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HOME > ソフテックだより > 第174号(2012年11月21日発行) 現場の声編「初めてのPLC案件」

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ソフテックだより 第174号(2012年11月21日発行)

現場の声編

「初めてのPLC案件」

1. はじめに

私は入社3年目の社員です。私は入社してからWindowsアプリケーションの開発を主に行ってきました。しかし、今年の2月からPLC(※1)案件にも携わるようになりました。
そこで、今回は初めてPLC案件に携わり、感じたことなどを書いていきたいと思います。

弊社のソフトウェア開発は大きく分けてWindowsアプリケーション、マイコン、PLCの3つに分けられます。Windowsアプリケーション、マイコンは比較的日常生活で触れることも有りますが、PLCについては、日常生活でほとんど触れることのないものです。私自身もソフテックに入社するまでは、聞いたこともない言葉で、案件に関わる前もPLCがどの様なものか大まかなことしかわかっていませんでした。

PLCとは、工場などでよく使われているシーケンス制御を行う制御用コントローラです。シーケンス制御とは、決められた順序に沿って処理を行わせることが出来る制御方法です。
PLCでよく使われるシーケンス制御に、製品がコンベアで運ばれてきたものを製品の状態や大きさ、分量などに応じて製品を取り出し、仕分ける処理が有ります。この時、製品の状態や大きさ、分量などを確認するセンサーが付いていて、そのアンサに応じて製品を仕分ける制御をします。このような制御を繰り返し行うのがシーケンス制御です。

2. PLC案件

私が初めて携わったPLC案件はタッチパネルのソフト作成をメインに行いました。

PLCやタッチパネルは、工場で制御盤などに設置されることが多く、例えば図1のように制御盤内にPLCが設置され、制御盤の前面にはタッチパネルが取り付けられます。このタッチパネルでは、制御の状態を画面に表示したり、画面のスイッチ操作によってPLCの制御対象に指示を行ったりすることが出来ます。

PLCとタッチパネルを組み込んだ制御盤
図1. PLCとタッチパネルを組み込んだ制御盤

この時の案件では、PLCに関してはモニタリングするくらいと、先輩社員に用意してもらったラダー(※2)をテスト用に少しいじるくらいしかしておらず、制御させるようなラダーを組むことはしていませんでした。
また、この案件はタッチパネル側で、ほとんど処理を行うような仕様になっていたため、PLC側で行うことはほとんど有りませんでした。PLC側の処理、ラダーは作成しなかったものの、この時は先輩社員に指導していただきながら、設計資料の作成は行っていました。

この案件を通し、PLC案件における設計資料の重要性を感じました。設計資料がわかりやすく、作りやすく出来ているか、いろいろなことを考慮して作成されているかで、製作の効率は全然違います。ここで設計資料に抜けがあり、製作に入ってから入れ込もうとすると時間と労力はより増してしまうことがあります。この案件を通し、PLC案件がどんなものなのかわかった気がしました。

現在、作業を進めている案件ではタッチパネルのソフト作成から始まり、一部ラダーの作成も行いました。私の作成した部分は比較的簡単な部分であり、先輩社員にも助けてもらい教えてもらいながら、何とか製作を行っています。ラダーを作っていて感じたことは回路が”ON”しているか”OFF”しているかのどちらかで あり、その組み合わせで出来ていることがわかり、そんなに難しいものではないのかという印象を受けました。しかし、この”ON”か”OFF”しかしていないにもかかわらずいろいろな制御をしているからこそ、複雑な部分はとても難しくなっていることがわかりました。

私がその様に思ったきっかけで、ラダーを作ってみてすごいなと思ったのが自己保持・オルタネイトです。考え方自体は教えてもらいながら理解できましたが、使ってみるとなかなか難易度の高いものでした。

【自己保持回路】

自己保持回路とはバイパス回路を動作信号と自分自身の接点で作成し、状態を保持するという回路です。例えば、起動ボタンを1度押したら、ランプをずっと点灯した状態にするケースに使います。
図1の上側の回路でX0がONすると出力Y0がONされ、それ以降のスキャンでは下の回路のY0がONされているため1度ONするとX0がOFFしてもY0がONし続けるという回路です。実際はこの回路をOFFにする条件を付け加えて処理を組んでいくものになりますが、これが自己保持の回路です。

自己保持・オルタネイトのラダー図
図2. 自己保持・オルタネイトのラダー図

【オルタネイト回路】

オルタネイト回路とは1つの信号がONするたびにONとOFFを繰り返す回路です。例えば、1つの押しボタンだけでONとOFFを切り替える場合に使います。
図1のX1という信号がONされたら上の回路のM1がON、Y1はOFFなのでY1がONします。Y1が一度でもONしたら下の回路のM1がOFF、Y1がONなのでON状態は続きます。この状態から再度X1の信号がONすると上の条件も下の条件も成り立たずにY1はOFFします。このように1つの信号でON、OFFを繰り返す回路がオルタネイト回路です。

3. 初めての現地調整

私は先日、PLC案件で現地調整(※3)に行きました。この時は先輩社員と一緒であり、さらに新規立ち上げではなく、既存の設備を機能改造したもので設備自体を変えたわけではないため、細かいチェックまでは行っていませんでした。

しかし、それでも工場での対応は社内で行うのとは違うものがありました。工場での業務ではヘルメットの着用や、作業着での作業になり、普段の社内作業とは違い、作業しづらいものでした。また、現地でのソフト修正は、間違いの許されない状況であり、日頃社内で行う作業以上に気を使い対応しました。お客様がいる中での対応になり、社内作業にはない緊張感がありました。

また、現地調整では不測の事態に備え色々と準備が必要であることも感じました。この時の現地調整では先輩社員に付いていくことから、私は最低限必要なものだけを持って現地に臨みました。しかし、先輩社員は事前準備をしっかりしており、臨機応変に対応していました。その姿は見習うことばかりで、自分の未熟さを痛感しました。

4. PLC案件に携わり感じたこと

私がPLC案件に携わり、一番感じたのは現地で実際に動いていることを確認するまでは安心できないということです。
私が以前に作業していたのが、データベース設定を行うWindowsアプリケーションということもあり、基本的にはアプリケーション単体で動いており、社内環境で動いていれば納入後にトラブルを起こす可能性が低いため、お客様にはアプリケーションをお送りして確認してもらうような形で、現地調整等は有りませんでした。
しかし、PLC案件では、他の機器からの入出力があり、それらを組み合わせ、処理を行っており、現地にしかないものも多く、現地でしか確認できないことがたくさんあります。最善を尽くして現地には臨むものの、現地でやってみないとわからない部分があり、現地調整が必須になります。また、PLCは工場などで使われるため、最終的に現地調整で工場に出向くことが多くなります。
今回、現地調整に行く機会があり、社内作業とは違い緊張した部分もありましたが、無事に終えることが出来ました。現地調整では普段は見ることができない装置が自分の作成したプログラムで、実際に動いているところを間近で見ることができ、非常にうれしく思いました。

今回のことで、PLC案件の難しさ、楽しさなどわかった気がします。Windowsアプリケーションの開発を行っていた時とは違う大変さ、喜びなどがありました。今後、私自身のPLC案件はまだまだ続くので、今回のことを活かして、今後につなげていけるようにしたいと思います。新しい分野に挑戦し、覚えることも多くあり、今後もPLC案件を行って行く上で、先輩社員のように一人前に案件をこなせるようになるためには、足らないことが多くありました。さらに、覚えること、勉強すべきことはたくさん有りますが、スキル向上のために頑張っていきたいと思います。

(S.S.)

[注釈]
※1
PLCとは、「プログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller)」の略です。
※2
ラダーとは、図1のような電気リレー回路を記号化したPLC内で用いられるプログラミング言語です。
※3
現地調整とは、社内で作成したソフトをお客様が実際に使用される場所(工場など)に持ち込み、システムテストや試運転調整を行うことです。社内ではできない確認作業も含め、細かいところまで制御できているか確認します。

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