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三菱電機製PLCにて、装置PLCからデータを取得したい場合や、Modbus/TCPで装置やインバータ等からデータを収集したい場合、シンプルCPU通信を使用するケースは多いかと思います。
今回は、シンプルCPU通信についての紹介、Modbus/TCPでデータ取得を行う場合に対抗馬になる通信プロトコル支援機能の紹介と両者の使い分けについて整理します。
シンプルCPU通信は、PLC間や外部機器とのデータ通信をパラメータ設定のみで実現できる機能です。複雑な通信プログラムを作成することなく、エンジニアリングツール(GX Works3等)のパラメータ設定のみで、Ethernet上の他局や外部機器とデバイスデータを送受信できます。
シンプルCPU通信には下記の特徴があります。
シンプルCPU通信は三菱電機製PLC各シリーズのCPU内蔵EthernetポートおよびEthernetユニットで使用可能です。
表1.シンプルCPU通信の対応機種の例
| CPUシリーズ | 対応機種/ユニット |
|---|---|
| MELSEC iQ-R | CPU内蔵Ethernetポート |
| Ethernetユニット | |
| MELSEC iQ-F | CPU内蔵Ethernetポート |
| MELSEC-Q | CPU内蔵Ethernetポート |
シンプルCPU通信の対象機種(交信可能な相手機器)は、三菱電機製PLC各シリーズをはじめ、他社製PLCや標準プロトコル対応機器まで幅広く対応しています。
実際の対応可否は使用するCPUやEthernetユニット、対象機器の仕様により異なるため、導入時には最新のマニュアルを確認する必要があります。
表2.シンプルCPU通信で対応している代表的な他社PLCシリーズ
| 会社名 | PLCシリーズ |
|---|---|
| オムロン | SYSMAC CS/CJシリーズ |
| キーエンス | KVシリーズ |
| SIEMENS | S7シリーズ |
| 富士電機 | MICREX-SXシリーズ |
| ジェイテクト | TOYOPUCシリーズ |
| 横河電機 | FA-M3シリーズ |
| パナソニック | FPシリーズ |
| 安川電機 | MPシリーズ |
表3.対応している標準プロトコル
| シンプルCPU通信対応通信プロトコル |
|---|
| SLMP |
| Modbus/TCP |
2026年3月現在、シンプルCPU通信で他社PLC、Modbus/TCP通信が可能な機種、ユニットの対応状況については下記の通りです。
表4.CPUシリーズ/ユニット別 シンプルCPU通信対応一覧
| CPUシリーズ | 機種/ユニット | 対応機種 | |
|---|---|---|---|
| 三菱PLC | 他社PLC Modbus/TCP | ||
| MELSEC iQ-R | CPU内蔵Ethernetポート | ○ | × |
| Ethernetユニット | ○ | ○ | |
| MELSEC iQ-F | CPU内蔵Ethernetポート | ○ | ○ |
| MELSEC-Q | CPU内蔵Ethernetポート | ○ | × |
| Ethernetユニット | × | × | |
ここまでシンプル通信について紹介しました。
一見、万能そうに見えるシンプルCPU通信ですが、使ってみるとデメリットも見えてきます。ここではシンプルCPU通信のメリット・デメリットについて紹介します。
シンプルCPU通信は名前の通り、設定周りはシンプルですが、設定のみで構成できるが故のデメリットがあります。
特にCPU内蔵EthernetポートとEthernetユニットで通信可能な機器が異なる点については導入時に確認が必要です。
弊社ではModbus/TCPを使用して装置等からデータ収集を行うことも多いです。
その際にシンプルCPU通信との対抗馬に上がるのが通信プロトコル支援機能です。
この機能は、相手機器が指定するプロトコルに合わせて、電文の作成や送受信を簡単に行うための機能です。
通信プロトコル支援機能は通信ごとにフォーマットを設定し、その設定番号を読み出すことで通信電文を作成します。通信電文はPLCのデバイスを指定することができます。
通信プロトコル支援機能ではエンジニアリングツール(GX Works2,3など)で、相手の仕様に合わせた電文フォーマットをあらかじめ登録します。
作成した設定をユニットに書き込み、プログラムから専用命令を実行するだけで、登録したプロトコルが呼び出され、通信が開始されます。
電文変更の自由度が高い通信プロトコル支援機能ですが、やはりこちらにもデメリットが存在します。
ここでは通信プロトコル支援機能のメリット・デメリットについて紹介します。
通信プロトコル支援機能はシンプルCPU通信とは異なり、取得アドレス、取得点数等をデバイスから指定することが可能な為、プログラム側で取得アドレス、取得点数の値を指定していれば、プログラムの変更のみで設定を変更することが可能です。
一方で通信プロトコル支援機能の設定はプロジェクトとは別ファイルで設定を保存する為、プロジェクトの他に、通信プロトコル支援機能の設定ファイルも書き込む必要があります。
以下にシンプルCPU通信と通信プロトコル支援機能を比較した表を示します。
表5.シンプルCPU通信と通信プロトコル支援機能の比較
| 項目 | シンプルCPU通信 | 通信プロトコル支援機能 |
|---|---|---|
| 実装方法 | パラメータ設定のみ | 専用ファイルでの定義+プログラム実装 |
| オープン・クローズ | 自動管理(ユーザ制御不可) | ユーザ制御可能(命令実装が必要) |
| 通信制御 | 不可 | 可能(タイミング・順序の制御可) |
| エラー処理 | 限定的 | リトライ・復帰処理を実装可能 |
| 柔軟性 | 低い | 高い |
| 開発工数 | 少ない | 多い |
| 向いている用途 | 簡単な通信・短期立ち上げ | 多台数・多電文・制御が必要な通信 |
先でシンプルCPU通信と通信プロトコル支援機能、それぞれのメリット・デメリットについて紹介しました。
ここでは、それらを踏まえて用途ごとの使い分けについて整理します。
以上、シンプルCPU通信の概要およびModbus/TCP通信におけるシンプルCPU通信と通信プロトコル支援機能のメリット・デメリット、その使い分けについて整理しました。
シンプルCPU通信は簡易に通信を実現できる一方で、通信制御や設定面において制約となる点もあります。通信内容や通信台数、運用条件に応じて適切な通信方式を選択することが重要です。
(S.O.)
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