HOME > 開発システム事例 > パソコンソフト開発「FAVIEW(KTX-98)の紹介」
開発システム事例

パソコンソフト開発「FAVIEW(KTX-98)の紹介」

1. はじめに

FAVIEW(KTX-98)は、弊社が開発したPC+PLCで実現するプロセス監視制御システム(SCADA)のパッケージです。
FAVIEWは、2009年3月時点で合計253台(KTX-95:75台/KTX-98:178台)の出荷をさせて頂いており、弊社のソフテックだより、HPでも、何度か紹介させて頂いております。しかし、具体的な案件の紹介がメインであり、FAVIEWそのもののパッケージ内部の技術的な内容は紹介させて頂いておりません。そこで、今回は、カタログだけでは伝えきれないFAVIEWの技術的な特色にフォーカスして紹介させて頂きます。一部専門用語など分かり難い表現が含まれますが、ご容赦頂きます様お願い致します。

2. SCADA、DCSとFAVIEW

SCADA(Supervisory Control And Data Acquisitionの略)は、DCS(Distributed Control System の略)の最下位とも位置付けられる産業用制御システムの一種であり、コンピュータによるシステム監視とプロセス制御を行うものです。弊社の開発したFAVIEWも、そのひとつです。
DCSは非常に高機能ですが、その分高価です。そこで機能と価格を抑えコストパフォーマンスの高いDCSライクな製品を目指してFAVIEWを開発致しました。

3. 背景

もともとFAVIEWは、NECのPC98シリーズを使ってKTX-95として1995年に開発して販売させて頂いておりました。しかし、PCの主流はPC/AT互換機に、OSも現在のWindows7のもと(だいぶ遡りますが...)となっているWindowsNT に注目されるようになってまいりました。FAVIEWもその流れに乗りWindowsNTへ移植することとしました。移植といってもPCのアーキテクチャは全く違いますので、ゼロから新規設計致しました。
KTX-95のいちばんの特色は高速応答性であり、それを維持したままWindowsの汎用性/柔軟性をプラスすることを目標としてKTX-98を開発致しました。また、Windowsの優れた操作性を最大限に利用すべく、独自の設定ツールも開発し、システム構築の敷居を下げ、導入コストを抑えることが可能となっております。
(以後、FAVIEWとはKTX-98におけるPC部分と致します。)

図1. 背景
図1. 背景

4. 汎用性/柔軟性

4-1. 各社のPLC・ネットワークに対応

汎用性/柔軟性の最も大きなところは、各社のPLC・ネットワークに対応していることです。また、FAVIEW相互の接続やHOSTとの接続も可能となっております。これらにより、各社のPLCが混在するシステムや上位から下位までの一貫した情報システムに利用することが可能となっております。

図2. システム構成
図2. システム構成

なお、PLC通信プログラムは、データ処理部分からPLC I/FをDLLとして分離しており、その部分を機能UPすることによりPLC・ネットワークの対応を進めております。また、お客様のリクエストにより指定の機器への接続に対応するということも行っております。

図3. PLC通信プログラム構成
図3. PLC通信プログラム構成

4-2. RDBへ情報を格納

FAVIEWでは情報の最終的な蓄積場所としてRDB(リレーショナルデータベース)を採用しています。RDB操作のインターフェースは汎用的なものです。これにより一旦DBに蓄えられた情報は、いつでも簡単に取り扱うことが可能となります。
RDBのインターフェースを備えているアプリケーションはもちろんVisualBasic等で作成した独自アプリケーションでも自由に情報を扱うことが可能となっています。

また、上位システムでも情報管理にRDBを利用していることは多くあります。その場合、データベース構造をそのまま利用することが可能であり、設計コストを抑えることが可能となります。
当初は、「本来、ネットワークで情報管理を行うためのRDBをPC1台だけで使うなんて勿体ない。」との意見もありました。確かに尤もな意見です。実際、ごく小規模なシステムではコスト的に問題となる場合もありました。しかしながらRDBの利用の幅が広がるに従い、安価なRDBも登場してきました。
結果、今では、様々な規模のシステムに対応したシステムを構築することが可能となっております。

図4. RDBへ情報を格納
図4. RDBへ情報を格納

5. 高速応答性

5-1. プロセス分割による処理の集中と分散

FAVIEWは複数のプロセス(市販ソフト含む)の組み合わせで実現されています。高速な処理が必要だが比較的簡単な部分を1つのプロセスに集中し、それほど高速な処理が必要ではない部分は複数の別プロセスの組み合わせで実装しています。

図5. プロセス分割による処理の集中と分散
図5. プロセス分割による処理の集中と分散

5-2. 高速な処理が必要な部分

もっとも高速な処理が必要な部分は、PLCとの通信部分です。なんといっても情報の取り込みが遅れますと何もできません。PLCとの通信は出来る限り高速に行い、情報の変化を検出しています。本部分以外の処理は、この変化情報も使用しながら、比較的ゆっくり動作しています。

PLC通信ほどではありませんが、もうひとつ高速に動作している処理としてトレンド収集処理があります。FAVIEWでは最短1秒間隔での収集が可能となっています。PCで1秒というと、それほど高速か?とも考えられるかもしれませんが、1秒周期で記録しなければならない情報はひとつではなく複数です。最大512点の登録が可能であり、この数が多ければ多いほど負荷は高くなります。
また収集した情報は最終的にRDBに格納するのですが、PLC通信やトレンド収集と比較した場合RDBの負荷は重く少々処理時間が必要となります。そこでトレンド収集では一時的に情報をバッファリングしてRDBへ格納する働きもしています。

5-3. 高速な処理が必要ではない部分

例えば画面表示です。
画面表示の応答は速ければ速いほど良いのですが、PLC通信やトレンド収集ほどの高速に処理を行う必要はありません。前述の状態変化情報を受け取り、高速応答性を実現しています。
そのため画面側では、より柔軟性を重視した設計となっています。

FAVIEWの情報はどこからでも自由にアクセスできる構成となっていますから、VisualBasic等で自由に監視画面を作成することも可能です。しかし、この場合プログラミングの知識が必須となってしまいます。

そこでFAVIEWでは、監視画面構築をするべく、独自のアプリケーションを用意しております。このアプリケーションでは、部品の配置&設定で画面を構築することが可能です。また、部品は独立したOCXとなっており、部品の追加により機能追加が可能な構成となっております。

6. システム構築

システム構築(お客様のシステム向けに画面、帳票等をカスタマイズする作業)は、使い慣れた市販アプリ、および独自の設定ツールで行います。

6-1. 市販アプリを利用

代表的なものは、MS-Excelです。タグ設定などは、数万点にも及ぶ設定が必要となります。使い慣れた表計算ソフトで設定した後、マクロ実行で必要なデータを生成/設定が可能となっています。

6-2. 独自の設定ツール

画面設定には、独自の設定ツールを使います。画面上で部品を配置していくことにより、直感的に画面イメージの構築が可能です。同時に信号割付の設定も行うことにより、状態に応じた表示を行うことが出来ます。また、本ツールは、監視状態で動作可能ですから、実際の動きを見ながら設定することが可能となっています。

図6. 独自の設定ツール
図6. 独自の設定ツール

7. おわりに

KTX-98の開発から10年以上が経ちました。開発にはPLC、RDB、その他Windowsアプリケーション開発の様々な技術を取り入れています。
当時としては、情報が少なく、開発が困難な場面も多くありましたが、より良い製品を目指し、新しい技術に取り組みました。
その取り組みは、KTX-98以外の開発でも同様です。より良いと思われる技術には積極的に取り組んでおります。なんと言っても技術の会社ですから、今後も新しい技術に敏感に、そして、果敢に取り組んで行きたいと思います。

(H.T.)


関連ページへのリンク

関連するソフテックだより

ページTOPへ