HOME > ソフテックだより > 第506号(2026年9月16日発行) 現場の声編「AIを活用したソフトウェア開発」

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ソフテックだより 第506号(2026年9月16日発行)
現場の声編

「AIを活用したソフトウェア開発」

1. はじめに

私は入社5年目の技術者兼インフラ推進室員です。昨今、AIに関する話題を耳にしない日はありません。ChatGPTをはじめとする生成AIは世界中で急速に普及しており、OpenAI社によるとChatGPTやCodexの週間利用者数は10億人規模に達したとされています。AIはもはや一部の技術者だけのものではなく、多くの人が日常的に利用するツールへと変わりつつあります。
こうした大きな変化はソフトウェア開発を担う弊社においても決して無関係ではありません。むしろ、その変革の波の真っただ中にいると言えます。今回の「ソフテックだより」では、弊社のAI導入における歩みとその活用の模索に関してご紹介したいと思います。

2. ソフテックにおけるAI導入の歩み

ソフテックのAI導入の歩み

ソフテックでは2018年から経営品質目標(BSC)の中にAIに関する項目が盛り込まれるなど、早くからAI技術の動向調査や活用可能性について検討を続けてきました。特にGitHub Copilot、Claude Code、Cursor、Code Llamaといったコード生成AIについて強い関心を抱いており、性能面だけでなくデータプライバシーやセキュリティ面の課題も含めて継続的な調査を行ってきました。
2024年には、その中で有力な選択肢と考えられたGitHub Copilotの試験運用を開始。当初は試験導入という位置付けであったため、利用者を数名のモニター社員に限定し、実際の開発現場での有効性や課題の検証を行いました。(現在は運用を終了しています)
その一年後には、コード生成に特化したAIではなく、文書作成や検索支援といったより汎用的に活用できるAIとしてChatGPTの導入が検討されました。複数のプランを比較検討した結果、セキュリティ要件を満たすChatGPT Enterpriseプランの契約が決定し、昨年12月に全社員がChatGPTを利用できる環境が整いました。
これを契機にAI活用法の模索が社内で活発になりました。ChatGPT自体も新たな機能や関連サービスが次々と提供しており、活用の幅が日々広がっています。
例えば、2026年3月にはChatGPTの有料プラン向けに「Codex App for Windows」が追加されています。これにより開発プロセスの様相が変わってきています。また、2026年5月にはExcel上でChatGPTを利用できる「ChatGPT for Excel」が提供されるなどChatGPTを取り巻く環境はまさに日進月歩で進化を続けており、ソフテックも活用方法を模索している真っただ中にあります。

3. 活用例

ここでは、ChatGPTの有料プランで利用できる、コード生成に特化したAI「Codex」を活用したWindowsアプリ開発の一例をご紹介します。今回は、ローカルPCでユーザーがどのアプリを何分操作したかを集計・表示するアプリを新規に作成したいと思います。このアプリは、一日の業務内容を振り返るための利用を想定しています。

3-1. 製作

事前準備としてVisual Studioで空のプロジェクトを作成します。次にCodex App(※1)を起動し、作業場所として先ほど作成したプロジェクトを指定します。これで準備完了です。(プロジェクト単位でCodexの作業ルールや制限事項を決める場合はAGENTS.mdの作成が必要ですが今回は行いません)
早速、Codexに作成するアプリの要件を伝えます。最初は「目標モード」で実施したいことを伝えます。(目標モードは+ボタンから「目標を目指す」を有効化することで設定可能です)今回は画像のように指示してみます。

Codexへ指示入力

Codexが思考中となり、待つこと約10分。完成したものが以下になります。

Codexが作成したアプリ

完成したアプリはバックグラウンドで1秒周期に現在アクティブなウィンドウの情報を取得し、画面を更新する作りとなっていました。また、リセット機能やファイル保存機能まで実装されており、詳細な指示を与えなくてもここまで実現できることに、筆者自身も驚かされました。一方で、実際に動作を確認した結果、以下の点については改善の余地があると感じました。
・アプリ名としてプロセス名が表示されているため、一般的なアプリケーション名を表示したい
・集計対象から本アプリ自身を除外したい
・表示リストの各列でソートできるようにしたい
・1秒ごとの画面更新により、リストの選択位置やスクロール位置が先頭に戻ってしまう問題を修正したい
上記をそのまま修正依頼します。しばらくして出力されたものが以下になります。

Codexが作成したアプリ 修正依頼後

アプリ名とプロセス名が分割されて表示されるようになりました。そのほかの動作に関しても期待するものとなりました。

3-2. コードレビュー

次にCodexをレビューモードにしてコードの問題点を洗い出します。レビューモードではバグの影響が大きいものを[P1]、中程度のものを[P2]、軽微なものを[P3]以降で提示してくれます。今回は[P2]の指摘が2件ありました。今回想定している利用ケースから考えるとどちらも発生頻度の低い問題ですが、品質上は問題ありです。このように製作のたびにレビューを行うことで問題を都度解決していきます。

Codexのコードレビュー

4. 課題

今回、新規でアプリ開発する場合を例にとり、Codexを利用したアプリ開発をご紹介しましたが、実際の開発現場ではここまで容易にはいきません。
まず、出力されたコードが品質的に、あるいは可読性や保守性の視点から問題ないかを確認する必要があります。今回の例をとってみてもソースコード上には処理に関する説明コメントが一切ないので保守性の観点からは見直しが必要です。また、指示に含まれていない作業を自動で行ってしまうというのも問題になるケースが往々にしてあります。特に既存アプリの改修では既存コードとの一貫性や影響範囲を最小限にすることが求められるので、人の目でのチェックは欠かせません。

また、ChatGPTの利用上限の問題もあります。OpenAI社は今春、利用量の計測方法を変更し、「メッセージ送信回数」ではなく、「入力・出力されるデータ量」に基づいて利用枠を消費する仕組みとなりました。これにより、容量の大きなファイルや大量のテキストを処理させると、利用枠を大きく消費することとなります。利用枠の拡張には追加費用が掛かるため、AIへ渡す情報を絞るなど指示の仕方を工夫する必要があります。

5. さいごに

Codexを初めて触ったとき、こんなアバウトな指示でここまで出来るのかと驚きました。AI活用によりアプリ開発の早期化や少人数での開発が可能になるとひしひしと感じました。一方で、AIに大部分の実装を任せた場合、その品質や保守性をどこまで担保できるのかという課題も感じています。現時点では、開発のすべてをAIに任せる姿はまだ想像しにくいものの、10年後、20年後のソフトウェア開発がどのように変化しているのか興味深いところです。

6. おまけ

今回、紹介したCodex AppにはCodex petsという作業状況をマスコットキャラクターが教えてくれる機能があります。デフォルトでいくつかキャラクターが用意されていますが、/Hatch Petコマンドを利用することでオリジナルのキャラクターを作成することも可能です。私の場合、あらかじめChatGPTで写実的な白いリスの画像を生成。それをベースに/Hatch Petコマンドでキャラクター作成を行いました。作業時やドラッグ時にアニメーションされるので見ていて癒しになります。

Codex pets

(H.E.)

[注釈]
(※1)Codex App
Codexにはいくつかの利用形態があります。Webブラウザから利用するものやAPI経由で利用するものなどがありますが、本稿で利用するのはデスクトップアプリケーション版の「Codex App」です。Codex Appは、ローカルPC上のプロジェクトを参照しながらコード生成や修正を行えます。

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