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ソフテックだより 第261号(2016年7月6日発行)

技術レポート

「各社PLC比較 〜IEC 61131-3 編〜」

1. はじめに

過去の技術レポート第217号(2014年9月3日発行)「各社PLC比較 〜プログラミングツール編〜」では、PLCプログラミングの国際規格「IEC 61131-3」について以下のように触れ、独自な発展を遂げている国内のPLCを比較した技術レポートをお送りしてきました。

現在、日本国内では10社を超えるPLCメーカーが存在しておりますが、PLCの機能やプログラミングツールの操作方法は、各社で独自に発展しており多種多様という状態です。 欧米では「IEC 61131-3」という国際規格でPLCプログラミング仕様の標準化が行われていますが、日本国内に浸透するのはまだまだ先の話となりそうです。

以上のように触れましたが、ここ最近、ソフテックでも「IEC61131-3」にかかわる機会が増えてきております。 そこで、今回の技術レポートでは、国内PLCベンダのIEC 61131-3対応状況について取り上げてみたいと思います。
今回の技術レポートを導入編と位置付け、今後何度かに渡りIEC61131-3に関連した技術レポートをお送りできればと考えております。

2. IEC 61131-3 とは?

国内PLCベンダのIEC 61131-3対応状況に触れる前に、まずはIEC61131-3とは何なのか、簡単に説明します。

1968年にModicon社(現在のシュナイダーエレクトリック社)が世界初のPLCを開発して以来、日本国内でもオムロンや三菱電機などでPLCを発売し、各社独自の技術開発が進みました。
第248号(2015年12月16日発行)「ソフテックとPLC」で取り上げていますが、弊社会長の田原も1970年代にSEQUENTROLという名のPLCを開発しています。

PLCのプログラミングツール、言語は、各PLCベンダで独自に発展していたことから、IEC(国際電気標準会議)がPLCプログラミング言語の国際規格として「IEC61131-3」を発行し標準化しました。
PLCopenという団体がIEC 61131-3の普及活動を行っており、日本国内ではPLCopen Japan (https://www.plcopen-japan.jp/)が活動を行っています。

IEC61131-3は、開発ツール、プログラミング言語を標準化することで、開発効率、Q(品質)C(開発コスト)D(開発期間)を向上させることを目的としています。
プログラミング言語は、日本国内で広く普及しているラダー言語に相当するLD(ラダーダイアグラム)を始めとし、IL(インストラクション リスト)、ST(ストラクチャード テキスト)、FBD(ファンクション ブロック ダイアグラム)、SFC(シーケンシャル ファンクション チャート)の5言語を定義しています。

IEC61131-3の5言語については、以下の技術レポートでも紹介しています。
247号(2015年12月2日発行)「ST言語を使用したPLCプログラミング」

また、弊社では従来のラダー言語でおいても、可読性の良いプログラムを作成するため以下の技術レポートで紹介したような取り組みを行ってきていましたが、IEC61131-3でも階層的なプログラム構造にすることで可読性と再利用性を向上させています。

<技術レポート「見やすい・わかりやすいラダーにするために」シリーズ一覧>

以上、IEC61131-3について簡単に紹介しましたが、詳しくはPLCopenのホームページ(https://www.plcopen-japan.jp/)や、各種発行物を参照頂ければと思います。

3. 国内PLCベンダのIEC61131-3対応状況

それでは、2016年7月現在における、国内PLCベンダのIEC61131-3対応状況を見てみたいと思います。 今回取り上げる国内PLCベンダは、PLCopen Japanのベンダ会員の中から抜粋させて頂いております。

3.1 三菱電機

プログラミングツールGX Works2、GX Works3がIEC 61131-3 に準拠しています。
PLCは、MELSEC-Qシリーズ、MELSEC-Lシリーズ、iQ-Rシリーズなどほとんどの現行製品で対応しています。

3.2 オムロン

プログラミングツールは最新のSysmac StudioがIEC 61131-3 に準拠しています。
LD/FBD/SFC/STの4言語をサポートしています。
PLCはNJシリーズ、NXシリーズで対応しています。

3.3 横河電機

中小規模向け計装システムに用いるコントローラとして、横河電機ではSTARDOMとFA-M3の2つの製品群があります。
STARDOM製品群のFCN/FCJがIEC 61131-3 に準拠しており、ロジックデザイナというプログラミングツールを使用します。
FA-M3製品群であるFA-M3Vシリーズ及びプログラミングツールWideField3は、IEC 61131-3に準拠していません。

3.4 東芝

ユニファイドコントローラnvシリーズ、統合コントローラVシリーズ、エンジニアリングツール nV-Tool4がIEC 61131-3 に準拠しています。
LD/FBD/SFC/STの4言語をサポートしています。

3.5 富士電機

プログラマブルコントローラMICREX-SXシリーズ、プログラミング支援ツールSX-Programmer Expert(D300win)がIEC 61131-3 に準拠しています。
LD/IL/FBD/SFC/STの5言語をサポートしています。

3.6 日立産機システム

プログラマブルコントローラEHV+シリーズ、統合開発環境 EHV-CODESYSがIEC 61131-3 に準拠しています。
LD/IL/FBD/SFC/STの5言語をサポートしています。

3.7 デジタル

表示器一体型コントローラLT4000M/LT3000シリーズ、画面作成ソフトウェアGP-ProEXがIEC 61131-3 に準拠しています。
LD/ILの2言語をサポートしています。

表にまとめると以下の通りです。

PLCベンダ PLC ツール プログラミング言語
LD IL ST FBD SFC
三菱電機 MELSEC-Q/L/iQ-R/iQ-Fシリーズ GX Works2/GX Works3
オムロン NJ/NXシリーズ Sysmac Studio
横河電機 FCN/FCJシリーズ ロジックデザイナ
東芝 nv/Vシリーズ nV-Tool4
富士電機 MICREX-SXシリーズ SX-Programmer Expert
日立産機システム EHV+シリーズ EHV-CODESYS
デジタル LT4000M/LT3000シリーズ GP-ProEX

表1. IEC 61131-3対応状況

4. おわりに

本レポートでは、IEC 61131-3の概要、国内PLCベンダの対応状況について、簡単にではありますがまとめてみました。
本レポートを導入編と位置付け、今後もIEC 61131-3関連の技術レポートをお送りしていく予定です。

昨年のシステムコントロールフェア2015でPLCopen Japanが発表した資料によると、IEC 61131-3第3版に対応したJISの改訂版が2016 年中にリリースされる見込みとのことです。
IEC 61131-3第3版改訂では、「名前空間」、「メソッド」、「インターフェース」、「継承」といったオブジェクト指向の要素が追加されるなど、他にも数々の拡張がなされたようです。
PLCの国際標準プログラミングは進化を続けており、今後ますます標準化が進んでいくものと思われます。
今後も引き続き動向に注目していきたいと思います。

(M.S.)

[参考文献]
『IEC61131-3を用いたPLCプログラミング』K.-H.John・M.Tiegelkamp著、PLCopen Japan訳
『はじめてのIEC 61131-3』PLCopen Japan
『進化を続けるPLCの国際標準プログラミング〜IEC 61131-3の最新動向』PLCopen Japan
『PLCにおける国際規格の普及と技術動向』PLCopen Japan
『三菱汎用シーケンサMELSEC iQ-R プログラミングマニュアル(プログラム設計編)』三菱電機
『三菱汎用シーケンサMELSEC iQ-R プログラミングマニュアル(命令/汎用FUN/汎用FB編)』三菱電機
『マシンオートメーションコントローラNJ/NX CPUユニットユーザーズマニュアル ソフトウェア編』オムロン
『マシンオートメーションコントローラNJ/NXシリーズ コマンドリファレンスマニュアル基本編』オムロン
『マシンオートメーションコントローラNJシリーズ 技術導入ガイド IECプログラミング編』オムロン
『PLCの国際標準プログラミング:IEC 61131-3とは?』(http://www.fa.omron.co.jp/solution/sysmac/technology/programming/plcopen/)オムロン

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