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ソフテックだより 第92号(2009年6月17日発行)
現場の声編

「顧客対応」

1. はじめに

弊社は、創立当初からソフトウェアの受託開発を手がけておりますが、この『ソフトウェア』という目に見えないモノを開発し納品するという事は、非常に大変な事だと私は痛感しております。

『目に見えない』という表現について補足をしますが、『目に見える』製品、例えばパソコン本体のような完成品を購入する場合は、Web上から製品情報を入手するとか、実際に製品の売り場に出向いて実機に触れることにより、事前に評価をする事が可能です。

ところが、お客様がソフトウェア開発を委託する場合は、ソフトウェアが完成しなければお客様はその動きを見る事が出来ません。製品の開発スケジュールの終盤にならないと実物を見ることが出来ず、事前に製品の良し悪しを判断する事ができないのです。
特に新規のお客様の視点では、これは非常にリスクの高い事と感じられると思います。

そのような中で、お客様がソフテックという会社を選んでいただける事を非常に嬉しく思いますし、実際にソフトウェア開発をご発注いただいて、無事に製品を納入する事に喜びを感じております。

ソフトウェアは、今や色々な業種において必要不可欠なものとなっており、どんなに良い性能を持ったハードウェアが出来ても、それを動かすためのソフトウェアが低レベルなものでは、製品としての魅力が台無しになってしまいます。

弊社では、単に要求仕様を満たした製品を作るだけではなく、お客様にトータルでご満足いただける製品・サービスをご提供する事を常々意識しております。

そのためには、お客様の要求する真のニーズをお客様と同じ目線で把握する事が何より重要です。

本号では、新規お引き合いやお問い合わせを頂いた際に私達が実践している事について、触れてみたいと思います。

2.顧客対応:お打ち合わせの際は・・・

弊社では、社員全員がソフトウェア開発エンジニアです。
お打ち合わせの段階からエンジニアが出席し、お見積もりまで担当いたしますので、お客様の視点から見れば、最初から具体的な技術レベルのお打ち合わせをする事が出来ます。
ここでは、お客様とのお打ち合わせの際に実践している事について触れてみます。

(1). 興味を持つ

ソフトウェアが搭載される対象製品もしくはシステムがどのようなものなのか?に興味を持つ事が重要です。

『こういう場合はどう動くのだろう?』
『こういう場合は危険だな』
『どういう環境でどのような使われ方をするのだろうか?』

など、興味を持つ事によって、自然に色々な疑問・質問が浮かんできます。
質疑応答する事で、さらに製品・システムに対する理解が深まり、より良いシステム提案が出来るようになります。
そのためにも、お客様のお話はしっかりとお聞きするように集中します。

(2). 背景をお聞きする

ソフトウェアを開発するにあたって、そこに至るまでの背景も重要です。
特にその製品・システムが、お客様に取ってどのような位置づけのものなのかは、その後の開発に大きく影響します。

例えば、[試験研究]が目的の場合は、見た目にはこだわらないですが、高度な幅広い制御を求めるシステムをご希望される場合があります。
逆に、[製品として量産する]事を目的としたシステムの場合は、見た目や使い勝手を重視する事はもちろん、エンドユーザー様が安心して使用できる安全なシステムをご希望される場合もあります。
もちろん両方が目的の場合もあります。

こういった背景を把握しておかないと、後になって『使い物にならない』とか『こういう形は想定していなかった』など、お客様と開発者との認識の違いが露呈する事になってしまいます。

(3). 技術者目線で話をしない

お打ち合わせの最中は、お客様がハッキリと話を聞き取りできるよう、言葉遣い・声の大きさ・会話のスピードに気を配るのは基本的な事ですが、お伝えしたい事がお客様に確実に伝わるように、お客様が内容をキチンと理解できるように、説明の際の言葉選びには特に注意します。

技術者にありがちな事ですが、技術者目線で自分達しか知らないような専門用語をあれこれ並べて説明を始めてしまうと、お客様が理解できずに苦しむ事になってしまいます。
お打ち合わせの場に出席されている皆様が理解できるよう、専門用語は極力使わずに、分かりやすい説明をする事を心がけています。

これは、会話に限らず、今後やり取りする事になるメール・文書においても同様の事が言えます。もしメール・文書等で専門用語を使う必要がある場合は、必ず補足説明を入れる事を忘れてはなりません

逆のパターンもあると思います。お客様の説明の中でこちらの知らない専門用語が出てきた場合は、『ご説明の最中に申し訳ございませんが・・・』と前置きをして、専門用語についてご質問するようにしています。

3.顧客対応:提案営業の実践・・・

お客様は要求仕様に対して、それを実現するためにどのような提案をしてくれるのか?をご期待されていると思います。
私達もその期待に応えるべく、前項で記載した事を実践して製品・システムの完成イメージを想定し、ソフトウェアでどのように機能を実現するか?を、監視・制御機器などのハードウェア及びシステム構成と合わせて、最適なシステム提案をさせていただきます。

ここでは二つ重要な要素があります。

一つ目は、各分野によって製品・システムに対する独特の考え方や思想があるという点です。
ある分野では“A”という提案が好評だったとしても、別の分野で“A”の提案は却下される場合もあります。
一度でも経験すれば分かる事ではありますが、新しい分野のお仕事をさせていただく際には、独特の考え方や思想が無いかを必ず確認するようにしております。

二つ目は、お客様のご予算及び希望納期に合わせたシステムを提案するという点です。
いくら良い提案をさせていただいても、それがご予算をはるかにオーバーする、もしくは希望納期に全然間に合わないようなものでは、それ以上話を進める事が出来ません。

上記のように、私達が最適だと考えても、その提案がお客様の要求とマッチしない事も十分考えられますので、その場合は持ち帰りでさらに調査を行い、後日複数の選択肢を持参して、システム提案をさせていただく事もあります。

これらを実践するために、私達は日々市場調査を行っております。例えば新しい制御機器・コントローラが世に出てきた際には、それらがどういった場面で使えるものなのか?、どういう点が優れているか?(性能や価格)、使い勝手は?メンテナンス性はどうか?、などいろいろな面から検証をします。
新技術についても同様の視点で検証を進め、それが有効なものであれば会社として新技術の習得に積極的に取り組んでおります。

4.顧客対応:永いお付き合いを目指して

一度お仕事のご協力をさせていただいた後は、継続してお取り引きを続けさせていただく事、深い信頼関係を築いていく事を目指し、私達は日々誠実な対応を心がけ、前項で記載した事を実践しております。

これは、2年前に初めてお取り引きを始めたお客様のご紹介になりますが、最初のお仕事は、十数年前に他社様で納入されたシステムのリプレースでした。
実際に最初にお話を伺って受注に至るまでは5ヶ月かかりましたが、どういう機器を使用してどういうシステム構成にすれば、トラブル無くエンドユーザー様に快くお使い頂く事ができるか?、立上げ期間を短くする事ができるか?、何度も検討を重ねてシステム提案をさせていただきました。
設計着手から8ヶ月後、大規模なシステムであったにも関わらず、数日間の立上げ調整期間で通常生産に移行することができました。
当初は、『本当にこのレベルの仕事ができるのだろうか?』『無事に立上げ完了するだろうか?』と打ち合わせの度にご心配されていた事を、後になってお客様からお聞きしました。
弊社にご依頼いただいた理由として『技術的な評価』を挙げてくださっており、開発担当者全員が、この仕事に携わる事が出来て本当に良かった、と感じた事を今でも思い出します。
その後も継続してお仕事をいただく事ができるようになりました。

しかしながら、良い事ばかりではなく、時にお客様の方ではご不満に感じておられる事もあるかと思います。そういったお客様の声をキチンと受け止めて改善するために、私達はお客様アンケートのご記入をお願いしております。
最初のお打ち合わせ〜納品後のサポートまで、数十項目に渡ってお客様のご評価及び、ご指摘・ご要望事項を記載する形となっております。

少しでも気になった事がございましたら、遠慮なくご記入いただければと思います。
また、弊社社員に至らない点が見られた場合は、遠慮なくその場でご指摘をいただければ幸いです。

5.最後に・・・

私は『モノを動かす』という事が大好きで、特に新規のお客様の会社をご訪問する際は、製品に関するどのようなお話を聞く事ができるのだろう、と非常にわくわくしながらお打ち合わせに臨みます。
また、製品やシステムに対するお客様の考えをお聞きする事で、色々なモノの見方・捉え方がある事を知ることができ、大変勉強になります。
そういった事も含めて、お客様とコミュニケーションを取る事に楽しみを感じております。

私達は、単に開発した製品・システムだけのつながりではなく、納入後のサポートも含めて、お客様と私達開発担当者とのつながり・信頼関係を築く事も大事にしていきたいと願っております。
お客様のモノの見方・考え方を知る事で、さらにより良いご提案ができると考えるからです。

今後も、ホームページ経由や、直接弊社担当者にご連絡いただいても構いませんので、ちょっとした技術的なご相談からシステムの検討まで、遠慮なくご相談いただければ幸いです。

(T.T.)


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