HOME > ソフテックだより > 第71号(2008年8月6日発行) 現場の声編「ソフテック社員の技術力向上への取り組み」

「ソフテックだより」では、ソフトウェア開発に関する情報や開発現場における社員の取り組みなどを定期的にお知らせしています。
さまざまなテーマを取り上げていますので、他のソフテックだよりも、ぜひご覧下さい。

ソフテックだより(発行日順)のページへ
ソフテックだより 技術レポート(技術分野別)のページへ
ソフテックだより 現場の声(シーン別)のページへ


ソフテックだより 第71号(2008年8月6日発行)
現場の声編

「ソフテック社員の技術力向上への取り組み」

1. はじめに

ソフテックでは社員の向上心を涵養することを目的とした「S-BEY賞」を表彰する制度が創設され、今年4月1日には昨年度(平成19年)を対象とした表彰授与がなされました。
昨年、私が業務を通じて経験・習得する機会のあった複数のスキル・技術が評価され、「S-BEY賞」優秀賞を受賞する機会がありましたので今回のソフテックだよりのテーマとしてご紹介させていただこうと思います。

表彰式の様子

表彰式の様子

表彰式の様子

2. S-BEYとは

そもそも「S-BEY賞」とは、"Softech - Best Engineer of the Year"の略で、その名とおりその年度でソフテック社員の中から業務を通じて活躍、会社に貢献したエンジニアを表彰対象とした制度となります。
ソフテックはお客様からご依頼いただいたシステム受託開発業務を中心とした会社です。お客様からご評価いただくためには、技術力は重要な要素のひとつとなります。
ソフテックにとって、新分野を切り拓く新技術は重要な意味をもち、中でもお客様が関心をもたれている技術はそれだけで価値を見出せます。
「S-BEY賞」の表彰は会社として高い競争力を維持するために、社員の技術力向上を推進するための会社的な取り組みの一環です。

3. 表彰対象となった新技術について

私が業務を通じて経験・習得する機会のあった複数のスキル・技術は「ソフテックにとっての新技術」であったということが幸いして受賞対象となりました。
ひとつひとつの技術としては、それほど習得難易度の高いものではありませんでしたが、業務を通して堅実に技術習得に励むことができた点を評価いただくことができました。

昨年は、Net Framework(※1)アプリケーション開発や、半導体製造装置開発におけるホスト通信用パッケージを使ったデータ構築、MODBUS通信プロトコルに準拠したデバイスと通信を行うアプリケーションの開発など、多岐に渡った実業務を通して個人的に新しいスキル習得する機会に恵まれました。

(1). Net Frameworkアプリケーション開発

私はこれまでMFC(※2)を使ったWindowsアプリケーション開発業務を担当することがほとんどで、技術習得という面ではここ最近はマンネリ化ぎみでした。
個人的に興味を持ち、JavaやC#といったプログラミング言語に関する学習を行ってはいましたが、ソフテックが得意とする大規模工場向けのWindowsアプリケーション開発では安定性や信頼性を重視するため、なかなか新しいプログラミング言語を使った開発を行う機会はありませんでした。

そういう面では、昨年は初めて実際の業務を通じてNet Frameworkアプリケーション開発をする機会に恵まれたことは幸いです。
業務を通して、久しぶりに新鮮な気持ちを味わうことができ、MFCアプリケーション開発との違いを明確に意識できる良い機会となりました。
Net Frameworkアプリケーション開発は、比較的規模の小さなソフトウェア開発であれば画面構築に関する負荷がMFCに比べてかなり軽減することができる反面、MFCほどの自由度がないという印象を持ちました。お客様の要求に応じてケースバイケースで適切な開発言語の選択を提案していければ幸いです。

(2). 半導体製造装置用ホスト通信パッケージによる構築作業

当然ですが、まず半導体通信規格(GEM/SECS-II)に関する調査から行う必要がありました。どういったストリームファンクションが存在し、どういったタイミングで通信するかなど、実際に構築する通信仕様書と照らし合わせながら、半導体通信規格に関しても精通する良い機会となっています。
半導体製造装置用ホスト通信パッケージのデータ構築に関するスキル習得はもちろん、ホスト通信シミュレータソフトに関しても精通することができました。
現地調整の立ち上げが順調に進んだことで、シミュレータの有用性を再認識できました。
今後、半導体通信の必要なシステム要件があった場合は、対応の選択肢の一つとすることができますし、弊社で半導体通信規格の通信プロトコルを実装する必要があった場合にも、今回の経験が役立ってくるはずです。

(3). MODBUS通信プロトコル実装アプリケーションの開発

物理レイヤにRS-485を使用したMODBUS通信プロトコルに準拠したコントローラデバイスと通信を行うWindowsアプリケーションの開発でした。
MODBUS通信プロトコルは、シングルマスタ/マルチスレーブ方式のとてもシンプルな通信プロトコルです。簡単に説明すると、マスタだけがクエリー(要求)を発行することができ、スレーブはマスタで発行されたクエリーで指定された機能を実行した後、応答メッセージを返します。
私が担当したWindowsアプリケーションではマスタ側の通信処理を実装し、数種類の要求コマンドに対応させました。
技術的に難しい要素は皆無の開発でしたが、MODBUS通信プロトコルに関する知識は深まりました。今後似たような開発協力案件で対応機会があれば、対応経験が生かせると思います。

4. 最後に

私自身、今回の「S-BEY賞」優秀賞を受賞できたことは、とても励みになります。今後も、より一層のお客様にとって価値ある新技術の習得へ積極的に取り組んでいければと思います。
また、ソフテックでは技術面以外のところでは、外部から講師の先生を招いた社内的な講習会で、管理者に必要な経営、管理手法を養う勉強会を開催する取り組みも行っており、技術力と管理能力のバランスが取れたエンジニアを目指していきたいです。

(M.S.)

[注釈]
※1
Microsoft Foundation Classの略称。Windows用アプリケーションソフトの統合開発環境であるMicrosoft Visual C++に付属するクラスライブラリ。
※2
Microsoft .NET対応アプリケーションの動作環境。クラスライブラリの集合体という形で提供される。

関連ページへのリンク

関連するソフテックだより

ページTOPへ