HOME > ソフテックだより > 第120号(2010年8月18日発行) 現場の声編「入社して4ヶ月で学んだこと 〜PLC開発について〜」

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ソフテックだより 第120号(2010年8月18日発行)
現場の声編

「入社して4ヶ月で学んだこと 〜PLC開発について〜」

1. はじめに

私は、今年(2010年)の4月に入社したばかりの新入社員です。大学時代は、情報科に在籍しておりましたが、主に部活動やアルバイトに打ち込んでいたため、プログラミング経験は、ほとんどゼロからのスタートとなってしまいました。入社して4ヶ月間学んだことや感じたことを簡単ではありますが、ご紹介させて頂きたいと思います。

2. フレッシュマンセミナーについて

ソフテックでは、新入社員研修の目的で、千葉県柏市にあるモラロジー研究所にてフレッシュマンセミナーを受講します。フレッシュマンセミナーでは、様々な講師の方々の講義、他企業の方とのグループディスカッションを通して社会人になるための心構えについて学ぶ事が出来ました。

実際の講義では、教科書に載っていることを単に読むというわけではなく、これまでの実体験を基にして、社会で生きていくために大切なことをご教授していただきました。講義を拝聴させていただいて、一番心に残っているのは、どの講師の方も自分の失敗談を語っているということでした。そして、失敗から学び、現在に活かされているということでした。

さらに、グループディスカッションでは、私がグループの代表としてグループの考えを発表するという場面もありました。緊張しやすい私は上がってしまい、自分が何を話しているのか分からなくなってしまいました。しかし、講義で学んだ失敗の経験を積み重ねることで学ぶことも出来るのだと、失敗を前向きな気持ちで捉えて研修に取り組むことが出来ました。

私にとって、フレッシュマンセミナーで得た大きな収穫は、『失敗は成功の基』という何事もポジティブな気持ちで物事を捉えるということです。今後の人生においても、失敗をすることも多くあると思いますが、ポジティブな気持ちを持続していきたいと思います。

3. PLCソフト開発について

PLCとは、Programmable Logic Controllerの略でシーケンス制御をプログラムによって実装することが出来るものです。

シーケンス制御とは、決められた順番に沿って処理を行わせることが出来る制御方法です。シーケンス制御の一例として、自動販売機などがあります。自動販売機は、『①お金を入れる→②商品ランプが点灯→③商品ボタンを押す→④商品が出る→⑤おつりが出る』という流れになっています。自動販売機では、この①〜⑤までの処理をひとつずつ順番に行ってくれているのです。このようにシーケンス制御は、私たちの生活のいたるところで活躍しています。

PLCでは、ラダー言語と呼ばれるC言語などの高級言語とはかなり異なったプログラミング言語を使用します。ラダー言語のプログラムは、見た目としては、図1のように電気回路図を描いているイメージで視覚的にも分かりやすいため、初心者にも比較的入りやすい言語でした。しかし、実際にはラダー言語は知れば知るほど奥が深い言語でした。

さらに、PLCソフト開発には、プログラムの知識だけでなく、制御対象のハードウェアの知識も必要となります。ハードウェアがどのような仕様で、どういう機能を有しているのかを把握しなければ、頭の中で動作をイメージすることが出来ず、プログラムを作成することが出来ないのです。

入社前研修に作成したラダー図の一部分です。
図1. 自動販売機プログラムのラダー図の一部

現在私は、このラダー言語を用いてある設備のプログラムを作成しています。入社して仕事を任された時は、新入社員の私に出来るのか心配でしたが、先輩社員の方々に質問をするとしっかりと教えて下さるので、少しずつ不安はなくなっていきました。しかし、質問を行うにつれて、現在の状況と疑問点を的確に先輩社員の方に伝えることが出来ないことが多々あり、仕事を行うに当たって報告・連絡・相談などの上司や先輩社員の方々とのコミュニケーション能力が大変重要になると痛感いたしました。

コミュニケーション能力と言ってもただ話して仲良くなるというだけでなく、『①現在の状況、②問題点、③問題に対する現在の対策』をしっかりと整理をして伝えるという能力が社会人として、いかに重要であるかを思い知らされた4ヶ月間でもありました。

4. 4ヶ月間での変化

この4ヶ月間で私は、仕事の面だけでなく、精神的な面での変化が大きくありました。入社した時の私は、これから社会人として”頑張っていこう”という気持ちでした。しかし、この時点では、社会人になるという事の意味を軽く考えてしまっていました。当初、私が考えていた”頑張っていこう”というのは、あくまで学生基準での"頑張っていこう"でした。つまり、私はまだ学生気分だったのです。そのため、4ヶ月間で社会人としての自覚の無さ、学生時代に勉強してこなかったことの甘さなどを思い知ることになってしまいました。

仕事を覚えるためにも、様々な工夫をする意識が必要となります。私が学生の時は、専門の教授が授業を行い、黒板に要点をまとめてくださいますので、それを基にして勉強することが出来ました。しかし、社会人になったら教授や先生はいません。分からない点があれば、仕事中の先輩方に教えていただくために自ら行動しなければなりません。もちろん私に仕事を教えることで先輩方は仕事をする時間が減ってしまいます。自分が先輩の仕事を邪魔してしまっているということが、私はとても心苦しく思えてなりませんでした。

ここで勘違いしてはならないのは、このような心苦しさを解消するためには質問をしないで先輩方に時間を使わせなければ良いということではない、ということです。質問せず理解をしないで間違ったプログラムを作成すると、逆に修正作業などで先輩社員の方々に多くの時間を使わせてしまうこともありえます。解決方法は、早く一人前の社員になる以外はありません。そのためにしっかりと質問をして、一度聞いたことは、ノートやメモなどをしっかり取って、2度同じことを聞かないようにするなどの工夫がとても重要だと感じました。

5. 今後の課題

この4ヶ月の中で様々な課題が表面化してきました。その中でも特に、『報告・連絡・相談の徹底とスケジュール管理の向上』をしっかりと行えるようにしたいと思っています。

報告・連絡・相談の徹底

報告・連絡・相談については、どれも大切なものではありますが、『相談』が最も難しく感じています。『相談』をしっかりと行うと言っても、実際に行うのは簡単ではありません。まずは、相談をするためには、疑問点を伝えなければなりません。

私は先輩社員や上司に対して相談をする場合は、『3.PLCソフト開発について』でも述べましたが、『①現在の状況、②問題点、③問題に対する現在の対策』をノートなどに整理し、要点をきちんとまとめてから話すということを意識するように心がけていますが、まだまだ伝えたいことを伝え切れていないというのが現状です。これまでは、人に物事を伝えるということが、こんなにも難しいとは思いませんでした。

今後は、細かい点にも注意して疑問点が無くなるように意識をしたいと思います。

スケジュール管理の徹底

今後は、スケジュール管理の向上も図りたいと思います。その中でも、スケジュールを立てる能力を向上させたいと考えています。これまでの私はスケジュール管理を行う機会は、あまりありませんでした。学生時代は自分で時間の管理などはしなくても、決められた時間に授業が始まり、決められた時間に講義が終了します。しかし、仕事をする上では、これから行う作業にどれだけの時間を費やすのか自分で管理をしていくことが必要です。

これまでの4ヶ月間では、スケジュールを立てようとしても、どの作業にどれぐらい時間が掛かるのか、作業のポイントはどこにあるのかなどが分からず、イメージだけで適当にスケジュールを組んでしまっていました。そのため、予測で立てた時間よりも遥かに時間が掛かってしまい、ご指摘を受ける場面が多々ありました。スケジュール管理が出来るということは、仕事が出来るためにとても重要なポイントになるのです。逆に言うと仕事が出来なければ、スケジュール管理をすることが出来ないのだということも分かりました。今後は、自分が立てたスケジュール通りに作業を終えられるようになりたいと思います。

6. 終わりに

入社して4ヶ月が経ちましたが、まだまだ勉強不足な点や覚えることが山積みしている状態です。これまでの失敗や経験を活かして、早く一人前の社員になり、先輩社員の方々をサポート出来るようになりたいと思います。

最後に入社してからこれまで私を支えてくださった先輩社員の方々とスキルアップのために力を注いでくれる会社に心から感謝したいと思います。拙い文章ではありますが、ここまでお付き合い頂きまして、誠にありがとうございました。

(Y.O.)


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