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私は入社6年目の社員です。学生時代に思い描いていた社会人6年目はバリバリ仕事を一人で仕事をこなしているイメージでしたが、現状の私はまだまだ半人前で、叱られることや失敗することも多くありますが、日々成長できるように奮闘しています。今回、本メルマガでは昨年度私が担当した開発案件を通して感じたことを書いていきたいと思います。
昨年私は、市販のSCADA(*1)を使用した新規開発案件を担当いたしました。案件規模としては中規模システムで、SCADA、タッチパネル、PLCとの組み合わせで監視制御を行うシステムでした。以下に簡単なシステム構成図を記載します。
この案件で、私は設計から現地調整(*2)までを担当しました。開発自体は複数人で行ったのですが、お客様との工場検査や現地調整は私がメインで担当しました。この案件で一通り開発するまでは3,4ヶ月で対応しましたが、工場検査や現地調整を行い、最終的に案件が終わったのは着手してから約1年近く経った頃でした。これだけ長い期間にわたって携わり、新規の案件で、最初から最後までメインの担当者として対応することは私自身初めてのことでしたので、非常にいい経験ができ、学ぶことの多かった案件であったと思います。
今までの私は派生開発が多く、派生開発となると既設システムの理解から始めなくてはいけなく、新規の開発とは少し違います。派生開発では工場検査や現地調整の際には改造前のシステムを作成した先輩社員と一緒に行くことが多くあり、その際は担当のお客様との連絡は先輩社員にやってもらったり、現地を知っている先輩社員に頼りがちになったりしてしまいます。この案件ではお客様との連絡、やり取り、現場での対応など、苦労したことと同時に、今まで私自身が先輩社員と一緒に現地に行くことで、先輩社員に頼っていたことを痛感しました。
この案件は工場検査がトータルで3週間、現地調整が2週間という比較的長い案件でした。工場検査(*4)中には修正点や不具合、改善点などもあり、ただ見てもらうだけではなく、「どのように動いた方がいいのか?」など確認しながら進めることになり、変更が入る場合は、お客様には時間を頂き、修正、確認をします。ここではただお客様の言われた通りにするのではなく、「どのような動きにしたいのか?」「どのようなことを懸念しているのか?」などを伺い、考えながら、どう変更していくのか提案していく必要があります。工場検査ではただ見てもらうだけではなく、どう動いているのか説明することが一番大事だと気づきました。
この案件はソフテックで作成したシステムの、上位側にも別の会社が作成した端末(アプリケーション)があり、上位側と通信し、上位側の指示を受け、ソフテックで開発したシステムが動くようにする必要がありました。その上位との現地での通信試験には、相手機器と通信していることを確認することはできるのですが、PLCから下回り部分の装置は運用期間外であり、動かすことが出来ず、いろいろと検討し、試験に臨む必要がありました。この時、「どんな試験ができる環境にあるのか?」「試験ができない環境なりにどう試験を進めるか?」「実運用をどこまで想定した確認ができるのか?」など確認し、できる範囲での最大限、実運用に近づけることで現地の試験を行いました。現地調整を始める前からどんどん変わっていく現場の状況に対し、現場の状況確認をし、状況に応じて、どのように試験を行っていくか、お客様と話をして、進めていくのに苦労したことを覚えています。 また、現地で試験に入ってからも、他社作成アプリケーションとの通信により、すんなりとはいかないことがありました。ここに関しては事前に確認しておけば、防げたものもあり、他社製品との通信には気をつけなくてはいけないことを改めて感じました。以下に記載する問題点のひとつになり思います。
この案件では問題もいくつか出してしまいましたが、何とかやりきることができました。この案件を通し、多くのことを学びました。
○問題点
・ソフト開発は不透明なもので周りにはわからない、見えにくいこと。
○対策
ソフト開発というものは目に見えにくいものであり、不透明なものです。ついつい作業に集中してしまい、状況説明が出来ていないと、お客様を不安にさせ、不信感へとつながります。そうならない為にも、状況説明が大事になります。また、動きに関してもお客様にソフトの動きを見ていただくだけではなく、そのような動きにした理由など説明が必要です。現在見えていない部分であるソフトの制御がどうなっているのか、問題がある際は何に問題があるのか説明をしっかりと行うことで、お客様も状況を把握できることで安心してもらえます。お客様への「報連相」も高いレベルで求められ、「報連相」はソフテックの経営理念に入っており、重要視されています。
○問題点
・通信相手との始めての組み合わせ試験が現地になり、そこで認識違いが発覚してしまうと、取り返すのに時間がかかる。
○対策
この案件のように現地調整で通信相手との組み合わせ試験を始めて行うというような場合は、送るデータまで、ある程度認識を合わせておくことが必要だと感じました。この通信相手との通信仕様書はありましたが、実際にマップの取り方などに認識違いがあり、現場で修正をしました。このような状態にならないためにも、事前にどのような内容でのやり取りになるのかくらいの認識合わせはしておいた方がよかったと感じています。
今回のような中規模案件を初めて最初から最後までメインで担当でき、大変な時期、苦労や、失敗もありましたが、振り返ってみると、今までで一番達成感、やりがいのあった案件だったと思います。また、工場検査はお客様の会社で実施しました。
お客様の会社での作業となると緊張感があり、社内作業に比べると精神的に疲れます。しかし、期間的にも長かった為、休憩中などにはプライベートな話もできるようになり、距離も近づいたかと思います。そのような関係を築けたことで仕事も進めやすくなり、より一層達成感、喜びを感じられたものと思います。 今後もより良いシステムを作れるようにがんばりたいと思います。
最後まで拙い文章をお読みいただき、ありがとうございました。
(S.S.)
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