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稼働中の設備で使用しているネットワークスイッチが生産終了になったとき、後継機へそのまま置き換えても問題なく動作するのでしょうか。
工場や設備ネットワークでは、機器を一斉に更新できるとは限りません。故障した機器から順次交換する場合、既存機種と後継機種が混在する期間が発生します。
今回、私が対応した案件でも、Cisco製産業用スイッチの生産終了に伴い、後継機種への段階的な移行が必要となりました。しかし、両機種ではポート構成やSDカードの扱い、セットアップ方法などに違いがあります。
設定をそのまま移行できるとは限らず、冗長化ネットワークが正常に動作するかも事前に確認する必要がありました。
そこで、既存機種と後継機種が混在する環境を実機で構築し、設定方法と障害発生時のネットワーク復旧動作を検証しました。検証の結果、既存機種と後継機種を混在させたREP(※1)構成でも、光ファイバ断線後に通信経路が再構築され、ネットワークが復旧することを確認できました。
一方で、既存機種で行っていた「SDカード内のIPアドレスを変更して、複数台へ設定を展開する運用」は、後継機種ではそのまま使用できませんでした。そのため、後継機種ではWeb画面を使用して初期設定を行う運用に変更しました。
本稿では、その過程で判明した注意点と、実際に採用した移行方法をご紹介します。
※1 REP(Resilient Ethernet Protocol)は、レイヤ2のリング型ネットワークで高速な経路切り替えを行うCisco社独自プロトコルです。
2機種の外観はよく似ていますが、ポート配置やコネクタ形状などに違いがあります。主な相違点を以下にまとめます。
| 項目 | 既存機種 | 後継機種 |
|---|---|---|
| 前面イメージ | ![]() |
![]() |
| SFPポート(光通信用)※1 | PORT5〜6(緑枠部、右向き)※2 | PORT1〜2(緑枠部、左向き)※2 |
| LANポート(RJ45) ※1 | PORT1〜4(青枠部、右向き) | PORT3〜6(青枠部、左向き) |
| 入力電源 | DC-A,B:24VDC/2.1 Amp(赤枠部) | DC-A,B:24VDC/2.1 Amp(赤枠部) |
| SDカード | 1枚(黄色枠部) ※3 ※4 | 1枚(黄色枠部) ※3 ※4 |
| コンソールポート (メンテナンス用) |
RJ45 × 1 (黄色枠部) USB mini-B × 1(黄色枠部) |
RJ45 × 1(黄色枠部) USB micro-B × 1(黄色枠部) ※4 |
※1 既存機種と後継機種では、LANポートとSFPポートに割り当てられているポート番号が異なります。既存機種の場合は1〜4がLANポートで5〜6がSFPモジュールですが、後継機種の場合はポート1〜2がSFPモジュールで3〜6がLANになっています。
※2 SFPモジュールの装着方向が逆になるため、光ファイバの送信側と受信側の位置関係も上下逆になります。
※3 SDカードの規格は同じですが、SDカードに書き込まれるデータに大きな違いがあります。
※4 下部中央にあるネジ蓋の裏にあります。
スイッチ@(後継機種)、スイッチA(既存機種)、スイッチB(既存機種)でループを構成して以下の図のような検証環境を構築しました。

ネットワークが正常かどうかを確認するため、設定PCからスイッチ@〜Bへpingコマンドを1秒間隔で繰り返し送信するようにしました。
その後、光ファイバA〜Cを断線させたときの結果は以下のようになりました。
| 検証項目 | 操作 | 結果 |
|---|---|---|
| 後継機種−既存機種断線 | 光ファイバA切断 | ping応答を継続(ping応答が1回欠落するケースはあるが、その後復旧) |
| 既存機種−既存機種断線 | 光ファイバB切断 | ping応答を継続(ping応答が1回欠落するケースはあるが、その後復旧) |
| 既存機種−後継機種断線 | 光ファイバC切断 | ping応答を継続(ping応答が1回欠落するケースはあるが、その後復旧) |
| 再構築中の再断線 (※1) |
光ファイバA切断回復後、 光ファイバC切断 |
通信復旧まで約30秒を要する場合があった |
混在検証で最も調査に時間を要したのは、SDカードに関する仕様の確認です。
公開情報、マニュアルおよび実機の挙動を確認した結果、当初は「後継機種ではSDカードから起動できない」と判断していました。しかし、公式サイトにはSDカードへの保存に関する記載があり、公開情報と実機の動作に差異が見られました。
根拠が不明確な状態でお客様へ報告することはできないため、お客様を通じてCisco社へ正式に問い合わせました。Cisco社から提示された手順に従って後継機種を操作し、取得したログを複数回送付しながら調査を進めた結果、問題の解決までには約2週間を要しました。
最終的に、後継機種でもSDカードを使用できることが分かりました。ただし、既存機種と同じ運用はできなかったため、Web画面による初期設定を前提とした作業手順書を作成しました。
(K.S.)
シスコ産業用イーサネットスイッチ
(https://www.cisco.com/site/jp/ja/products/networking/industrial-switches/index.html)
Cisco製品のVisioステンシル ※ 既存機種と後継機種の図に使用
(https://www.cisco.com/c/en/us/products/visio-stencil-listing.html)
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