「ソフテックだより」では、ソフトウェア開発に関する情報や開発現場における社員の取り組みなどを定期的にお知らせしています。
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私は、10月1日で入社から1年を迎える中途採用の契約社員です。社会人になって16年になります。ソフテックでは新卒採用をメインとしているため社員の中では例外的な存在です。そのため、すでに発行されたソフテックだよりの「現場の声編」において、[入社1年を振り返って(入社2年目の社員より)]に分類されているものには、新入社員としての経験を書いたものしかありません。
今回は、他社での業務経験をしてきた視点で、1年間を通してソフテックで仕事をしてきた中からソフテックの長所や短所として感じたことなどをお伝えしようと思います。私はもともとメーカーに勤務し自社製品開発中心に、ハードウェアよりの仕事をしてきました。このソフテックだよりの読者の方に製造業の方も大勢いらっしゃることでしょう。そのような方にもソフテックがどのような会社か、いままでのソフテックだよりとは別の視点からお伝えいたします。
私はソフテックのことをホームページの検索で探して知りました。確かGoogle(※1)の検索欄に「マイコン」「ソフトウェア開発」などの文字を入力して探したと思います。最近では、ほとんどの会社がホームページを持っていると思いますが、トップページに写真やグラフィックを使用していない会社はあまりないのではないでしょうか。派手さはありませんが、実直な印象を持ったのを覚えています。
その中でも、私が注目したのは、開発実績でした。1972年6月から始まる1番目から、当時は2007年9月だったので、660番目あたりまでながめて、これだけ長い期間の記録をすべてとっているのはすごいなと思いました。特にホームページに中途採用の募集などは出ていなかったのですが、採用担当者の方にeメールで連絡をとると面接を受けさせていただくことになりました。
入社前に四谷の本社に二度訪問しました。仕事場の様子は玄関を入ってから会議室まで歩く途中でチラッと見ることぐらいしかできませんでした。40人位の人がそれぞれのパソコンに向かってもくもくと作業をしていて、緊張感が漂っている感じがしました。入社後に実際に職場の中に入って仕事をしてみると、自分の作業に没頭していることも多いため特に緊張するようなことはありませんが、外から来た始めての方にとっては、親しみやすい感じはもたれないだろうな、と思います。後ほど、ソフテックの長所のところで述べますが、お客様がいらしたときやお帰りになるときの挨拶運動は、このような雰囲気を変えてゆくためにも大切だと思います。
以前より、ソフトウェアに関心はあり、個人的にも、業務としても少しずつ取り組んでいましたが本格的な経験はありませんでした。それでも今まで、新たなことにいろいろと挑戦してきましたので仕事内容での不安はあまりありませんでした。ホームページの開発実績をみて、この会社なら技術的なことにじっくりと取り組めるのではないかと考え、ソフテックで働こうと思いました。
写真1. ソフテック本社での業務風景
入社してほぼ一年が経過し、その間に感じたソフテックの長所・短所を書きたいと思います。
もちろん「報告・連絡・相談」はどの会社においても業務の基本ですが、その質と量に関してとても高いレベルが求められます。報告の届く範囲も直接の上司だけではなく、社内の大半の人に届くようになっています。以前に私がいた職場では報連相をそれほど求められることがなかったので、私は報告があまり得意ではありません。少しずつは良くなってきているとは思いますが、いまだに十分とはいえません。特に、読む人にとっては必要な情報が不足しているため、内容が正確に伝わらないことが良くあります。こういう訓練を新入社員のときから毎日受けているということはすごいことだと感じています。報連相に関してはソフテックだよりの第30号に詳しく紹介されています。
ソフテックではISO9001を2007年3月に取得しました。5Sにも委員会を作り最近積極的に取り組んでいます。挨拶運動も実施しています。挨拶運動とは朝夕の「おはようございます」「お先に失礼します」等の社員同士の挨拶だけでなく、お客様が来社されたときの「いらっしゃいませ」、お帰りになられるときの「ありがとうございました」などの挨拶もあります。なかなか飲食店のような元気のよい挨拶とは行きませんが、お客様は良い印象を持っていただけるようで、お帰りになるときに感心されるお客様もいらっしゃいます。
ISO9001も5Sも製造業の方にとっては特に珍しくもなく、当たり前のことかもしれませんが、それでも問題に対して何とかしようと取り組んでいる姿はすばらしいと思います。なにごとも突然上手になることはないので、あきらめずにいろいろな取り組みを継続してゆくことは大切なことではないでしょうか。ISOや5Sに関しても具体的な取り組みは過去のソフテックだよりで紹介されています。
ソフテックのようなソフト開発の会社では、経費の重要な部分を人件費が占めています。ソフトウェア開発にかかわる技術者の多くは管理職ではないために、賃貸料のような固定費を除くと、結局は時間≒コストといってよいでしょう。そのためソフテックの技術者は自分の時間を何の目的でどのくらい使用したのかを細かく記録していますし、毎月集計されています。また、それをだれでも見ることもできます。メーカーの製造部門では直接費としてこのような管理をしているでしょうが、間接費として扱われることの多い開発技術者は勤務時間の記録だけとっていることが多いのではないでしょうか。
私の経験してきた製造業ではコスト削減というと製品原価、消耗品などの経費、それからトータルでの人件費を考えると思いますが、一人一人がどの作業にいくら時間を使っているかまで把握している例はあまりないと思います。記録するほうの立場ではかなり大変なことですが、業務効率を考えると大切な視点ではないでしょうか。このような調査をしたことがない方は一度調査されてみるのもよいかと思います。思いがけない発見があることでしょう。
ここではソフテックにいて感じた短所を書きたいと思います。短所というよりも現状からこんな点が改善されたらもっと良い会社になるのではないかと感じたことといったほうが適切な言い方かもしれません。
請負業という業務の形態はどのような仕事をするかはお客様の依頼内容に依存する部分が多いため、自社製品を開発する場合と比べて”待ち”の姿勢になりやすい面があることは確かです。そのためかどうかははっきりとわかりませんが、若手の社員に自分はこういう仕事をしたいといった姿勢があまり見られないような気がします。短期的には仕事を選ぶことはできないかもしれませんが、実は長期的に見ると仕事は選べるのだと思います。
あることが得意になれば、徐々にそれに関する仕事が回ってくる確率が高くなります。それならば、自分のやりたいことを早く得意になってしまったほうが自分も会社もお客さんもみんなが喜ぶことにつながるのではないでしょうか。せっかく、技術者資格取得推進の制度などもソフテックには用意されているので、積極的に取り組む若手社員がもっと増えたらよいなと思います。たとえば技術者資格取得推進の制度に自分の望む資格が取り入れられていなかったら、推進室にお願いして資格を追加してもらうような積極性も大切です。まずは、学習のための時間を確保するのがよいと思います。
私の場合は毎朝5時起きるようにして、1時間ぐらいは毎日本を読むようにしています。朝起きるとコーヒーを入れて、ベランダのベンチに向かうことが習慣になっているため、特に努力を意識することなく時間の確保ができています。これで、今年は情報処理技術者試験のテクニカルエンジニア(エンベディッド)に合格することができました。新卒で入社した社員のみなさんも、おじさん(筆者のこと)に負けずにがんばってください。私も負けずにがんばります。
ソフトウェア開発という仕事は一人でパソコンに向かって黙々とキーボードの手を動かしたり、鉛筆を片手に考え込んでいたりすることが多いので、和気あいあいと仕事をするわけにもいきませんし、そんな様子で仕事をしていたら業務がまったく進まなくなってしまいます。しかし、会話などが少なかったとしても、職場の和やかさは仕事をしてゆくうえで大切な要素です。
最近、社員が精神的な病気にかかる会社が多くなっているとマスコミなどを通して伝わってきます。これに対する予防的な意味からも、本音を気楽に話せるような和やかな雰囲気がもう少しあると、もっと良い会社になるのではないかと感じています。挨拶運動なども取り入れてもっとよくしてゆこうという取り組みもあるのですが、今のところまだ十分に効果をあげられていないようです。
私の今までの経験では個人的なことをいろいろと話すと効果がありそうです。まだ、あまり人数は多くないのですが、出勤・帰宅時になどに子供のことや最近の休みの過ごし方を話しながら駅まで歩いた方とは、だいぶ親しくなれたような気がします。
もう少しすると、ソフテックで仕事を始めて1年になります。まだまだ私にとっては、ソフテックという会社のことも、ソフト開発についても、ソフテックのお客様のことも知らないことが多いので、ここに書いたことはある一面に過ぎません。それでも、読者の方にソフテックという会社のことが少しでも伝わり、理解を深めていただければよいなと思います。また、ソフテックの同僚のみなさんにも、外から見られたようすが伝わり、ソフテックをもっと良くすることにつながって欲しいと思います。
また、最近ではダイバーシティ(多様性)という言葉が注目されています。変化が多い時代に対応してゆくためには、均質的な組織よりも社員の多様な特徴を生かして行くことが大切だということだと思います。そういう意味で、私も今までの他社での経験をもっと生かして行けたらと考えています。
(Y.U.)
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