構成などをもとにして、最適な提案をソフテックでは行っております。
是非一度お問い合わせお願いいたします。
(K.N.)
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