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ソフテックだより 第36号(2007年2月21日発行)
現場の声編

「ISO9001認証取得、そして継続的改善に向かって」

ISO9001認証取得に関するソフテックだよりとして、第22号(※1)、第28号(※2)と二つのソフテックだよりをお送りしてきましたが、ついに2007年3月に認証取得の目処が立ちました。
認証取得の目処が立ったからといって、ISO要求(※3)と実務の利便性を兼ね備えた完璧な品質マニュアルが完成したわけではありませんし、社内にISO要求と品質マニュアルが完全に浸透したというわけでもありません。
今後も品質マニュアルの改善を行い、ISO要求・品質マニュアルの浸透を図っていくことにより、ISO要求に記載されているように継続的改善を行っていくことが非常に重要になります。

そこで今回のソフテックだよりでは「ISO9001認証取得、そして継続的改善に向かって」として、

  1. ISO要求・品質マニュアルの社内への浸透
  2. 管理責任者として、どの視点に立つか?
  3. 内部監査の継続的実施

の現在私の頭を悩ます三項目について書いていきたいと思います。

1.ISO要求・品質マニュアルの社内への浸透

第28号ソフテックだよりにて「社内への品質マニュアルの周知、徹底の手段」として、内部監査員セミナーを毎年何人かに受講してもらい、内部監査員セミナーによって品質マニュアルの徹底を図ると書きました。
今後の一つの方法として、内部監査員を増やしていくことによりISO要求・品質マニュアルを社内へと浸透させることは実施する予定ですが、内部監査員セミナーを受講してもらうだけではあまり浸透に繋がらないと考えています。
ソフテックでは内部監査員になるための一つの条件として、外部の内部監査員セミナーを受講することが条件となっていますが、内部監査員セミナーをどんどん受講してもらい内部監査員を増員するだけではISO要求・品質マニュアルの浸透にはなりません。内部監査員セミナーの受講はもちろん大切ですが、やはり実際に内部監査を行っていくことによりISO要求・品質マニュアルの浸透が行われると考えます。
しかし、内部監査員を増員し、しかも全内部監査員にそれなりに経験を積んでもらうとすると、時間がかかってしまいます。

内部監査員を増やしていく事とは別に、ISO要求・品質マニュアルの浸透に貢献できることはなにもないのか?
ISO要求・品質マニュアルの浸透というよりは品質マニュアルで求めている記録文書の作成を浸透させるといった意味合いが強いですが、現在実施を検討している方法が一つあります。
それはプロセスフローの作成です。(前置きが長かった割に、ごくごく普通の方法です)
品質マニュアルを覚えるほど熟読したり、作業の度に該当箇所を探して読まないまでも、どんな記録が必要なのか?次になにをすべきかが分かる資料として業務フローが欲しいという要望が社内から挙がっていたのですが、つい認証取得の作業を優先してしまい後回しになっていたものです。現在の品質マニュアルには業務フローとして大まかな仕事の流れと、その際に作成すべき資料を記した物はあるのですが、これをもう少し細かいプロセス単位でフロー図を作成したいと思います。
例えば現在の業務フローで「出荷」という一項目で終わっているところを、出荷プロセスとし、出荷検査→合否判定→不適合処理→バックアップ→出荷といったようにする予定です。

2.管理責任者として、どの視点に立つか?

現在 管理責任者(ISO推進の責任者)という役割を任せていただいており、品質マニュアルに沿って実務を行う際に色々質問されることがあるのですが、「ISO要求・品質マニュアル厳守」の視点と、「実務優先」の視点で揺れ動いてしまうことがあります。

例えば「ISO要求・品質マニュアル厳守」の視点を重視したときの利点と欠点にはどんなものが考えられるかというと、

利点 :
色々悩まずにISO要求や品質マニュアルを見て返答できる。
欠点 :
品質マニュアルに沿わせるために、実際の業務での必要性は低い品質マニュアルのためだけの作業が多発してしまう。
欠点 :
品質マニュアルにあるから作る、なければ作らないというマニュアル一辺倒な仕事になってしまう恐れがある。

次に「実務優先」の視点を重視したときの利点と欠点にはどんなものが考えられるかというと、

利点 :
実務が今まで通りスムーズに進められる。
欠点 :
認証取得する前となにも変わらず、品質向上されない恐れがある。
欠点 :
品質マニュアルは存在し、色々取り決めてあるがほとんど実施されていない形だけの品質マニュアルになってしまう。

こうやって各視点の利点欠点を並べてみると、どちらか一方の視点に立つのではなく、ケースバイケースに程良く各視点に立つ必要があることが分かります。
自分で書いていて、「やっぱりそうなのか」と思い安心もしましたが、「ケースバイケースで!」と簡単に言うことはできても、実践はなかなか難しいです・・・
「ISO要求・品質マニュアル厳守」の視点と、「実務優先」の視点でのギャップを少しでもなくせるように、品質マニュアルと実務の双方に継続的改善を加えていきたいと思います。

3.内部監査の継続的実施

ソフテックの品質マニュアルでは内部監査の開催頻度を年二回と定めていますが、半年に一回という周期では前回得た経験を次回まで覚えていることも難しくなってしまいます。記録として残しておいても「あー、そういえばそうだった」となってしまい、せっかくの経験が生かされなくなってしまう恐れがあります。
特に最初のうちは社内へのISO要求・品質マニュアルの浸透も不足しており、内部監査員も初心者で試行錯誤しながらの内部監査となります。
そこで、社内へのISO要求・品質マニュアルの浸透と、内部監査員の勉強のためにも回数を品質マニュアル記載より増やし、隔月実施にしようと計画しました。

・・・正直に告白します。実際にやってみるまで内部監査を舐めていました。

初めての内部監査を昨年の末に行いました。二日間かけて8人に対して行ったのですが、二日間 内部監査員の通常業務はほぼ完全に停止してしまいました。
最長では1人の内部監査に6時間もかかってしまいました。
初の内部監査ですから、時間がかかるだろうとは予想していましたが、想像以上です。

  • 隔月実施とはしましたが、何月何日にやるとまでは決めていないなかった。
  • 想像以上に時間がかかったことのインパクトが強かった。

といった事が影響し、なかなか次の内部監査予定の検討に踏み切れませんでした。
そうこうしているうちに、隔月開催であれば2ヶ月後に実施していなければいけないのですが、2ヶ月半以上過ぎてしまいました。
初回から約3ヶ月後の日程で開催しようにも実施まで期間がなく、結局初回から4ヶ月後に実施することを計画しました。

今回は前回ほど時間がかかることは無いと思いますが、二日間指定しそこで集中的に行うと、通常業務がほとんど停止してしまうことから、2週間ほどの期間を設けて、この間に実施してもらうように計画しました。

ISO9001認証取得の目処はつきましたが、今後は実施していく上での問題が色々発生しそうです。これらの問題を解決し、継続的改善を行うことにより品質向上を目指していきます。

(S.T.)

[注釈]
※1
ソフテックだより 第22号 2006年7月19日 現場の声編「ISO9001認証取得に向かって」
※2
ソフテックだより 第28号 2006年10月18日 現場の声編「ISO9001認証取得に向かって2」
※3
ISO要求と表現していますが、正確に言うと、ISO9001を翻訳した日本工業規格であるJISQ 9001の品質マネジメントシステム−要求事項を指しています。

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