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ソフテックだより 第382号(2021年7月21日発行)
現場の声編

「ソフテックの災害対策」

1. はじめに

私は入社6年目になる本社勤務の社員です。先日も豪雨による土砂災害が起こるなど日本は自然災害が絶えず発生しており、組織規模や業種に関係なく様々な企業で災害対策の強化を実施しているようです。そこで今回は、ソフテックの災害対策についてご紹介したいと思います。

2. 東日本大震災の経験

ソフテックの災害対策のお話をする前に、私の東日本大震災での経験を書きたいと思います。
青森県出身の私は、震災時は高校生で、八戸市内の学校で授業中でした。地震直後に授業は中止となり、徒歩圏内の生徒は帰宅、それ以外の生徒は学校の方針で家族が迎えに来た場合に帰宅ということになりました。先生の指示で生徒は一斉に家族に連絡を取り始めたのですが、電話もメールも通じないうえ携帯電話でのインターネットアクセスもできない(極端に遅い)状態で、連絡が取れるまでの間は校内で待機することになりました。
学校で待機している間は、停電と断水により、トイレ使用不可で水が飲めない状態でした(この時に暖房や照明がどうなっていたか記憶がないのですが、気にならないほど連絡を取ることに必死だったのだと思います)。
その後、ほとんどの生徒が家族と連絡が取れないことが分かったことから、「徒歩圏内」の範囲を広げることになり、私はその対象範囲内に自宅があったため1時間ほど歩いて帰りました。幸運にも運動部だったため、靴はスポーツ用の動きやすい靴を履いており、1時間歩いても足の疲れはありませんでした。
自宅で困った点は、食べ物がほとんど家にない状態だったことでした。近所のコンビニやスーパーの食料品は既に売り切れており、自宅から少し離れた大型スーパーでやっと缶詰数個を手に入れて2日間ほど過ごしました。

3. ソフテックの災害対策

前項で震災時に困ったことを上げましたが、ここでソフテック(本社)が現在行っている災害対策をご紹介します。

●災害対策グッズの常備
ソフテックでは、本社勤務の社員に「白い小箱」という1日分の食料(非常食3食分と水1.5リットル)が入ったボックスが配布されています。その他に予備として500mlの水のペットボトルを段ボール1箱分用意しています。また、ウェットティッシュやレスキューシート、簡易トイレも常備しています。
1日分の用意としていることには理由があります。被災直後はパニック状態になるものの、2日目以降は比較的冷静になれるそうです。そのため、1日目のパニックを緩和するために1日分の用意となっています。また、2日目には自宅に帰る想定ということもあります。
震災時にトイレ使用不可や食料が少ないという経験をしたので、個人的には1日分だけでも対策がされているのは非常にありがたいです。
なお、八戸事業所に関しては、社員が車通勤で、帰宅困難になる状況は考えにくいという理由から、社内に非常食を備蓄していません。

●借用品の耐震対策
ソフテックだより314号でもご紹介していますが、本社・八戸共通で、お客様からお借りしている機材が地震で破損しないよう、また倒れた機材で二次災害が発生しないように、借用品管理室が中心となって耐震対策を実施しています。大きな借用品については、固定ベルトを用いるなどして転倒しないようにしています。また、本社は2020年に事業所を移転した際に、借用品管理棚を壁に固定させました。

●業務情報のバックアップ
ソフテックではLotus Notes(現在はHCL Notes。以下ノーツ。)というグループウェアを使用しています。お客様から頂いた情報なども基本的にはノーツで管理しています。ノーツの情報は自社サーバーで管理していますが、本社のサーバーと八戸事業所のサーバーで相互バックアップしています。東京と八戸という離れた場所にバックアップされることで、万が一どちらかの地域で大きな被害が出ても情報を守ることができます。

●エレベーターの対策
こちらはソフテックの対策というわけではなく、ソフテック本社が入っているYOTSUYA TOWERの災害対策になりますが、エレベーター内に非常食等が準備されています。出退勤時にエレベーター内に閉じ込められた場合も安心です。

4. 災害対策の課題

ソフテックでは前項の通り災害対策を実施していますが、課題も残っています。

●連絡網の整備
休日や出張中・出勤途中など、社外で被災した際に、通信機器が使用不能だった場合の会社との連絡手段をルール化できていません。
インターネットも電話もメールも使えないとなると、事前に決めたルールに従うことになります。会社に向かう途中で被災した場合、そのまま会社に向かうのか?向かった結果会社に入れなかった場合はどこに集まるのか?などのルールは決めておく必要があります。本社に関しては、移転して間もないこともあってこの辺りがルール化されていませんので、今後の課題です。

●空調/温度管理
本社の空調は、ビル管理となっています。ビルには停電用に非常用自家発電機が備わっていますが、空調は電気の他にガスが関連しており、ガス供給が止まると空調も換気も停止するようになっています。そのため、ガス供給が止まった場合に本社は温度管理ができません。毛布や電池式のサーキュレーターなどの準備があると良さそうです。

●靴の確保
会社内で被災した場合、ソフテックはスーツ通勤のため革靴で行動することになります。革靴でも問題はないと思いますが、災害用の靴はあって損はありません。

電車が止まっているだけで道は安全という場合はスニーカーのような動きやすい靴があると良いですが、現状会社としては用意できていません。徒歩で何時間も歩く場合に革靴より疲れにくいというだけの理由ですが、災害直後の対応をしたストレスやパニックで疲れ切った状態での帰宅になることが想定されるので、必要な場合は個人で用意している状況です。震災時はソフテック近辺でも徒歩移動の人が多くいたようです(図1参照)。

震災時のソフテック本社近辺の様子
図 1 震災時のソフテック本社近辺の様子(通常時より歩行者が多い)

また、本社の社員は23区外から出勤している人も多くいて、電車が止まった場合には徒歩での帰宅が困難になる場合があります。その場合は会社に待機することになる可能性が出るため、豪雨や道に瓦礫などがある場合に備えて防災シューズや安全靴といった丈夫な靴があると良さそうです。安全靴については、お客様の工場に出張する際に必要になることがあるため、数個用意されています。

5. おわりに

災害対策にかける費用や時間は、災害が起きなかった場合は無駄になってしまうことがあります。それでもいつ災害が起こっても対応できるように、ソフテックでは定期的に社員が災害対策について検討しています。社員の安全はもちろんですが、お客様から頂く情報や機材に対する安全確保の方法も検討の対象です。これらを最終的には事業継続計画(BCP)としてまとめられるようこれからも活動してまいります。

(T.H.)


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