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HOME > ソフテックだより > 第178号(2013年1月23日発行) 現場の声編「ソフテックの入社前研修を担当して」

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ソフテックだより 第178号(2013年1月23日発行)

現場の声編

「ソフテックの入社前研修を担当して」

1. はじめに

ソフテックでは、入社の内定した学生を対象に、入社前研修を行っています。この研修では、新入社員が大学の専攻やソフト作成の経験に依らずソフト開発業務に携わることができるよう、内定者の時間を頂戴し、技術的な勉強をしていただいています。今回、仕事配分の都合や後輩を指導するという勉強目的から、私が入社前研修を担当する機会がありましたので、その感想を入社前研修内容と併せてご紹介したいと思います。どうぞ最後までお読みくだされば幸いです。

2. 入社前研修の紹介

まず、入社前研修についてご紹介します。ソフテックだより第96号「ソフテックの新入社員研修」やソフテックだより 第168号「ソフテックの新入社員研修 〜失敗から学んだ報連相の重要性〜」では、研修を受けた新入社員の体験談も述べられていますので、併せてご覧いただければ幸いです。

2-1. 研修内容

研修内容は、ソフテックが指定した図書を読んでいただき、それに基づく設問を解いていただくものです。課題図書は、近年は以下の4冊を用いています。

  1. 「ソフトウェア開発」(小泉寿男、辻秀一、吉田幸二、中島毅、オーム社)
  2. 「コンピュータアーキテクチャ」(馬場敬信、オーム社)
  3. 「プログラムはなぜ動くのか」(矢沢久雄、日経BP社)
  4. 「プログラミング言語C」(B.W.Kernighan、D.M.Ritchie、石田晴久訳、共立出版)

設問内容は、いずれも上記書籍に基づき、ソフテック社員が作成したものになります。主に以下のようなカテゴリに分けることが出来ます。

  1. コンピュータ技術(CPU、メモリ、ハードディスク、OS、通信技術等)に関する入門レベルの内容
  2. 要求分析、見積り、開発、試験項目作成手法、プロジェクト管理など、ウォータフォールモデルに基づくソフトウェア開発工程に関する内容
  3. 変数、関数、演算子、ポインタ、配列、構造体など、基本的なC言語のコーディングに関する内容

ご覧のとおり、入社前研修で扱っている内容は、ソフトウェアエンジニアとしての基本的な知識になります。ソフテックでは、各個人が技術を磨くことに力を入れており、上述の内容は、ソフテックの技術者としてもその基礎となる知識と言えます。ソフテックの新入社員は、この研修を踏まえ、さらに入社後研修やOJT(On-the-Job Training)等を行い、スキルに合わせながら徐々に仕事に慣れていくことになります。

就活生の方がご覧になれば、「大変だなあ」と感じられるかもしれません。一方、これだけの内容を押さえていただくことで、「入社後仕事についていけるだろうか?」と心配になることは少なくなると思います。ある意味、入社後に対する不安を解消する手段の一つにもなるかと思います。

2-2. 研修の実施方法

入社前研修では、人材育成を業務とする企業に委託したり、e-learningを用いた通信教育を使用したりする場合があります。しかしながら、その方法では内定者の学習状況を内定先企業が把握し難いという欠点があると思います。そのため、ソフテックではこのような方法を取らず、ソフテック社員と内定者とが直接やりとりする形で研修を実施しています。

ソフテックの入社前研修では、IBM社の「Lotus Notes」というアプリケーションを使用しています。(図 1)Notesについての詳細は、ソフテックだより第19号「グループウェアLotus Notes」をご覧ください。Notesはソフテックの社内業務でも使用していますので、研修の利便性はもちろん、内定者がNotesの操作に慣れていただくことも研修の目的になっています。

入社前研修のイメージ
図1. 入社前研修のイメージ

内定者は、インターネットに接続した自宅PCから研修用のデータベースを通じて、設問の解答や研修担当者への連絡を行います。研修担当者は、それを確認して採点や返答を行ったり、時には電話などの手段も使用したりして、内定者の研修をサポートします。インターネットを使用しますから、内定者の居住地に関わらず、研修を受けることができます。もちろん、内定者の方々には、事前にPCの所有状況や、インターネットの接続状況などを伺い、内定者全員が同じ研修を受けられるように調整しています。

このような研修の実施方法ならば、研修の外部委託やe-learningに比べ、研修担当者の負担は大きくなると思います。しかし、研修担当者が各内定者と直接コミュニケーションをとれるということは、研修の進捗管理やモチベーションの維持に大きな優位性があると、私は感じています。特に、内定者側からすれば、「この問題について質問したい」という時に、スムーズに質問出来ないということは、研修を進める上での障害になります。私自身は、研修担当者の手厚い支援で入社前研修をなんとか終わらせたのですが、もしソフテックの入社前研修が外部委託やe-learningという方法で運営されていたら、最後まで解答できなかったと思います。

2-3. 進捗報告会

研修状況の確認をするために、内定者には定期的にソフテック本社までお越しいただき、進捗報告会を開催しています。Notesでのやりとりではお互いの表情までは見ることが出来ませんので、報告会は大切な時間です。報告会では、内定者が研修や入社に際して疑問・不安に思っている点の対応や、高難度の問題の解説等を行っています。内定者の研修状況に合わせてテーマを決定していますので、過去の議事録を見ると毎年異なる内容が扱われています。

また、この報告会は、内定者同士が顔を合わせる機会にもなっています。研修を進める上で、お互いが教え合ったり、もしくはお互いがライバル意識を持ったりすることもあります。

3. 研修担当者の役割

上述の研修を管理、運営するのが研修担当者の役割です。本章では、進捗管理、解答の採点と解説、そして進捗報告会の運営にわけて、私の印象を踏まえてご紹介します。なお、設問は過去に作成済みでしたので、今回私が新たに作成することはありませんでした。

進捗管理は、研修全体のスケジュール管理です。スケジュール自体は内定者に決めていただきますが、実際の進捗に遅れが発生しそうな場合には、研修担当者がサポートを行う必要が出てきます。ただ、内定者の一番の仕事は学業ですから、研修のせいで学業がおろそかになってしまうのは本末転倒です。「研修を進めてください」と一言言うのは簡単ですが、内定者の抱えている事情を考慮した上で、研修へのモチベーションを上げてもらう必要があります。これは、私自身、非常に難しいと感じた点でもあります。
ちなみに、研修へのモチベーション管理には、興味や目的意識が必要不可欠だと思います。とはいえ、「入社したら役立つから研修に取り組んでください」というのは漠然としていて、学業が仕事の内定者にはなかなか実感がわかないのではと思います。そのため、私の場合は、具体的に仕事のどこにで役に立ったかということも説明に加えました。

解答の採点は、地味に時間のかかる作業です。解答内容は内定者の書籍に対する理解状況を反映しており、内容を理解しているのか、単にミスをしただけなのかがすぐにわかります。書籍の内容を理解していただくために、あの手この手を考える必要があります。図 2は入社前研修データベースの例で、課題解答と採点がどういった形式で行われているかを示しています。実際の研修では、データベース上の各設問に対して内定者が解答を書き込み、研修担当者がそれに返信を行うという手順で行っています。高難度の設問では、このやり取りが10回以上続く場合もあります。

<B>入社前研修データベース</B>
図2. 入社前研修データベース

進捗報告会の運営では、限られた時間で何を扱うか、題材を考える必要があります。また、内定者の状況を確認し、適宜サポートする必要があります。内定者の時間を頂戴してお越しいただくわけですから、話すべきことや確認しておくべきことをリストアップし、あとあと「時間を無駄にした!」ということにならないように注意しています。

4. 担当して感じたこと

これまで研修内容と、研修担当者の役割をご紹介してきました。ここでは、実際に研修を担当してみての所感を3つご紹介したいと思います。

1つめとして、実は私が入社前研修を担当するのは今回初めてで、担当を任されるまで研修担当の役割など深く考えていませんでした。そのため、「自分が入社する前に先輩があんなことしていたな」と思い出したり、「あの状況で自分ならこうする」と自分なりのエッセンスを加えたりしながら、ここまで進めてきています。しかしながら、どうしても手探り感は出てしまい、この点については常々申し訳ないなと感じています。

2つめとして、知識的な面で、頭の中では理解していてもそれを的確に説明できないことが多々あり、それを改善したいと感じました。私はまだ経験の浅い社員ですが、それを免罪符にすることはできませんので、事前準備で念入りに情報を整理することで補う必要があります。私があやふやなことを言ってしまうと、内定者が余計不安を感じてしまいますので、知識に裏打ちされた強い指導力を身に着けたいと感じました。このことは、お客様とお話しする際も同じであると思います。

3つめとして、採点や解説を書く時間が必要になったので、一日の作業量が増えてしまいました。しかし、研修担当者とは、内定者がこれから入社する会社の一番身近な社員ですから、自身の仕事の忙しさを理由に、事務的でそっけない対応にならないように心がけました。一方では納期のある仕事を持っているわけですから、当然そちらも疎かにできません。結果としては、やはり知識を蓄え、仕事の効率性を求めるのが一番かなと感じています。

5. おわりに

今回、初めての担当ということもあり、反省点や、もっとこうしたいと感じる点がたくさんありました。内定者の方に勉強してもらうのが目的の研修ですが、実は私のほうがいろいろ勉強させていただいている気分です。私もこの入社前研修を受けた際には、相当苦戦して先輩社員に迷惑をおかけした思い出がよみがえります。しかしながら、その経験が、今の研修担当という立場での気持ちの持ち方に好影響を与えているようにも感じます。本研修担当は、内定者の配属先が決まり、そちらの方に引き継ぐまでです。引き続き、務めていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

(Y.T.)


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