HOME > ソフテックだより > 第206号(2014年3月19日発行) 現場の声編「入社1年を振り返って(実務を通して感じてきたこと)」

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ソフテックだより 第206号(2014年3月19日発行)
現場の声編

「入社1年を振り返って(実務を通して感じてきたこと)」

1. はじめに

私は、2013年4月に入社して、もうすぐ2年目になります。
入社当時は、あまりパソコンに関する知識やスキルがなく、行う仕事すべてが初めてで戸惑うことばかりでした。これから紹介することはそんな1年間を振り返り、私が携わってきた仕事で感じたことや反省点について紹介していきます。

2. この1年で行った実務作業について

これから、紹介する内容以外にもいろいろなことを経験してきましたが、今回、紹介するものはこの1年で何度も経験してきた作業について紹介していきます。

2-1. パソコン、FAVIEW、PLCのセットアップ

入社当時の私はパソコンに関係する知識が全く無かったため、まずはこれから扱っていく機器についての知識をつけることも兼ねてパソコン、FAVIEW※1、PLC※2のセットアップ作業を行いました。
構成としては、パソコンにFAVIEWのソフトをセットアップし、パソコン(FAVIEW)とPLCが通信します。

パソコンとPLCの構成例
図1. パソコンとPLCの構成例

パソコン→PLC→FAVIEWのセットアップが一連の流れになっており、パソコンのセットアップを頼まれたら、FAVIEWが正常に起動できることの確認まで行います。時々、PLCの準備が出来ていない場合(ソフトが開発中、PLCのユニットがないなど)もありますが、その時は、データベースの設定を「PLCとの通信を行わない」設定に変更してPLCがない状態でもFAVIEWを起動できるようセットアップします。

各機器のセットアップを行った最初の頃は、手順ばかりを覚えていて、そのように設定した理由を覚えていませんでした。インストールするソフトの設定は、案件ごとに設定が異なる場合があります。そんな時に、設定した理由を分かっていれば、どのように設定するかがわかり、先輩社員に確認するだけで、次の作業に移ることが出来ます。そうしたことをどんどん積み重ねて、自分のものにしていくために何度も、セットアップ作業を行っています。

2-2. FAVIEW画面の作成

この1年は、主にFAVIEW画面の改造を行ってきました。
FAVIEW画面はいくつかのビットマップ画像から成り立っていて、画面の基礎となる背景、各部品の絵があり、それらをグラフィックビルダーというソフトを用いて、FAVIEW画面を作成しています。
私が画面作成を担当した案件のシステムの構成や監視画面の中に、それぞれの部屋の温度や湿度、差圧などを監視する画面があり、その画面から部屋のつながりなどを覚え、次の作業で活かそうと考えて作業をしているつもりでしたが、思うように覚えることが出来ませんでした。
うまく覚えられない原因は、作業をしていて、ここがどういった動きをする部屋なのかと疑問を持ち、先輩社員に質問することが出来ていなかったからです。その度に、先輩社員に「なぜ、聞かないのか」「疑問に思わないのか」と指摘を受けています。
FAVIEW画面がどういった仕組みで出来ているのかを覚えても、なぜ変更するのかといった仕事の理由を知らないままで作業を続けていたため何度も、似たようなことでミスをしています。
こういったミスを減らすためにも、なぜ変更するのかを理解したうえで、作業を行っていくようこれからの作業で努力していくつもりです。

FAVIEW画面の作成(一部)
図2. FAVIEW画面の作成(一部)

2-3. 帳票の作成

帳票機能はマイクロソフトの「Access」というソフトを用いて、PLCが動いている時に取得したデータをデータベースから読み込み、指定した日付のデータを印刷イメージで表示します。
Accessを使った帳票の作成は、今までWindowsのソフトでWordとExcel、PowerPointしか使ったことがない私にとって未知の作業でした。
はじめは、ただ表示画面のデザインを変更、その表でデータの集計をするための計算式を追加しましたが、帳票がどういう仕組みで動いているかをしっかりと理解していないまま、作業をしていました。
今も、帳票の動きを全て理解しているわけではありませんが、多少は理解してきていると思います。
それでもまだ、操作で分からない部分や理解しきれていないことが多々あるので、できるだけ数をこなして理解する努力をしていきます。

帳票画面(一部)
図3. 帳票画面(一部)

3. 入社後初めての出張について

入社してから約半年が過ぎて、初めての出張を経験しました。
出張の目的は主張先のパソコン、PLCの更新とそれに伴い、各施設のI/Oチェック(模擬入力で信号を発信して、FAVIEWで信号を表示できているかの確認をします)を行い、更新後の動作に問題がないかの確認を行うことです。
初めての出張で私は何をすればいいのかわからず、移動の時からずっと先輩社員の後をついて回っていました。出張先に着いてからは一度ホテルに宿泊して、次の日に現場へ向かいました。現場へ着いたら、まず始めに工場の決まりごとについて講習を受け、その後から出張目的の業務に入りました。最初は先輩社員が1度、目の前でパソコンを新しいものに更新して、作業手順を教えてもらった後に、他の部屋のパソコン更新を担当しましたが、現場は普段作業している環境とは違い、他社の方々も出入りしているため、他社が用意しているケーブルを踏みつけたりしないよう気を配りながら作業をしていました。
他にも、部屋ごとに電話が備えつけられており、その電話対応も行っていました。これまでも、何度か電話対応してきましたが、現場での電話の取次ぎは大変でした。まず、設備が動いている状態のため、周りはうるさく、しかも、クリーンルーム内でマスクをしているので、大きい声を出しても聞き取りにくく近くまで行かないと聞こえない。そして、どの人が電話の取次ぎ相手かわからないため、取次ぎ相手を探すのも大変でした。
パソコン更新後は、各設備のPLCがまとめて置いてある部屋に行き、PLCの更新を先輩社員が行っているのを見学した後、更新したパソコンのI/Oチェックを行いました。I/Oチェック時、トランシーバーなどを使い、確認しているパソコンの信号表示の有無を連絡するのですが、私は、トランシーバーの電源を入れ忘れていたため、連絡を取ることが出来ませんでした。また、携帯電話を手元に置いていなかったために、先輩社員との連絡が取れずに、迷惑を掛けてしまいました。現場では、離れて作業をすることがあるので、そういった時にすぐに連絡が取れるように準備することは当たり前だと学びました。
この出張で終始先輩社員の後をついて回り、先輩社員の作業を見学し、その後に同じような作業を行っていました。今は、何をすればいいのかわからず、作業内容を教えてもらいながら作業をしていますが、早く指示されるだけで作業の内容を理解して、作業を進められるよう頑張ります。
初めての出張は、緊張の連続で大変だったというのが一番の感想ですが、それでも、知らない場所に行けることは、それだけで楽しいのでとてもいい経験になりました。

4. この1年を振り返って

入社してからのこの1年を振り返り、「もう1年が経つのかぁ」という感想が出てきます。この1年間の作業のほとんどが初めてで、覚えることがたくさんあり、1日1日が過ぎていくのがとても速く感じ、1年なんて本当あっという間に過ぎてしまうなぁと感じています。

入社したころの私は、パソコンに関する知識が全然ないため、先輩社員から作業の方法やなぜそうするのかなど教えてもらいましたが、それらをしっかりと理解することが出来たとは言えませんでした。いくつかの作業を通して、やっと先輩社員が何を伝えたかったのかを理解することが出来ました。それでも、まだ、理解が足りていないことはあります。それでも、新入社員だからで、注意だけで済んでいましたが、4月からは、後輩が入社し、私も先輩社員の1人になります。もう、「新入社員だから」という言い訳も使えなくなります。これまで以上に責任を持って行動すると共に、反省すべき点は改善していくよう努めていきます。

5. 2年目の目標

1年目は、足りない知識を蓄える1年だったと思います。
4月からは、入社2年目として要求されることがレベルアップしていきます。そうしたときに、「分からなかったから、出来ませんでした」とならないよう、分からなかったら反省し、その場で覚えるよう努力をしていきます。
作業の内容で、正しいと思って変更した部分が実は間違っていることも、何度かありましたので、細かい部分で報告・連絡・相談をして、間違った変更をしないように気を付けます。
最後になりますが、今、行っている作業で精一杯で別の事を考える余裕がありませんでしたが、
仕事の中で余裕を持つことを意識して、今、行っている作業とは直接関係ないことでも、分からないことがあれば周りの人に相談して自分から知識を得る努力をしていきます。

拙い文章でしたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

(M.T.)

[注釈]
※1 FAVIEW:
弊社製のプロセス監視ソフト。PLCとの通信ソフト、データ収集ソフト、画面表示ソフトなどの複数のソフトで構成されており、それらを用いて対象設備の監視や制御などを行います。
※2 PLC:
Programmable Logic Controllerの略であり、シーケンス制御をプログラムで実装することが出来ます。

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