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HOME > ソフテックだより > 第79号(2008年12月3日発行) 技術レポート「リプレース案件への取り組み」

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ソフテックだより 第79号(2008年12月3日発行)

技術レポート

「リプレース案件への取り組み」

1. リプレース案件への取り組みについて

ソフテックでは、工場で稼働中のシステムを新システムへリプレースする作業を多く行っております。しかし、単純にリプレースといっても多くの問題が待ち構えております。
ソフテックでは多くの経験から問題点をクリアしてリプレースを進めております。
今回はよくある問題点を3点挙げ、リプレース案件への取り組みをご紹介いたします。

2. 問題点1『既存システムの仕様書が少ない』

リプレース対象の既存システムは、20年前などとても古いシステムが多く仕様書も紙ベースであり、かつ必要な情報が記述されていないことが多くあります。
なかにはページが破れており確認できないことや、もっとひどいところでは、仕様書が無い(見つけられない)ということもあります。
また、追加機能や仕様変更など仕様書に差し替えや反映されていないことも多いです。
このように、仕様書からでは必要十分な情報が得られないことが多くあります。
そのため、当社では『既存システム仕様書の隙間(行間)を埋める』という意味で、

  • 既存プログラムの徹底的な解析
  • 現地にて既存システムの動作確認

を実施して、既存仕様を完全に把握し、制御内容や各種条件など足りなかった情報を含めて、かゆい所に手が届くドキュメントを作成して対応しております。

解析もプログラムの解析はもちろんですが、通信関係では、プロトコルアナライザを割り込ませて通信ログからの解析、場合によっては通信相手システムのプログラム解析まで行うこともあります。

実際に当社で担当したリプレース案件では、現地改造分の内容が仕様書にほとんど反映されておらず、配線を調べ、プログラムを解析し、仕様書を作成してからリプレースした経験があります。
また、徹底的に解析することで、内在していても発生頻度が低い問題をプログラム解析から発見して指摘・修正を行い、お客様からも大変喜ばれたこともありました。

解析にはコストがかかりますが、不明点をクリアにして作業を進めることで、対応漏れや抜けを未然に防ぐことが出来、トータルで低コストだと考えております。

また、当社にはPLCエンジニアや計装エンジニアはもちろん、マイコンエンジニアやPCアプリエンジニアなどあらゆる分野のエンジニアが在籍しており、既存システムの構成にとらわれることなく、解析や提案を行うことが可能となっております。

3. 問題点2『実機を使用してのテストが困難である』

「制御対象や上位システムは既存のままで・・・」という部分的なリプレース案件もあります。
このような場合に問題になるのが、実機を使用したテストを行えないという問題です。
もちろんシステムを借用いただければテストも行えますが、稀なケースであると思います。

そのため、当社では『社内試験用シミュレータ』を開発し、社内試験をおこなっております。
合わせてシミュレータを使用して、極力現地環境に近づけた社内試験を実施することで、現地確認前に品質を確保するように取り組んでおります。

当社がこれまで開発したシミュレータを簡単に紹介いたします。

通信シミュレータ画面
図1. 通信シミュレータ画面

上位システムシミュレータ画面
図2. 上位システムシミュレータ画面

シミュレータの画面はシンプルなものが多いですが、機能的にはランニングテストを考慮して長期間の通信ログを残せるようにしたり、定周期で自動送信したり異常電文を発生させたりという機能を盛り込む場合があります。
通信関連をシミュレートするほかにも、搬送装置のシミュレータを開発する場合もあります。

搬送装置シミュレータ画面
図3. 搬送装置シミュレータ画面

この画面イメージは半導体装置の搬送部分を制御するシステムです。
この案件ではXY座標や速度を動作コマンドと合わせて搬送装置へ送信するシステムですが、社内には大きすぎて搬送装置を用意できません。
シミュレータを開発することで、実際の搬送装置が無くても、移動や動作を視覚的に見ることが出来ますので、社内デバックではかなり重要役割を果たしました。

以上のようにシミュレータは実機を使用してのテストが困難である場合でも、現地調整前に品質を確保する意味で非常に効果があります。

また、シミュレータのメリットは品質を確保するだけではなく、納入後万が一のトラブルが発生した際も社内にて現地同様の環境をすぐに作れることから、トラブルを早期解決することもシミュレータによって可能になります。

4. 問題点3『現地立上げ期間(切り替え期間)が短い』

生産ラインのリプレースの場合、極力生産を止めたくないということから、土日やGW、夏休みや年末年始など限られた日数でシステムをリプレースする必要があります。
そのため、当社では下記の対応を行い、現地立上げ期間の短縮を目指しております。

  • 前述のシミュレータを使用して現地立上げ前に品質を確保し、現地でのテストを最小限に抑え、立上げ期間の短縮を行っている。
  • 既設インターフェースとの接続テストを早期に実施し、早い段階で接続確認を行っている。

実際に当社で担当したリプレース案件では、上位システム、下位システムとの接続テストを切り替え2週間前に事前実施し、3日間でシステム切り替えを行うことが出来ました。切り替え期間が短いと品質を確保することが難しく、『切り替え一発勝負』的な感じになりかねませんが、当社では品質を確保した上で、切り替え期間の短縮を行えるよう心がけております。

5. おわりに

以上のようにリプレース時に問題になりそうな点と、対応について記述いたしました。
もちろんリプレース時には、お客様と綿密な打ち合わせを行い、多様な要望に応えながら、ご予算に合わせたシステム提案を行うことを目指しております。
お客様からの「使いやすくなった」「生産性が向上した」など、安心・満足・快感を提供できるように心がけております。

(K.N.)


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