HOME > ソフテックだより > 第28号(2006年10月18日発行) 現場の声編「ISO9001認証取得に向かって2」

「ソフテックだより」では、ソフトウェア開発に関する情報や開発現場における社員の取り組みなどを定期的にお知らせしています。
さまざまなテーマを取り上げていますので、他のソフテックだよりも、ぜひご覧下さい。

ソフテックだより(発行日順)のページへ
ソフテックだより(技術分野別)のページへ
ソフテックだより(シーン別)のページへ


ソフテックだより 第28号(2006年10月18日発行)

現場の声編

「ISO9001認証取得に向かって2」

前回のISO9001に関する第22号(※1)のメルマガから三ヶ月経ち、外部審査前(※2)の仮運用ではありますが、ついに品質マニュアルの運用が開始となりました。
そこで今回のメルマガではこの三ヶ月の間で問題となったこと(なっていること)として、

  • 品質方針、品質目標について
  • 品質マニュアルとISO規格(※3)との対応度について
  • 社内への品質マニュアルの周知、徹底の手段

の三項目について書いていきたいと思います。

1.品質方針、品質目標について

ISO規格では品質方針と品質目標の設定を求められています。(ISO規格 5.3項 品質方針、5.4項 品質目標)
また、品質目標は品質方針と整合性がとられており、達成度が判定可能でなければなりません。
この要求を読んだ時、品質目標として「不適合(バグ)発生率の低減」と浮かびました。まさに品質に対する目標であり、達成度も判定可能です。
つい最近までこの考えは変わらず、品質方針も品質目標を「不適合発生率の低減」とできることを念頭において作成していただきました。(品質方針ありきの品質目標のはずが、完全に本末転倒です)
ですが、この品質方針、品質目標では問題があることに気づきました。
それは品質方針、品質目標の更新が困難ということです。
不適合発生率では、仕事の規模や、経験により左右されてしまいます。各仕事に対して仕事開始の段階で品質目標を設定することは可能ですが、仕事単位ではなくISO規格で求めている「組織内のそれぞれの階層で」となると、設定は困難となります。
また、仮に不適合発生率が下がっていったとしても、いずれ品質目標が足踏み状態となってしまうことが予測されます。品質目標達成の為に行えることも、ある程度限られてきてしまいます。
「そうは言ってもどうしたら・・・」「不適合発生率や不適合発生件数より具体的に設定できる品質目標なんて・・・」と悩みながらもインターネットで解決策のヒントを探していると『「品質」という言葉にとらわれる必要はない』と書かれているウェブサイトがありました。
少し光が差したように感じましたが、品質方針、品質目標から品質をはずしたら、単なる方針と目標になってしまい、どんなことを設定すべきかよけい分からなくなってしまいました。

さぁ!困った時はインターネットで検索です!!

見つけるまで結構時間がかかったように覚えていますが、バランス・スコアカードを品質目標に設定するという解釈をしているウェブサイトを見つけました。ソフテックでもバランス・スコアカードの作成は行っており、まさにぴったりです。別途新たに品質目標を掲げる必要もなく、願ったり叶ったりではあるのですが、「品質方針、品質目標なのに本当に「品質」にとらわれる必要がないのか?」という疑問がぬぐえずにいました。
もちろんインターネットで検索を行いましたが、『“品質”の意味を取り違えている。“品質”とは製品そのもの質ではなく、会社の経営の質だと言うことが分かっていない』という、私がほしい答えの一歩手前までしか見つけられませんでした。
内容的には十分なのですが、審査会社に解釈の理由として提示するには不向きです。(審査の際にそのような場面が発生するのか不明ですが)
今度はインターネットではなく、近くの大型書店にてISO9001関連の本から“品質”の解釈の部分を片っ端から読んでいき、ついに『製品やサービスの質に限定せず、活動、工程、組織、人などの質をも意味する』という一文に巡り会いました。
こうして私の「品質方針、品質目標なのに本当に「品質」にとらわれる必要がないのか?」という疑問をぬぐい去ることができ、私の机の上にISO9001関連の本が一冊増えることにより、ソフテックの品質目標は無事、バランス・スコアカードに落ち着くことができました。

2.品質マニュアルとISO規格との対応度について

細かい修正は必要とはなりますが、一通り品質マニュアルができあがった時点で、内部監査員セミナーをセミナー会社に依頼しました。
このセミナー会社では当社の品質マニュアルを用いてセミナーを行っていただくことができ、内部監査の例として、品質マニュアルに対する内部監査のチェックシート例を頂くことができました。時間の関係で、残念ながらセミナー内で品質マニュアルに対して模擬内部監査を行うことはできませんでしたが、チェック項目を見てみるとかなり強烈でした。
ISO規格の文章一つ一つがチェック項目となり、品質マニュアル内に対応する箇所が規定されているかチェックするというものでした。
後に自分でチェックしてみたところ、何カ所も対応する規定の無いところがありました。
中には完全に記載漏れで、チェックを行っておいて良かったと思えた箇所もありましたが、多くが「ここまで忠実に対応させて意味があるのかな?」と感じるような項目でした。修正の仕方にも問題があったとは思いますが、「○○は第△△項にて明確にしている」といったような参照だけで終わってしまう文章や、同じような内容の文章が複数回必要になってしまいました。内部監査や審査の時に、ISO規格と品質マニュアルを対比させてチェックするのには楽になるかもしれませんが、あまり意味が無いと思いました。なにより品質マニュアルそのものが読みにくくなってしまうのが問題でした。そのため修正はほどほどにし、審査をお願いしている審査会社に、そこまで対応させておかないと審査の時に是正処置として指摘されてしまうのか確認したところ、以下のような回答でした。

  • 重要な箇所が規定されていなければもちろん是正処置として修正してもらうが、ISO規格の文章一つ一つと対応が取れている必要はない。
  • 最初から完璧は求めない。品質マニュアルを運用、改訂していくことにより完成度を上げていく。

もうすでにISO9001認証取得している企業の担当者から見ると当たり前のことかもしれませんが、今回 内部監査員セミナーをお願いしたセミナー会社は、セミナーの他にコンサルティングも行っている企業だったため、審査未経験な私は「審査に合格するためにはここまでISO規格と対応させないとダメなのか?!」と審査会社の回答を聞くまでモヤモヤとしていました。

3.社内への品質マニュアルの周知、徹底の手段

今回ソフテックでは、仮運用の数日前に初版としての品質マニュアルを発表。メールで全社員に品質マニュアル運用のための簡単な説明を配信。仮運用開始数日後に品質マニュアルの読み合わせ。という順番になりました。
最初は説明会を開き、一つ一つ説明しようかと考えてもいたのですが、かなりの時間が必要となるのは目に見えていましたし、何度も社員を集めるのも困難です。なにより、コストに見合った効果が得られるかが不安でした。
審査会社が打合せのために来社した際に「品質マニュアルの周知のために、読み合わせか説明会を考えているが、説明会の効果に不安を抱いている。今までの経験上 説明会の費用対効果はどうだろうか?」「周知、徹底のよい手段が無いか?」と相談してみたところ、以下のような回答でした。

  • 説明会を何度も行うのであれば別かもしれないが、一回や二回の説明会では十分な理解はなかなか得られないことが多いようだ。
  • 一回や二回の説明会を行うよりは、読み合わせ程度にとどめ、運用していくことにより理解を深めてもらう方が効率がいいだろう。
  • 品質マニュアルの徹底や、理解をより一層深める手段として、内部監査員セミナーを毎年何人かに受講してもらい、最終的に全社員が内部監査員セミナーを受講することにより徹底を図る企業があったが、これは有効なようだ。

この回答を受けて読み合わせで行くことを決断したのですが、「品質マニュアルの読み合わせでいいのか?」「一つ一つ細かく説明する必要があるのか?」という不安は今でも感じることがあります。

正直ドタバタとした仮運用開始となってしまったと感じいていますが、「ようやく仮運用までこぎ着けた・・・」という感覚の方が強いです。
外部審査の前に、内部監査にマネジメントレビューを実施する必要がありますし、認証取得そのものよりも、その後の運用が重要です。

前回の第22号に続き、今回も図など一切なしの文字のみ、しかも長いメルマガとなってしまいましたが、ここまでおつきあいいただきありがとうございました。

(S.T.)

[注釈]
※1
ソフテックだより 第22号 2006年7月19日 現場の声編「ISO9001認証取得に向かって」
※2
社外機関である審査登録機関による規格適合性の審査
※3
ISO規格と表現していますが、正確に言うと、ISO9001を翻訳した日本工業規格であるJISQ 9001の品質マネジメントシステム−要求事項を指しています。

関連ページへのリンク

関連するソフテックだより

ページTOPへ