HOME > ソフテックだより > 第268号(2016年10月19日発行) 現場の声編「就職活動中と入社後のソフテックに対する印象の変化」

「ソフテックだより」では、ソフトウェア開発に関する情報や開発現場における社員の取り組みなどを定期的にお知らせしています。
さまざまなテーマを取り上げていますので、他のソフテックだよりも、ぜひご覧下さい。

ソフテックだより(発行日順)のページへ
ソフテックだより 技術レポート(技術分野別)のページへ
ソフテックだより 現場の声(シーン別)のページへ


ソフテックだより 第268号(2016年10月19日発行)
現場の声編

「就職活動中と入社後のソフテックに対する印象の変化」

1. はじめに

私は2016年4月入社の青森県・八戸市出身の新入社員です。今回のソフテックだよりでは、ソフトウェア開発を仕事にしたいと思い就職活動を行っている学生の方や、その過程でソフテックに興味を持っていただけた方に少しでも参考となるよう、就職活動中と入社後で感じたプログラマ(注1)という仕事に対する印象、ソフテックという会社に対する印象の変化についてそれぞれ綴りたいと思います。最後までお読みいただければ幸いです。

2. 就職活動中の印象

2.1 ソフトウェア開発業界への志望動機

まず私がソフトウェア開発業界を志望した理由からお話しします。私は出身大学が教育大学で、教員免許(高等学校教諭一種免許状(情報))の取得を目指す学科に在籍していました。そのため、情報系の知識が無いというわけではありませんでしたが、教育に関する法律や教育方法論、心理学といった学校教育分野の授業と情報系の授業をほぼ半々の割合で受けており、情報系の授業も社会情報学やマスメディア学など広く浅く「情報」を学んでいたため、情報工学を専門的に勉強していたわけではありませんでした。

そんな私がソフトウェア開発業界に就職しようと思った理由は二つあります。一つは大学でのプログラミングの授業でプログラミングが面白いと思ったこと、という漠然としたものです。もう一つは、日本だけでなく世界的にプログラミングを義務教育段階で必修化するという動きがあるため、教育とプログラミングの双方を学んでいる人間が教育業界にもソフトウェア開発業界にも必要だろう(注2)、そして双方を学んだ人はほとんど教育業界に就職してしまうだろうから私はソフトウェア開発業界に就職しようという、恥ずかしながら、私の自意識過剰な感情も混じった、やはり漠然としたものでした。

2.2 業界・プログラマへの印象

上記のように漠然とプログラマになりたいと思っていたからか、業界・プログラマへの印象は、毎日PCに向かってひたすらプログラムを作成するという非常にざっくりとしたものでした。また、これは私の完全な偏見ですが、プログラマというとPC以外に興味はなく、休日も自宅でPCを使用していて、あまり話をしない無口気味の人が多いというイメージがありました。

私は就職活動中にソフテック以外に十数社のソフトウェア開発業者の会社説明会に参加しましたが、説明の中に必ずと言っていいほど「お客様の提案と開発担当の作業との間を取り持つ営業担当の苦労話」「営業担当が技術的・時間的に無理な要求をしてくることがあるという開発担当の苦労話」を聞きました。その話を聞いて「営業担当とのやり取りもあるのか」と思いましたが、業界やプログラマへの印象事態は変わりませんでした。

そんな中、営業部のないソフテックという会社を見つけ、一体どうやってお客様から仕事をいただいているのだろうという興味が湧き、会社説明会にエントリーしました。

2.3 ソフテックへの印象

会社説明会へ参加するため、初めてソフテック(八戸事業所)へ行った時の印象は「静か」でした。ソフテックでは会社説明会の際に社内見学も同時に行っていますが、社内見学をしたときは説明の声と機器を動かす音、キーボードを叩く音だけが聞こえるという状態でした。正直なところ、私語を話さないということなら納得できますが業務に関する話も聞こえないのはどういうことだ?と思いました。会社説明会や過去のソフテックだよりでLotus Notes(ノーツ)を使って社内コミュニケーションをとり報告を行っていると知り、すべての報告を口頭ではなく文字でやり取りしているのかと(実際は違いましたが)思ってしまいました。前述の通り、私はプログラマというと無口な人という偏見があり、これもプログラマならば致し方ないのかなと思ったりもしました。一次面接で再度八戸事業所を訪れた際は、ずっと会議室で筆記試験や面接を行っていたため「静か」という印象は変わりませんでした(八戸事業所は下の写真の通り会議室と作業スペースとが離れています)。

八戸事業所の様子

八戸事業所の様子
図1. 八戸事業所の様子

写真右側の扉が開いている部屋が面接会場入り口です。
写真中央、扉が開いていて明るい部屋が作業スペースです。

印象に多少変化があったのは東京本社での二次面接に行った時でした。本社は会議室と作業スペースの距離が近く、会議室内にいてもドアを開けていると社内の音や声が聞こえてきます(下の写真参照)。そのため、面接前後の時間に社内から何やら話している声が聞こえた後に笑い声が聞こえたのですが、このことに驚きました。面接担当者に正直に、「八戸では静かだったんですが本社では話声がするんですね。」と話したところ「静かな時もあるし冗談を言って笑うこともあるよ。たまたま八戸に行った時に静かだっただけだと思うよ。」と言われたことを覚えています。

本社事業所の様子
図2. 本社事業所の様子
写真中央奥、歩いている社員のすぐ左の開いている扉が面接会場入り口です。

作業に集中して静かな時もあれば、雑談などをするときもある、メリハリのある雰囲気なのかなと少し印象が変わりました。とは言え、やはり「静か」という印象は完全には消えませんでした。
私は入社する会社を決める基準として一番は業務内容、二番に勤務地(地元・八戸で働けること)としていたため、社内の雰囲気はあまり重要視していませんでした。それでも、説明会などで若手の社員の方と話す機会がなかったこともあり、今後の社員の方とのコミュニケーションに少し不安になりながら入社を決めました。

3. 内定者研修中の印象

ソフテックでは入社前から内定者への研修を行っています。詳細は過去の先輩方のソフテックだよりを参考にしていただきたいのですが、「ソフトウェア開発」・「コンピュータアーキテクチャ」・「プログラムはなぜ動くのか」・「C言語」という4冊の書籍を読んで勉強しながら、与えられた問題を解いていくというものです。月に一度本社で進捗報告会を行い内定者と研修担当者で現状の確認や今後の進め方を話し合ったりします。

私の研修担当者は、進捗報告会の中で時折東京での生活など研修以外のことも話してくれたので、業務以外の砕けた話も社内でするのかとさらに印象が変わりました。内定者研修の段階では基本的に研修担当の方としかお話をする機会がありませんでしたが、進捗報告会後に懇親会を開いてくれたこともありました。懇親会では、自分の予想より話が盛り上がり、ソフテックでは月に一度グループごとに懇親会を開いており、そういったコミュニケーションをとれる場が用意されている点や、ソフテックでは営業担当がおらず開発担当者がお客様と直接やり取りをするという点も踏まえ、話せる社員(プログラマ)がいる会社なのだと印象がさらに変わりました。

4. 入社後の印象の変化

ソフテックでは新入社員教育の方法としてOJT(On the Job Training)を取り入れています。そのため入社後すぐにグループに配属されるのですが、グループメンバーの先輩社員から積極的に話しかけてもらい、さらに印象が変わりました。

また、特に、休日や終業後の過ごし方への印象が大きく変わりました。ソフテックでは経営理念の中に「顧客を創造し、維持する役割を担うのは社員であるから、社員の安心・平和・幸福の実現と品性向上は我々の最も重要な義務であり、責任である。」とあり、休日がしっかりと取られていて、社員は休日や終業後に自分なりの「幸福」を実現しています。休日は、基本的に日曜日が完全に休みで土曜日も(その時の業務状況次第ですが)出勤することはほとんどありません。その他祝日も基本休みで、ゴールデンウィークや夏季休暇なども長めにとることができます。

何度も申しますが、私はプログラマに対し偏見を持っていたため、そういった休みは社員の方々はPC関係のことをしているものなのだろう(またはそういう勉強をしているのだろう)と思っていました。ソフテック本社には現在サークル活動のようなものがないため、入社直前までその偏見をさらに強く持っていました。もちろん社員の中には、PC関係の勉強をしている方やPCゲームをしている方もいますが、音楽を聴く(ライブに行く)という人やジムで体を鍛えているという人、お子さんと遊んでいる人など、いろいろな趣味を嗜んでいる方がいます。私自身は、お酒が好きということもあり先輩社員と休日にお酒を飲みに行くこともありますし、小学校〜大学まで野球部に入っていたことから朝野球チームに入って週に1度野球をプレーしたりしています。

また、業務中も真剣な報告・連絡・相談の声はもちろん、業務に関して冗談を言い合うこともありますし、時には業務に関係ない話をすることもあります。そうした中で、特に報告には普段からのコミュニケーションが大事だなと感じます。メールなどで報告することはもちろんですが、急ぎの時や電話の取次ぎなどは口頭での報告が必要になります。社員同士が普段からコミュニケーションをとっていれば、社員それぞれの性格がわかるので、良い報告でも悪い報告でもある程度気持ちに余裕ができます。ほとんど話をしたことがない人に悪い報告をするとなると、「どんな注意の仕方をするのだろう」とか「ものすごく怒られるのではないか」などとマイナス思考になり、怖いから報告せず自力解決をしようというような考えになりかねません。また、普段からコミュニケーションをとっている他の利点として、この人は今どういう仕事に取り組んでいてどこまで作業が進んでいるのかというような事前知識が多く手に入り、詳細まで報告せず要点だけ伝えるだけで良いという場合もあります。普段からコミュニケーションをとることで業務や報告・連絡・相談をスムーズに行うことができます。

上記のように先輩たちとのコミュニケーションを通して、入社してからは完全に偏見も消えました。むしろ、プログラマは一緒に開発するメンバーや上司、お客様とのコミュニケーションが取れないと務まらないのではとも思い始めています。

5. おわりに

入社して約半年が経ちますが、先輩上司に迷惑や手間をかけてしまう毎日です。ソフテックの社員の皆さんは寛容で、「新入社員だからしょうがない」「ゆっくり着実に成長してくれれば良いよ」と言ってくれます。しかし、自分を成長させるためにもその言葉に甘えず、報告・連絡・相談の徹底と社員の皆さんとのコミュニケーションを大事にしながら、一人前の「コミュニケーションが取れるプログラマ」となれるよう努力して参りたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございます。

(T.H.)

[注釈]
注1
本稿での「プログラマ」とは、単にプログラムを作成する作業のみを行う技術者ではなく、ソフトウェア開発に関する一連の作業全般をこなす技術者を意味します。ソフトウェア開発全般をこなす技術者はシステムエンジニアと呼ぶこともありますが、ソフテックでは、内定研修中や入社後すぐは主にプログラム作成がメイン作業となるため、本稿ではプログラマと表記しています。

注2
現在の教員養成課程ではプログラミングは必修化されていないため、プログラミングを教えられる教師が少ない状況であり、プログラミングが必修化された場合は、IT系の会社(またはプログラマ)へ講師依頼をして授業を行うのではないかとの見方もあります。そのため私は、教育学を学んだプログラマが必要になると考えていました。

[参考文献]

「ソフトウェア開発」(小泉寿男、辻秀一、吉田幸二、中島毅、オーム社)
「コンピュータアーキテクチャ」(馬場敬信、オーム社)
「プログラムはなぜ動くのか」(矢沢久雄、日経BP社)
「C言語」(B.W.Kernighan、D.M.Ritchie、共立出版)

関連ページへのリンク

関連するソフテックだより

ページTOPへ