HOME > ソフテックだより > 第18号(2006年5月24日発行) 現場の声編「お客様との合同デバッグ」

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ソフテックだより 第18号(2006年5月24日発行)
現場の声編

「お客様との合同デバッグ」

今月は、あるシステムの開発終盤に、お客様の工場に出張して一緒に動作確認した時のことを紹介します。
弊社では、開発したソフトをお客様と合同で動作確認をすることがありますが、その呼び方は、「合同テスト」、「合同デバッグ」、「立会い試験」など、様々な呼び方があります。私がうかがったところでは「合同デバッグ」と呼んでいました。
今回は、当時入社2年目の私と、2年先輩の社員と2人でうかがい1週間かけておこなった合同デバッグの様子をお話したいと思います。

1.合同デバッグの目的

お客様と合同デバッグをおこなうにはいくつかの理由があり、主には次の4つが挙げられます。

(1)
運用面で問題が無いか、お客様とシステムの仕様確認をする
(2)
出来上がったソフトやシステムに不具合が無いか、お客様と一緒に確認をする
(3)
弊社内でのシステム環境を十分に整えることが出来ないため、お客様のところで環境をお借りして確認をする
(4)
お客様の確認に人手が足りず手伝いを依頼される

今回は、(4)の目的で合同デバッグにうかがいました。
しかし、過去に先輩社員が合同デバッグにうかがった時には、不具合がいくつも発生してしまい、その場で原因の解明をしなければならず大変苦労したとの話を聞かされました。そういったこともあり今回の開発ではいつも以上に社内確認をおこなったはずなのですが、やはり不安がありました。
また、お客様のところで作業をしたことがなかった私にとっては初めての経験だったこともあり、ドキドキしながら工場へ向かいました。

2.合同デバッグの様子

(1) 初日

工場に着くと、これまで見たことない数の機器が出迎えてくれました。1つ1つを見れば社内でいやと言うほど触ってきた機器ですが、大量にそろうとさすがに迫力があります。
「これから1週間、無事に作業ができますように。」と胸の中でお祈りをして作業開始です。まずは数多く並んでいる機器への最新ソフトのインストールや、配線をします。さすがに数が多いと時間もかかり、全ての環境が整った時には夕方になってしまいました。
その日は、残った時間を使って簡単な動作確認だけおこない、本格的な作業は翌日からとなりました。

(2) 2〜4日目

本格的な確認が始まりました。
確認する内容は、多数の端末からイベントを一斉に発生させたり復旧させたりした時の動作確認や、複数の機器から同時に操作をした時に正しく動くかどうかなどを確認します。

工場では社内とは違い、たくさんの機器が接続されます。そこでは当然、その環境でしか確認できない項目を優先させますが、接続機器が多ければ多いほど問題があった時の苦労も多くなります。おかしな動作を見つけた時に、うたがう機器が増えるからです。
また、同じ操作をしても、各機器の状態によってはおかしな動きをしたり正しい動きをしたりと、操作のたびに状態が変わってしまうこともめずらしくはありません。
そのため確認をする時には、その時の状況やおこなった操作を出来る限り覚えておかなくてはいけません。非常に神経を使います。

それぞれ所定の位置につき、「いきま〜す。」「は〜い。」といった、掛け声を出し合いながら操作をしていきます。また、同時に操作する時の確認では「いっせーのデ!」と掛け声を出し合いながら確認をしていきます。「”いっせーのデ”は、”いっせーのセ”が正しい!」、「いや、”デ”です!」などと軽く雑談をまぜながら作業をしていたその時!不具合発生です。接続されている機器の内1つが動かなくなってしまいました。いくつかボタンを押してみますが、全く反応しません。現場の空気は一転です。
いろいろ試してみたところ、どうやら過去のバージョンから潜在している不具合ということがわかりました。工場の環境ではそれ以上確認のしようがないため、社内に持ち帰り調査することにして、次の確認をすすめました。(後日、社内で確認したところ、相手機器からの応答のタイミングと、本機の操作のタイミングによっては、まれに操作が効かなくなることがありました。お客様にお詫びし、修正したソフトを入れ替えていただきました)
その後も何点か不具合が発生し、とても心苦しい思いをしました。そこでも改めて品質の大切さを思い知りました。

(3) 夕食時の出来事

出張中はお客様と一緒のビジネスホテルに泊まっていましたが、ホテルと工場間の移動はお客様の車に同乗させていただいていました。合同デバッグも終了に近づいてきた日の帰り道、どこかで食事をしようという話になり、帰路にあるファミリーレストランに入りました。メニューを開きながら食べたいものを探している時、「かるく1杯・・・」という声が出てきました。初めは遠慮していましたが、「それじゃ・・・」となり、結局運転手の方以外全員がビールを片手に夕食をとりました。
後に先輩社員から聞きましたが、前回までの合同デバッグではとてもじゃないがお酒を飲める雰囲気ではなく、初めてのことだったそうです。運転手の方には申し訳ないと思いながらも、お酒の力もかりて雑談ができ、楽しいひとときを過ごすことができました。

(4) 最終日

いろいろと問題はありましたが、最終日です。ここまで来るとだいぶ緊張はとけ、お客様ともいろいろな意見の交換が出来るようになります。仕事の話から軽い裏話まで雑談し作業開始です。
最終日には残っていたテストを終わらせ、これまでに発生した問題について話し合いがおこなわれました。そして作業が完了し、帰り支度をしていると、「最終のバスまで時間がありませんよ。」とお客様。急いで物品を箱につめ、後日お客様に発送していただくことにして、先輩社員と共にばたばた帰ることになりました。

最後に

今回お話した以外にも、弊社ではお客様のところで確認作業をおこなうことが多々あります。その出張が成功に終わるか失敗に終わるかは、システムの品質次第といっても過言ではありません。
社員一同、お客様に満足していただけるよう、日夜、品質向上に努めていきたいと思います。

(T.O.)


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