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ソフテックだより 第62号(2008年3月19日発行)
現場の声編

「入社1年を経て〜初めての長期出張作業〜」

1. はじめに

私は2007年4月にソフテックに入社した新入社員です。
約1年間仕事をしてきましたが、その中で2007年秋に約1ヶ月間先輩社員と一緒に宮城県まで出張に行く機会がありました。初めての長期出張ということもあり強く印象に残っているので、ここで紹介させていただきたいと思います。

2. 約1ヶ月間の出張

(1). 出張の概要

今回紹介させていただく出張は、開発したPLC制御(※1)ソフトをお客様の所へ納め、試運転を行う現地試運転調整(現地調整)という作業です。ソフトを納めた製造ラインは5箇所あり、私はその一部分を担当していたので担当箇所をメインに現地調整に行ってきました。初めて長期にわたりお客様の所へ行くこととなり、お客様との対応や不適合(※2)の対処が上手く出来るのかといった不安が強かった反面、実際の運用を見ることが出来る楽しみといった期待もありました。

(2). 現地作業内容

現地調整では担当箇所の試運転立会いや不適合の対処、先輩方のサポートが主な作業となりました。
私の現地での最初の作業は、担当した箇所の試運転立会いです。
これまで何かと先輩社員と一緒に行動することが多かったですが、今回は一人での立会いとなり、とても緊張しました。機械のメンテナンス等に時間がかかったようで予定していた時間よりも遅れて試運転が始まり、上手く動作するのかドキドキしながら見守っていました。一通り見ていましたが何とか無事に動作したので一安心でき、実際に自分が作成したソフトで様々な機械が動作している様子を見てとても嬉しく感じました。

試運転立会い後は、不適合の報告がきた際に現場へ行き、内容を確認して対処を行う作業と先輩社員のサポートをおこないました。

運用を続けていくと私が担当した箇所でも色々と不適合が出ました。
その際の対処の方法は、

  1. 現場の方にどのような不適合なのか聞く
  2. 先輩社員への連絡
  3. 原因の調査・先輩社員への連絡
  4. 修正・確認

上記のような手順で行いました。
まず、現場へ行き実際にどのような現象が起こっているのかを具体的に聞きます。
その内容を先輩社員へ連絡し、原因を調べます。原因となっていそうな箇所が見つかったり、どうしても原因がわからない場合にもう一度先輩社員へ連絡を取り、修正方法を相談します。相談した方法で修正と確認を行い、問題が解決していたらその状態で運用を続け様子を見ます。
このような手順を繰返し、発生した不適合の対処を行っていき、最終的に不適合の発生しない状況にしていきます。

また、今回の出張でいった現場は、敷地がとても広いために複数の場所で不適合が発生した場合手分けをしての作業となりました。その際に私がしてしまった失敗には以下のようなことがありました。

  1. 担当箇所だけ気にしていてシステム全体を把握できていなかった。
  2. 上記のため現場へ着いても、先輩社員と連絡をとるか直接来てもらうまで対応が出来なかった。

特に1.の失敗の影響が大きかったと思います。
日頃から「全体を見るように」と指導を受けていましたが、お客様へ説明をする状況になり初めてシステム全体を把握しておかなければいけないという理由を身をもって感じました。全体を把握していないため部分的にしか説明が出来ず、少し突っ込まれた質問をされると「ちょっとその部分は分からないので確認を取ります。」と言うしかなく迅速な対応が出来ずにご迷惑をお掛けすることがありました。

それでも周りの方々に助けていただき何とか約1ヶ月の出張作業を終えることが出来ました。

(3). 出張中の出来事

出張に行き、半月ほど経過した頃、1度体調を崩したことがありました。風邪を引いてしまい、どうしても作業が続けられなかったため早退させていただき病院へ行き診察を受けました。次の日、1日を休養日にして頂き体を休め、何とか作業が出来るようになりました。他の出張者へご迷惑をお掛けしただけでなく、お客様からも「倒れたんだって?」と声をかけていただき、ご心配をお掛けしてしまう事になってしまいました。普段と違う環境での体調管理の難しさを実感した出来事でした。

また、現場で作業中にお客様の方から「どこからきたの?」や「ここはどう?」、「ホテルに泊まってるの?」など色々と話し掛けていただき、緊張が大分解けたと思います。
現場の装置などを見て気になることがあってもあまり話し掛けない方がいいのかなと思っていましたが、話し掛けていただいたことで作業の邪魔にならない程度に私のほうからも話し掛けることが出来ました。色々と親切に教えていただき大変勉強になりました。

他にも出張作業中の先輩社員の手際の良い作業の進め方や、お客様への説明の丁寧さなど普段の社内での作業では見ることが出来ないような事を学ぶ事が出来たと思います。これも出張ならではなのだと感じ、今後に活かせるようにしていきたいと思っています。

(4). 出張先での休日

作業が順調に進み早く帰ることができた日や休日には、出張者皆で一緒に食事に行ったりもします。普段は車での通勤なのでこのような機会はあまりなく、先輩社員から色々な話を聞くことが出来るため仕事中とは違った勉強の場になっています。
また、長期出張では休日も出張先で過ごすことになります。休日には街に出て観光名所に行ったり、特産品などのおいしいものを食べたりすることで気分転換できました。

3. 出張を終えて

「楽しかった」というのが率直な感想です。
その理由としては「社内での作業では経験できないことがたくさんあった」ということがあります。もちろんその中には先輩に怒られたことや対応に失敗したなどの辛かった事もありますが、それ以上に担当箇所が動作したときの感動やお客様と色々なお話が出来たことの方が強く印象に残っているからだと思います。今現在も私が作成に関わったソフトが実際に運用に使われ、お客様の役にたっていると思うととても嬉しく思います。

また、この時の出張で学んだことがあります。それは自分が担当している部分がプロジェクト全体の1割だったとしても、全体のことをある程度把握していないと現地では役に立てないということです。常に全体を見ることができる視野の広さが必要となります。今現在作業をしながら訓練しています。
初めての長期出張に行ったこのときに失敗したこと、感じたこと、考えたことなどを忘れることなく、教訓として今後の出張作業に活かせるよう覚えておきたいと思います。

4. 1年を振り返って

ソフテックに入社してもうすぐ1年が経過しようとしています。今回この文章を書くにあたり、この1年を振り返ってみてまず思うことが「もう1年経つのかぁ」ということです。「学生」から「社会人」という人生の中でも大きなステップを踏み、自分を取り巻く環境の変化に戸惑う事もある中で「もう1年経つ」と感じるのか「やっと1年経つ」と感じるのかでは、大きく違うと思います。その中で「もう1年経つのかぁ」と感じられたということは充実した毎日を過ごすことができ、時間の経過を早く感じたのだと思います。

入社するまでソフトウェア開発という仕事は「1日中椅子に座りパソコンと向かい合っている」というイメージがありましたが、この一年でイメージが変わりました。パソコンと向かい合っていることも多いですが、出張でお客様の所へ行くことも多く工場などで歩き回りながら作業することもあり、意外とアクティブな部分もある職業だと感じています。また、お客様によって出張先も変わるので仕事ではありますがちょっとした旅行気分を味わうこともできると感じています。
この1年で成長できたかなと思う部分もあれば、まだまだ成長できていないなぁと感じる部分もあります。4月からは2年目社員となり、後輩も入社してきます。もう新入社員ではないので「新入社員だから」という言い訳も使えなくなります。これまで以上に責任をもって行動するように気をつけると共に、1年を振り返り反省点を改善するように努めていきたいと思います。今回紹介させていただいた出張作業で感じた「システム全体を把握する」事を特に意識したいと思います。

最後に社会人として1年を過ごしてみて感じたこと、またこれから社会人になられる方へのちょっとしたアドバイスを述べたいと思います。
まず感じたことですが、これまで学費や毎日の生活など家族に支えられてきました。この1年で社会人としての姿を見てもらえた事で少しは家族も安心してくれたのではないかと思います。
今までの「恩返し」というわけではありませんが、少しでも家族を支えられるように頑張っていきたいと思います。まだ実家から通勤しているので本当の意味で独り立ちは出来ていませんが、独り立ちの際に家族に心配をかけることがないような立派な社会人を目指してこれからも頑張っていきます。

また、この1年の経験からこれから社会人になられる方へ私からのアドバイスをしたいと思います。「学生」から「社会人」へのステップでは本当に色々なことが変わります。その変化になれ、体調管理をしっかりすることがまず大切だと思います。その上で「入社1年目」という貴重な期間をフル活用し、いろんなことにチャレンジしてほしいと思います。スポーツや習い事など何かを始めた頃というのは、周りの人が親切に教えてくれたり助けてくれます。それと同じように会社も新入社員を全面的に助けてくれます。チャレンジして成功・失敗を繰り返して多くを学ぶことを先輩方は望んでいます。
ここに挙げた内容は会社へ入社してからもよく言われることだと思いますが、それだけ大切なことだということを覚えておいてほしいと思います。

(N.O.)

[注釈]
※1
PLCとはprogrammable logic controllerの略。ラダーと呼ばれるリレー回路を記号化した言語を用い、これまで大きな制御盤で数百〜数千のリレーを用いて 制御していたようなことをソフトウェアで制御します。
※2
不具合やバグといった言葉と同じような意味で、仕様にない動作や動作上問題が起こった場合にソフテックでは「不適合」と呼んでいます。

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