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私はソフテックに入社して29年目の社員です。私は弊社が開発したSCADAであるFAVIEWを使用したシステムに関わることが多いですが、
最近ではzenonを使用したシステムにも関わる機会が増えてきました。
zenonはCOPA-DATA社が提供する工場向けのソフトウェアプラットフォームです。
機器からのデータ収集はもちろん、ユーザー管理機能や誰がいつどのような操作をしたのかという監査証跡機能を備えており、
DI(※1)への対応を実現することができるシステムとなっています。
zenonはグラフィック機能、トレンド機能、アラーム機能等いろいろな機能を備えていますが、今回はアラーム機能をご紹介したいと思います。
(※1)データインテグリティの略。情報処理などの分野で使われる用語で、データ(ソースデータ:原資料)がすべて揃っていて、欠損や不整合がないことを保証することを意味します。
zenonではアラームの発生や復帰などの情報は、アラームメッセージリスト(AML:Alarm Message List)に記録されます。AMLは改ざん不可能なバイナリ形式となっています。
AMLには、発生日時、復帰日時、確認日時、確認ユーザー、アラーム/イベント グループ、アラーム/イベント クラス、変数名、アラーム発生時の値、単位等が記録されます。
また、AMLに記録されたアラーム情報をアラーム履歴等の画面にリスト表示することができます。
リミット値を設定すると、変数の値がリミット値に設定された値を超える(または下回る)ことを検知できます。
通常このような判定は、リミット値をPLCに渡してPLCで判定させるというようにPLCと組み合わせて行いますが、zenonではPLCと組み合わせなくてもzenonの設定だけで判定させることができます。
zenonのリミット値の機能を利用して、アナログ値の変数にリミット値設定を行うことで、
例えば温度が一定の値を超えたり、一定の値を下回ったりしたときにzenon単体でリミット値の逸脱判定を行い、アラーム発報させることが可能となります。
図1. リミット値の設定例
また、動的リミット値を設定することで、リミット値を固定値ではなく、変数にすることができます。
リミット値の変数の値を画面で変更できるようにすることで、ユーザーが自由にリミット値を設定することができます。
図2. 動的リミット値の設定例
zenonには、アラーム/イベント グループとアラーム/イベント クラスというアラームを分類する設定があり、変数ごとに設定することができます。
アラーム/イベント グループの設定をすることで、アラームをグループ分けすることができます。
例えば設備単位でグループ分けする、エリア単位でグループ分けするという設定ができます。
アラームリスト画面でアラーム/イベント グループでフィルターをかけて、設備ごとやエリアごとにアラームを表示させることができます。
また、アラーム/イベント クラスを設定することで、アラームに重要度を設定することができます。
アラーム/イベント クラスごとにアラームリスト表示の文字色を変えることができます。
重要度が高いアラームは文字色を変えて、アラームリスト画面で重要度が高いアラームが発報したことを見た目でわかるようにできます。
図3. アラーム/イベント グループの設定例
図4. アラーム/イベント クラスで色(赤色)を設定した場合のアラーム表示例
また、レポート集計する場合、アラーム/イベント グループでフィルターをかけて集計すれば、グループごと(設備ごとやエリアごと)のレポートを作成することが可能です。
ファンクションを使用することでアラーム発生時にメール通知することができます。
メールを受信できる環境があれば、遠隔地などで手元にzenon端末がなくてもアラーム発生を確認することができます。
ファンクションについては、ソフテックだより第417号「zenonの開発ノウハウについて〜プロジェクト編〜」の4-1-3. ファンクション/スクリプトを参照ください。
今回はzenonのアラーム機能についてご紹介しました。
ご紹介した内容は、別途ソフトウェアを作成することなく、すべてzenonの設定だけで実現することができます。
私はまだzenon習得を始めたばかりです。
社内ではすでにzenonの構築ノウハウを集積していますので、私自身zenonの他の機能も早く習得して、お客様に満足いただけるシステムを提案できるようになりたいと思います。
(S.K.)
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