HOME会社概況業務内容開発分野開発事例CANモジュールソフテックだよりお問い合わせ
HOME > ソフテックだより > 第68号(2008年6月18日発行) 現場の声編「YEWMACリプレース案件」

「ソフテックだより」では、ソフトウェア開発に関する情報や開発現場における社員の取り組みなどを定期的にお知らせしています。
さまざまなテーマを取り上げていますので、他のソフテックだよりも、ぜひご覧下さい。

ソフテックだより(発行日順)のページへ
ソフテックだより(技術分野別)のページへ
ソフテックだより(シーン別)のページへ


ソフテックだより 第68号(2008年6月18日発行)

現場の声編

「YEWMACリプレース案件」

1. はじめに

今回は、昨年行われたYEWMACリプレースの案件を取り上げて、ご紹介させていただきます。
本案件は、20年前から稼動してきたシステムを対象として、PC+PLCのシステムにリプレースするというものです。開発中実感したこととあわせて簡単にご紹介させていただきます。

2. システム構成

まず、今回取り上げた案件のシステム構成を説明します。
リプレース元となるYEWMACシステムは、下図のようにラインコンピュータとラインコントローラにより構成されています。

既存YEWMACシステム構成
図1. 既存YEWMACシステム構成

YEWMACのリプレースには、ASTMAC(アストマック)への切り替えという選択肢もありましたが、今回の物件は特殊な表示機能などASTMACの標準機能だけでは対応できない項目も多いため、VisualC++による専用アプリケーション開発としました。また、社内資産を利用して短納期でもすばやく対応できる状況を考慮し、下図のようにFA-M3とパソコンの構成に更新しました。YEWMAC装置のみならず、プリンタも印字速度の早いレーザープリンタに変更しました。

リプレース後システム構成
図2. リプレース後システム構成

システムが一新され、処理速度やレスポンスが速くなりますが、現在稼動しているシステムと同様の機能・インターフェースを保つ必要がありますので、社内で行った開発のほかに客先での現地調整もあり、一苦労でした。

3. 社内開発

リプレースの特徴として、システムの構成が新しいものに変わっても、現在稼動しているシステムと同じ機能を持つ必要があります。
しかしながら、20年前かつ別の会社が開発したシステムで、手書きの仕様書しかありません。また、20年の間に仕様が何度か変更されたため、仕様書に間違いや不足の部分がたくさん残っています。一方、現場のオペレータはシステムの操作には慣れていても、仕様を説明できるほど把握していない状態です。

結局、正しい動作や仕様について、社内でYEWMACの既存ソース(YM-BASICプログラム)を見ながら、システムを動かして確認するしか方法がありません。困ったことに、既存ソースにコメントがほとんど記述されていません。特に、「なぜそのような仕様になったのか?」の経緯が分からない部分が多く、非常に難易度が高い解析作業となってしまいました。また、ラインコンピュータやラインコントローラなどYEWMAC装置はそれほど開発スペースを取りませんが、実際の制御対象が巨大であるため社内での実機確認は不可能です。

そこで、YEWMAC装置一式を貸し出していただき、実制御対象の代わりにソフトシミュレータおよびスイッチボックスなどの試験冶具を用いて、リプレース前とリプレース後のシミュレーション環境をそれぞれ立ち上げました。その環境を利用することで、現場の実機と同じ動作をシミュレートすることができ、新システムの動作を確認することもできました。
社内のシミュレーション環境を用いて、既存システムの動作および製作仕様書を参考しながら、既存ソースを1行ずつ解析することで、結果的に新規のWindowsアプリケーションとして既存仕様と同じ動作を実現し確認することができました。

4. 現地調整

稼動している現役システムのリプレースとなりますので、お客様の生産計画により決まった短い期間内で切り替えを完了させる必要があります。今回は、システムが一時休止となる金曜日の夜〜月曜日までの連休期間を利用して、現地に伺い、システムの切り替えを行いました。
現地調整といっても、ハードウェアなどの入れ替えなどにも時間がかかりますので、動作確認の時間がかなり限られています。事前に運用条件を想定し、社内試験で動作を一通り確認したため、現場での確認時間は少なかったのですが、大きな問題なくスムーズに入れ替えることできてほっとしました。

また、既存システムのデータを新システムに移行することも非常に重要です。数年間にわたって収集された貴重な運用データですので、バックアップ・移行するだけではなく、既存データと移行後データをきちんと照らし合わせる確認も現場で行いました。
無事にリプレース完了し、システム全体の機能を保ったままで、画面が大きくきれいになり、処理速度も格段に上がりました。今まで数分かかっていた計算や帳票処理が数秒で完了し、同じ結果が画面上に表示された瞬間、現場のオペレータからは「はやっ!」と声があがりました。その言葉を聞いて、社内開発の大変さや現地調整での疲れを忘れるほどうれしく思い、リプレースがもたらした効果を実感することが出来ました。

画面の遷移やキーボードの操作など既存システムとほぼ同じでありながら、システムの動作やレスポンスが早く使い勝手がよくなり、これからはより快適に使用して頂けると思います。

5. おわりに

当社では、YEWMACシステムのリプレースを20物件以上行った経験があります。私にとって、YEWMACシステムのリプレース案件に携わるのははじめての事でしたが、社内の経験を生かすことによって、無事にリプレース案件を完了させることができました。
社内での既存ソース解析・開発や、緊張感のあふれる現地調整を経て、大変貴重な経験を積むことができました。実際に参入してみてリプレースの難しさがわかりましたが、リプレース案件のポイントさえ押さえて、慎重に進めることができれば、新しい快適なシステムを作り上げ、お客様に満足していただくことが可能だと思います。

(R.R.)


関連ページへのリンク

関連するソフテックだより