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ソフテックだより 第474号(2025年5月21日発行)
現場の声編

「情報セキュリティ推進室の活動 〜八戸事業所LANケーブルとHUBの更新〜」

1. はじめに

ソフテックは社内に自前で構築した各種サーバーを設置しています。その管理と運用を行うのが「情報セキュリティ推進室」です。
ときにはトラブルが発生しますが、その対応も情報セキュリティ推進室が行っています。
このような取り組みによって少しずつですがネットワーク技術とノウハウが蓄積されており、結果としてお客様へ提供する技術力の向上につながっていると思っています。
今回は八戸事業所で2025年3月初旬に行ったLANケーブルとHUBの更新についてお伝えします。

2. 更新のきっかけ

更新のきっかけは2つあります。
1つは、本社側のLANケーブルが10Gbpsであるため八戸も同等かそれ以上にしたいと考えていたことです。
もう1つは、昨年発生した、インターネットへのアクセスが著しく遅くなる現象の原因の背景に、社内の通信量が増大していることが分かったことです。
以上からLANケーブルとHUBを現状の1Gbpsから10Gbpsの通信に対応するために更新しようと考えました。実に10年ぶりの更新となります。

3. 更新へ向けての先行検討

今回の更新は、八戸事業所のサーバーから各島(机が8個集まった場所を島と呼んでいます。図1にイメージ図を示します)へのケーブルとHUBを対象とします。
更新は業務への影響を少なくするために、できるだけ短時間で確実に行うのが理想です。そのため、ケーブルを敷設する経路・購買品の選定・具体的な作業手順などを詳細に検討しました。
このような事前準備をソフテックでは「先行検討」と呼んでおり、ソフトウェア開発、現地での作業、お客様との打ち合わせなど日常の業務でも意識して実践しています。
まず、ケーブル敷設のルートを検討しました。ソフテックのフロアはフリーアクセスのため床下に配線できます。検討の結果、現状と同じルートにしました。メンテナンスしやすいためです。
次に、購買品を検討しました。LANケーブルはコネクタにある爪の耐久性とケーブルが柔軟であること、長さが丁度よいものを基準に選定しました。
HUBは全ポートが10Gbps対応としたかったのですが、かなり高額でしたのでサーバーからのポートのみ10Gbpsとし、残りは1Gbpsのものを選定しました。費用と品質をバランス良く選定できたと思います。
発注から2カ月が経ち、ようやくすべての製品が納品されました。長い納期の背景にはリモートワークやAIブームなどによる高い需要の影響があるのかもしれません。
ここから作業日程や作業手順など作業内容を検討しました。
当時は社内が繁忙であったため、できるだけ短時間で終わらせること、作業中も社員の仕事への影響を少なくすることを加味して作業内容を検討し詳細にリストアップしました。
さらに当日の作業時間の精度を上げるため、新しいHUB1台とLANケーブル1本を繋いでみました。この確認により、 接続するポートの位置・設置する器具を取り付けるコツなどがわかり作業手順に反映することができました。
検討の結果、作業は4人でおこない、時間は余裕を含めて5時間で作業することとし、社内へアナウンスしました。

サーバーから各島への配線経路イメージ(水色の線がケーブルです。実際とは異なります)
図1.  サーバーから各島への配線経路イメージ(水色の線がケーブルです。実際とは異なります)

4. 作業当日

作業は土曜日の日中に実施しました。
作業は機材の開封などをする機材班とOAフロアのフリーアクセスを開けて線を引く班(以降「配線班」と記します)とにわかれて行うことにしました。
機材班は前の日に準備しておいた機材を次々に開封して各種シールの添付などを行っていきます。
並行して配線班がパネルを順番に外して配線する経路を確保し、古いLANケーブルとHUBを撤去していきます。
1時間ほどで新しいLANケーブルを引ける準備が整いました。
ここから新しいLANケーブルを引いていきます。 床下を通すため「ケーブルキャッチャー」と呼ぶ釣り竿のような機材を使います。
この機材を床におき、先端に LANケーブルをひっかけてから、引っ張っていきます。
これを数本やったところ、時間が予想よりかかりそうなことがわかりました。 そこで効率よく引っ張っていく方法がないか?話し合ったところ、ある社員から「ケーブルキャッチャーにたくさんのケーブルを養生テープで巻きつけ一気に引っ張っていく」案が挙がりました。
この方法でやったところ、作業時間が短縮され、予定より短時間で完了することができました。 さらにLANケーブルが並んだ状態で配線されたため見た目がきれいでメンテナンスがしやすい配線になりました。
最後に各島からサーバーへのアクセスが正常にできることを確認して、作業は終了しました。

ケーブルキャッチャーにLANケーブルを1本つないだ様子
図2.  ケーブルキャッチャーにLANケーブルを1本つないだ様子

サーバー側の作業の様子(一部画像を加工しています)
図3.  サーバー側の作業の様子(一部画像を加工しています)

5. 反省と改善

今回のLANケーブルとHUBの更新は、先行検討と作業中の工夫が功を奏し、予定通り完了しました。
月曜日の朝、出社した私は、いつもと変わらずみなが仕事をしている様子を見て、ほっと胸をなでおろしました。
しかし、数日後、デバッグ島(動作確認用の機材が置いてある島)にいた社員から通信できないと連絡がありました。
確認するとHUBの電源ケーブルがささっているように見えるがコネクタ内で浮いた状態となっており抜けていたためでした。
作業後の確認では問題なく通信出来ていたため、接続があまくなっていて徐々に抜けたのだと思います。
当日を振り返ると、電源ケーブルはきちんとささっていて当然と思っており確認する発想がありませんでした。
これを受け、全機器の接続状態を確認し、他には問題ありませんでした。
今回の件から「見た目だけでなく手で触って接続状態を確認する」、「当日だけではなく、数日後も確認する」という確認が必要だと気付きました。
今後はこのような「時間が経っても安定して使えるか」と言う観点も先行検討に含め、その確認をおこない記録に残すよう改善していきます。

6. おわりに

デバッグ島の失敗はありましたが、全体的には大きなトラブルがなく更新作業を終えられたと思います。これは事前の準備とチームでの工夫のたまものだと感じています。
今後は、今回の経験を活かしつつ、障害にさらに強いネットワーク環境を目指して取り組んでいく予定です。
これからも、自社内で対応する力を磨きながら、お客様への技術力提供につなげてまいります。

(N.K.)


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