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ソフテックだより 第301号(2018年3月7日発行)
技術レポート

「GT Soft-GOT/Soft-VTの比較」

1. はじめに

昨今、FA/PA分野では機器の制御・監視をするための操作表示盤として、タッチパネルが非常に多く使用されています。
しかし、タッチパネルは設備付近に設置される事がほとんどで、離れた場所から画面を確認する事ができません。また、複数個所からの監視・制御を実現したい、システム開発時に動作確認を実施したい、といった際には都度必要台数のタッチパネルを用意する必要が出てきます。
これらの問題を解決する方法の一つとして、過去のソフテック便りで三菱電機社製の「GOT Mobile機能」(ソフテックだより第271号『GOT Mobile機能』)についてご紹介しておりますが、今回は三菱電機社製、キーエンス社製のPC上でタッチパネルの機能を実現するソフトウェアHMIについてご紹介し、2つのソフトの機能比較を実施したいと思います。

※HMI:Human Machine Interface

2. ソフトウェアHMIとは

ソフトウェアHMIはPC上でタッチパネルと同様の監視・制御を実現できるソフトウェアです。
PCとPLCを接続し、ソフトウェアHMIのインストールとソフトウェアHMI用のプロジェクトファイルを用意する必要はありますが、タッチパネルと同様の監視・制御をPC上から実施可能です。

実際の現場で機器の監視・制御に使用する事はもちろんですが、現場から離れた管理室での監視・制御、またハードウェアとしてのタッチパネルがなくとも動作の確認が取れるため、ソフトウェア開発中の動作確認においても大いに活躍します。
PC上で起動されるため、操作は基本的にマウスとキーボードでの操作になります。

三菱電機社はGT Soft-GOTシリーズ、キーエンス社はSoft-VTシリーズが用意されています。

システム構成イメージ
図1. システム構成イメージ

3. GT Soft-Got、Soft-VTの機能について

三菱電機社のGT Soft-GOT、キーエンス社のSoft-VTはどちらもソフトウェアHMIで共通する特徴もありますが、メーカーが異なる事もあり特徴が異なる点もあります。 下記にそれぞれ共通の特徴と異なる特徴を記載します。

3.1 2社共通の特徴

(1)ソフトウェアHMI用プロジェクトは作画ソフトからの流用が可能

タッチパネル用に作成したプロジェクトであっても、変換(機種変更)のみでソフトウェアHMIで使用可能です。変換(機種変更)は作画ソフトの機能で実施可能です。

(2)他社製PLCとも接続可能

2社とも他社製PLCとの接続が可能です。
ただし、対応メーカーが2社で多少異なりますので、他社製PLCとの接続を検討されている場合はマニュアル等で対応機種を確認する必要があります。

(3)他アプリケーションとの連携が可能

画面上に他アプリケーション起動用のボタン等を配置する事で、他アプリケーションを起動する事が可能です。また、アプリケーション起動時に引数を渡して起動する事も可能です。
(例えば、Excelを起動し、パラメータをExcelファイル上で編集・保存、保存したExcelファイルからパラメータを読み出しといった事も可能となります)

(4)1台のPC上で複数起動が可能(※1)

ソフトウェアを複数起動する事で2台分、3台分…と1台のPC上で複数台分の起動が可能です。
例えば、2台の装置の監視・制御を1台のPC上で実施する事が可能になります。

(5)画面サイズの変更が容易

タッチパネルですと画面サイズは機種で決まってしまいますが、ソフトウェアHMIでは画面サイズの変更が可能です。2社で変更可能な画面サイズに多少の違いはありますが、どちらも用途に応じて画面サイズが容易に変更可能です。
GT Soft-GOTは全画面表示時の画面サイズを320×240〜1920×1200までのサイズを1ドット単位で任意の値を設定可能です(画面自体の拡大、縮小は行いません)。Soft-VTは全画面表示の際のサイズは変更できませんが、「ウィンドウに合わせてサイズを拡大/縮小」設定を使用する事で、ウィンドウ表示の際にウィンドウサイズに合わせて画面自体を自動で拡大/縮小して表示する事が可能です。

(6)ログ、収集データ等のファイル保存機能

操作履歴やアラーム履歴、収集したモニタリングデータ等はタッチパネルでもSDカード等の外部メディアに保存可能ですが、ソフトウェアHMIでも同様に保存可能です。
ソフトウェアHMIでは保存ファイル名や保存件数に関してはタッチパネルと同様の仕様ですが、保存先が外部メディアではなく仮想ドライブ(エクスプローラー上のフォルダ)になりますので、SDカード等の容量を制限されず(PCの記憶容量に依存はしますが)大量のデータを保存する事が可能です。

(7)使用するためにはライセンスキーが必要

2社とも使用するためにはライセンスキーが必要となります。
ライセンスキーがない状態で監視を開始した場合、GT Soft-GOTは2時間で、Soft-VTは3分間で ソフトを終了します。
基本的にはUSBポート用ライセンスキーを使用しますが、Soft-VTに関しては2種類の方法があります。(3.3項にて説明します)

 

3.2 GT Soft-GOTのみの特徴

(1)同一プロジェクトを使用しての複数起動が可能

3.1項の(2)で複数起動が可能な旨を記載しましたが、GT Soft-GOTでは同一プロジェクトを用いての複数起動が可能です。
2台起動して、1台はフロー画面や設定画面、もう1台は操作画面を開く事で、設定やフローを確認しながら操作する、といった使い方が可能です。

※Soft-VTは同一プロジェクトを用いて複数起動しようとした場合、「このプロジェクトは、他のアプリケーションで使用されています。」とメッセージが表示され起動できません。同じプロジェクト内容で複数起動したい場合は、プロジェクトを別ファイルでコピーした上でPLC通信条件のポート番号を重複しないよう変更する事で可能となります。

3.3 Soft-VTのみの特徴

(1)ジェスチャ機能

マウスのクリック操作でページ切替やメニュー表示を実施可能なジェスチャ機能が搭載されています。左クリック長押しでページ切替画面もしくはシステムメニューを表示する事ができます。
(機能の有効無効やどちらを表示するか、長押しの秒数等は作画ソフトにて設定可能です)

(2)スライドタブ機能

Soft-VTはスライドタブ機能に対応しています。
スライドタブにメニュー等を用意しておく事で、ページ切替がスムーズに実施可能です。
また、ヘッダー・フッターと違い普段は隠しておけるため、ページにスペースがなくても問題ありません。

(3)USBポート用ライセンスキー無しで起動可能(VT5-S1Lの場合)

WEBによるアクティベーションを実施する事で、USBポート用ライセンスキーが無くても使用可能です。USBポートが用意できない場合にはこちらを使用する事で使用可能です。

4. ソフトウェアHMI使用上の注意点

ここまでGT Soft-GOT、Soft-VTの機能についてご紹介してきましたが、タッチパネルと同等の機能を有しているソフトウェアHMIでも、一部対応していない機能や制限されている機能もあります。以下に例をいくつかご紹介します。

GT Soft-GOT

  • モバイル画面表示
  • 画面ジェスチャ機能
  • USBメモリ (SDカードは仮想SDカードフォルダで使用可能)
  • PLCとの時刻同期は三菱電機社製PLCの対応機種のみ可能
    ただし、PCの時計データを使用しているため、PC時計データを通知/変更します。
  • Soft-VT

  • USBメモリ (SDカードは仮想SDカードフォルダで使用可能)
  • PLCとの時刻同期はSoft-VT⇒PLCのみ可能
  • また、基本的にはタッチパネルと同等の動作になりますが、デザインや見え方、操作感等、タッチパネルと完全に同一ではありません。タッチパネルとソフトウェアHMIを両方同時に使用する際などには特に気になってしまう点もありますので注意が必要です。
    導入を検討する際には各社で公開しているマニュアル等でご確認願います。

    5. 動作環境

    今回ご紹介したGT Soft-GOT、Soft-VTは下記環境で動作します。
    GT Soft-GOTはGT Soft-GOT2000の動作環境を記載します。

    項目 GT Soft-GOT(2000) Soft-VT
    対応OS
    • Microsoft Windows XP以降(※2)
    • Microsoft Windows 10
    • Microsoft Windows 8(8.1含む)
    • Microsoft Windows 7
    HDD
    空き容量
    • インストール時:5GB以上推奨
    • 実行時:500MB以上推奨
    • 200MB以上
    ディスプレイ
    • 使用するプロジェクトの解像度に合わせた解像度を選定願います。(※3)
    • High Color(16bit)以上
    • 使用するプロジェクトの解像度に合わせた解像度を選定願います。(※3)
    • High Color(16bit)以上
    その他
    • USBポートが必要(ライセンスキー用)
    • USBポートが必要(ライセンスキー用)(※4)
    • Microsoft DirectX 9.0c以上に対応した  VRAM256MB以上のビデオカードが必要

    表1. GT Soft-GOT2000、Soft-VTの動作環境

    6. おわりに

    三菱電機社製GT Soft-GOTとキーエンス社製Soft-VTの比較という事で、2社のソフトウェアHMIについてご紹介しました。タッチパネルの操作経験や作画の経験はあっても、ソフトウェアHMIに触れた事のない方もいらっしゃるのではないでしょうか。導入のご参考になれば幸いです。

    私は初めて触ったソフトウェアHMIがGT Soft-GOTでしたが、その後にSoft-VTを初めて使用した際も特段使いにくさや使用している上での違和感はありませんでした。
    個人的な感想となってしまいますが、どちらのソフトウェアも使用しやすく、タッチパネルに近い見え方、操作感だと感じています。
    SCADAを導入するまでは必要ないがPCベースで監視をしたい、ハードが故障した際の緊急用で用意しておきたい等、そういった場合は導入を検討してみてはいかがでしょうか。
    また、注意点として一部対応していない機能もあるとご紹介しましたが、基本的な機能は実装されているため導入出来ないようなケースは少ないと考えます。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

    (T.S.)

    [参考]
    GT SoftGOT2000 Version1操作マニュアル(SH-081193)
    GT SoftGOT1000 Version3 操作マニュアル GT Works3対応(SH-080844)
    ソフトウェアHMI Soft-VT ユーザーズマニュアル
    ※執筆時点(2018/03)で参考にしたマニュアルになります。
    導入を検討される際にはメーカーより最新のマニュアル等を取得願います。
    [注釈]
    ※1
    起動台数の制限は定められていませんが(GT Soft-GOTは4台同時までの起動を推奨しています)、複数起動する事で動作が遅くなる可能性があるためご注意願います。
    ※2
    対応EditionやService Packの詳細については三菱電機HPをご参照願います。
    http://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/hmi/got/pmerit/sgt/index.html
    ※3
    対応解像度について
    画面解像度は作画ソフトウェアで設定します。対応解像度は以下の通りです。
    GT Soft-GOT:640×480 〜 1920×1200(横6段階、縦5段階から選択)の範囲で選択可能です。
    Soft-VT   :WVGA、SVGA、WSVGA、XGA、WXGA、SXGA、Full HDから選択可能です。
    より小さい解像度の表示をしたい場合は、ウィンドウサイズを変更する事で画面サイズにフィットした表示をする事が可能となります。
    (GT Soft-GOTは全画面表示サイズを320×240から1ドット単位で設定可能ですので、320×240 ドットまでのサイズはこちらの機能でも対応可能です)
    ※4
    VT5-S1Lの場合はWEBによるアクティベーションを実施する事でUSBポートは不要となります。

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